2017年7月27日 (木)

政治家の質の劣化について

政治家の質の低下とか劣化ということがよく言われますが、私も同感です。またどうしたわけか、最近は政治家を長くやると人相が悪くなるようです。個人名を出して恐縮ですが、菅直人氏は若い頃はもっと人相が良かった、いわゆるイケメンであったと思います。大体、私と思想的立場を異にする政治家は人相が悪いようです。

 

今の政治家の中に、歌を詠み、書を書く人はあまり多くはないと思います。吉田茂氏は、書も書きましたし、何と漢詩も作りました。岸信介氏の書はまさに書家並のうまさでした。私は岸氏の「信は萬事の本と為る」と書かれた色紙を持っております。

 

以前あるところで、海部俊樹元総理の色紙を見ましたが、書かない方が良いと思う位の字でした。私に言わせれば小学生の習字作品の方がまだ良いと思いました。それでも政治家は頼まれれば色紙を書かねばならないのでしょう。

 

ともかく、昔は、政界に限らず、財界・学界・文壇・芸能界などあらゆる分野において、風格と威厳のある人が多かったと思います。俳優・歌手でいえば、嵐寛寿郎・大河内伝次郎・月形龍之介・島田正吾・辰巳柳太郎・田谷力三・東海林太郎・藤山一郎・伊藤久男・松島詩子・渡辺はま子といった人々はみんな風格がありました。深みもありました。今はこういう人はいません。(私の好きな俳優と歌手を書いただけというお叱りを受けるかもしれませんが)

 

海部俊樹は、「朝日新聞」七月二十六日号で、今上陛下の即位の大礼の時のことを得意げに話し、「宮内庁からは、皇族と同じ『衣冠束帯』を着るよう求められたが、僕は『この時代にそれはないでしょう』と反対し、燕尾服で参加した。天皇、皇后両陛下より一段低い中庭の玉砂利の上で待ち、呼ばれてから殿上に上がって来るようにも言われたが、僕はこれも断り、最初から殿上にいることにこだわった」「宮内庁は、田中義一首相時代の昭和天皇即位の礼にならおうとした。しかし、今の陛下の即位の礼は、戦後の新憲法の下で初めて国事行為として行われるものだった。各国の国王や大統領らが臨席する中、日本が戦前と違う国民主権の民主主義国家であることを示そうと、僕なりに精いっぱいの努力した」などと語りました。

 

伝統を守ることを拒否し、畏れ多くも天皇陛下と総理大臣が対等であるかのごとき考えを披歴し、さらに、アメリカからの押し付け憲法を遵守する姿勢を示しています。

 

この海部の発言については、機会を改めて批判したいと思います。小沢一郎は、海部俊樹を「軽くてパー」と言いましたが、今回のこの発言を讀んでまさにその通りと実感しました。

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2017年6月 2日 (金)

今日思ったこと

ロシアのプーチン大統領は6月1日、北方四島について「日本の主権下に入れば、これらの島に米軍の基地が置かれる可能性がある」と述べ、日米安保条約が適用される現状では日本への返還は難しいとの認識を示した。

 

 

 

これは言いがかりである。日本に「日米安保解消」を求めるは現状では無理難題の押しつけに過ぎない。では日本が日米安保を解消し、自主防衛体制確立の為に、北方四島に核基地を建設してもそれを容認するのか。そんなことは絶対にない。

 

 

 

ロシアは北方領四島すら返す気は全くないのである。南樺太全千島奪還を目指しロシアと戦わねばならない。

 

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2017年4月16日 (日)

今日における『大アジア主義』とは

頭山満と盟友関係にあり、共に「大アジア主義」を唱へた孫文は、大正十三年(一九二四)十二月二十八日、神戸高等女学校において神戸商業会議所外五団体に対して行った講演で「貴方がた、日本民族は既に一面欧米の覇道の文化を取入れると共に、他面アジアの王道文化の本質をも持って居るのであります。今後日本が世界文化の前途に対し、西洋覇道の鷹犬となるか、或は東洋王道の干城となるか、それは日本國民の詳密な考慮と慎重な採択にかかるものであります」と語った。

 

しかし、今日アジアで覇道精神を実践し、軍事的・政治的・経済的拡張と侵略を行ってゐるのは共産支那である。さらに、五族共和どころか共産支那国内の諸民族を抑圧してゐるのは共産支那である。今日の共産支那には仁義も道徳もありはしない。今日の支那は、権力者が富と権力を独占し、まさに清朝時代に戻ったと言ってもいい。

 

今日の支那・朝鮮の國内情勢、支那によるわが國などアジア諸國に対する悪行を見ると「道徳さえ地を拂ふて殘刻不廉恥を極め」(「脱亜論」)、アジアを「残忍酷薄」「野蛮」(「大西郷遺訓」)に侵略し支配せんとしてゐる國は、共産支那である。そして韓國はその属國に成り果てようとしてゐる。かかる「亜細亜東方の悪友を謝絶する」べきである。そして、他のアジア諸國およびアメリカと同盟関係を深めて、中華帝國主義のアジア侵略の野望を撃ち砕くべきである。これが今日における「脱亜論」と言ふよりも「脱支那論」であり「大アジア主義」である。

 

近代日本の大陸および朝鮮半島との関係史に学ぶことは、政治的経済的に深入りしないことが大切であるといふ事である。「東亜」とか「アジア」と一括りにして東亜解放・アジアナショナリズム・大アジア主義を標榜して大陸に政治的・軍事的・経済的に深入りしことにより、日本は亡国の危機に陥ったのである。

 

國史を省みるとわが國が支那大陸に深入りするとろくなことがなったことは事実である。これまでの歴史で、日本が大陸に深く進出して成功したためしはない。亡國の危機に至る事さへあった。特に昭和前期の日本は、軍事的・政治的に大陸に深入りし、ソ連・中共の謀略に引っかかり、泥沼の戦ひとなって日米戦争にまで進み敗北した。

 

戦後の「日中友好」「日韓友好」も同じ誤りを繰り返した。「日韓基本条約締結」「日中國交回復」以後、経済的に深入りして金と技術を支那や韓国に投入し、共産支那を軍事大國にしてしまった。また韓国も日本に対して竹島を占拠し続け反日策謀を繰り返してゐる。その結果、主権と安全と独立が脅かされてゐる。北朝鮮に対しても朝鮮総連を通じて事実上の経済支援を行ったが、今日わが国の核攻撃の恫喝を行ってゐる。

 

支那と朝鮮が日本にとって「悪友」であることは今日ますます事実として明らかになってゐる。一昨日も書いたが、支那朝鮮がこれ以上理不尽にわが国を圧迫して来たら、破邪の剣を振ふより致し方ないのである。「支那・朝鮮の公正と信義に信頼して自国の生存と安全を保持しようと決意した」などと呑気なことは言ってゐられないのである。

 

今日唯今における、「脱亜」とは清・朝鮮との関係の「謝絶」であり、「入欧」とは海洋国家との連携である。台湾、ベトナム、フィリッピン、オーストラリア、アメリカと連携して、中華帝国主義国家の膨張・侵略を防がねばならない。支那・朝鮮がわが國の隣國であるからとて、何をされても、ニコニコ笑って「大人の対応」をするべきではない。「悪友」の侵略・不法行為から、わが國の独立と主権を守るために、わが國の尊皇攘夷精神を発揮して「處分す可きのみ」である。

 

アジア情勢は危機に瀕してゐる。わが國は、自國の力を強めると共に、アメリカや東南アジア諸國との連帯を深めて、中華帝國主義に対処すべきである。

 

今日における「大アジア主義」は、「残忍酷薄を事とし、己れを利する」のみの共産支那のアジア侵略植民地支配を打破するために、アジア諸國・諸民族が連帯し、アジアを「中華帝國主義」の桎梏下から解放しようといふ思想である。

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2017年4月14日 (金)

わが国は朝鮮半島に対して如何に向き合い如何に対処すべきか

 

北朝鮮は、核実験・ミサイル発射を行い、気に入らぬものは、兄弟だろうと義理の叔父であろうと抹殺する狂気の独裁者が恐怖政治を行っている。韓国は、歴代大統領が自殺・投獄・暗殺・亡命の憂き目に遭う国である。竹島を占拠したまま返そうとしない。そして両方とも徹底した反日である。わが国は朝鮮半島に対して如何に向き合い如何に対処すべきであろうか。

 

葦津珍彦氏は次の如くに論じてゐる。

「日韓両民族が、一視同仁の聖天子の兄弟たるべき時代は消え去ってしまった。…仲のわるい隣邦の外国人にすぎなくなった。道義も失はれ、金権の外に考へない気風に汚染されている。韓国人は自ら国を亡ぼしてしまった歴史を、ことさらに抹殺して、日本をただ悪者にして、公正の歴史をゆがめて、対日請求のやくざ集団のような思想にとりつかれている。ここでは、はっきりと日韓は別国とわり切って、冷徹な国家対国家の国際公法の『理性』に立ち、相和すべき理があれば和するが、対決すべき理があれば同志を拒否し対決するとの原点に戻って、初めから、出直す外にあるまい。その対等対決の中から、自らにして兄弟の情のわき出るを切望するが、心にもない特殊、非情理な、拵え事のだらだら回想情操論は一旦打ち切った方がいい。今の條件で日本天皇と親しむ者には親しみ、敵対する者には敵対するがいい。異国人相手の交際からの出直しだ」(『朴鐡柱君悲痛の生涯』・「朴鐡柱大人を偲ぶ」所収)

 

日本と朝鮮半島とは近親でも身内でもない。異文化・異民族であることをもっと確認すべきだ。当たり前のことだが、日本と朝鮮半島とは地理的には近隣でも文化的・民族的には決して近隣国家ではない。

 

また、アジア・東洋で一括りにすることはできない。アジア諸国家・諸民族には文化・歴史・宗教などに大きな違いがある。それぞれ個性がある

 

全世界の国家がそうであるように、東アジアにおいても大陸国家と半島国家・海洋国家とに分けられる。支那は大陸国家であり、朝鮮は半島国家であり、日本や東南アジア各国は海洋国家である。戦争が起こる確率が高いのは、半島国家である。大陸国家・半島国家・海洋国家が連帯することは不可能だ。 

 

戦後の日中友好、日韓友好、日朝友好は破綻した。「日韓基本条約締結」「日中國交回復」以後、経済的に深入りして金と技術を支那や韓国に投入し、共産支那を軍事大國にしてしまった。また韓国も日本に対して竹島を占拠し続け反日策謀を繰り返してゐる。北朝鮮に対しても朝鮮総連などを通じて事実上の経済支援を行ってきた。しかし、多数の日本人を拉致し、未だに返してこない。そして日本の米軍基地を攻撃すると息巻いている。支那・韓国・北朝鮮よってわが国の主権と安全と独立が脅かされてゐる。

 

支那と朝鮮が日本にとって「敵」であることは今日ますます事実として明らかになっている。支那朝鮮がこれ以上理不尽にわが国を圧迫して来たら、破邪の剣を振うより致し方ないのである。「支那・朝鮮の公正と信義に信頼して自国の生存と安全を保持しようと決意した」などと呑気なことは言っていられないのである。

 

今日唯今、日本が行うべき事は、海洋国家との連携である。台湾、ベトナム、フィリッピン、インドネシア、オーストラリア、アメリカなどと連携して、わが国の安全とアジアの平和を守らねばならない。

 

中華帝国主義国家の膨張・侵略を防がねばならない。支那・朝鮮がわが國の隣國であるからとて、何をされても、ニコニコ笑って「大人の対応」とやらをするべきではない。

 

アジア情勢は危機に瀕してゐる。わが國は、自國の力を強めると共に、アメリカや東南アジア諸國との連帯を深めて、中華帝國主義に対処すべきである。繰り返し言う。「支那・朝鮮の公正と信義に信頼して自國の生存と安全を保持しようと決意した」などと呑気なことは言っていられないのである。

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2017年4月 3日 (月)

今日思ったこと

報道によると、北方領土の要塞化が急速に進んでいるという。日本の政治家がプーチンに「ウラジミール」などと呼び掛けたところで、ロシアは北方四島すら返す気はないのは明らかだ。

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2017年4月 2日 (日)

今日思ったこと

民進党などの亡国野党と朝日新聞などの亡国メディアが、大阪の学校法人の問題で安倍政権を批判している。しかし、少なくとも志位和夫・蓮舫・小沢一郎・福島瑞穂・辻元清美・山尾志桜里・小川敏夫・長妻昭などという連中が中枢を担う政権が誕生すれば、まさに日本は亡国です。そんな政権より安倍政権の方がましであることは火を見るよりも明らかです。

安倍政権には大きな不満があります。歴史問題・憲法問題に対する姿勢はもう少ししっかりしてもらいたいと思います。しかし、今の野党に政権を渡してはならないということは自明であります。

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2017年3月15日 (水)

日台関係について

わたしは十日間ほど支那大陸を訪問したことがあるが、支那人の衛生観念の低さ実感した。汚い話で恐縮だが、南京のホテルの廊下に置かれている痰壺の上には、「痰壺に糞をするな」という張り紙があった。喫茶店ではトイレの床に仕入れた食品材料が置かれていた。有名観光地の水洗トイレは流れないから、糞が山のようになっていた。とても跨いで用をたす気にはなれなかった。

 

台湾人の中には国民党政権の恐怖政治時代を忘れてしまった人たちが少なからずおり、あの恐怖時代を知らない若者も少なくないという。共産支那の脅威は高まる一方であり、それに呼応する勢力が台湾内部に存在します。それはかつて〈反共〉を党是としていた国民党である。

 

私は、台湾の完全独立が一日も早く達成されることを願っている。日本と台湾は固く結んで、「中華帝国主義」と戦わねばならない。

 

しかし私は、台湾は日本の生命線とか、日米安保は日本の命綱というような考えは持つべきではないと考える。台湾との協力は大切だが、他の国がどのような状況になろうとも、日本は自ら国を守るという決意と態勢を確立していなければならない。保持しなければならない。台湾やアメリカの動向に一喜一憂してはならない。自立の精神が大事だ。

 

かつての同胞台湾人が、中華帝国主義の餌食になることだけは何としても食い止めねばならない。以前、老台湾人の方と話し合った時、その方の中学時代の恩師二人が、二・二八事件で国民党に虐殺されたということを聞いた。二・二八事件では日本統治下で高等教育を受けた多くの知識人が虐殺された。つまり、かつての同胞が支那軍に虐殺されたのである。われわれ日本人は、台湾人と共に、「中華帝国主義」の侵略と戦わねばならないと思う。

 

台湾の自立・独立の維持は日本の自立・独立の維持と直結する事は確かです。ただし、それはお互いの国が自分の国は自分で守るという強い決意と実力を確立しつつお互いに協力するということである。

 

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2017年1月18日 (水)

湯浅博氏(産経新聞特別記者)による「世界情勢と安倍外交への期待」と題する講演内容

九月二十四日に開催された『アジア問題懇話会』における湯浅博氏(産経新聞特別記者)による「世界情勢と安倍外交への期待」と題する講演内容は次の通り。

 

「世界の動きはとんでもなく早いスピードで動いている。冷戦構造が終って、パワーが安定し、巨大超大国一国のヘゲモニーで安定しているのが正しいと思えたが、世界が変わって、アメリカのパワーが落ちて中国という地域覇権を目指す国が台頭。アメリカを中国が追い越すという見方もある。各国が経済力・軍事力を伸ばし、アメリカのパワーが相対的に落ちている。

 

ロシアとイランが接近。ロシアがアフガンに攻め込んだ時、イランは反ソ体制の中に入っていたが変わってきている。イランの空軍基地からロシアの爆撃機がシリアを爆撃した。トルコがロシア軍機を警告を経て撃墜。ロシアとトルコが険悪になると思われた。経済制裁が起きて一年経過。エルドアン政権がクーデターで倒れると思われたが、弾き返して反政府を締め付けた。そしてプーチンと接近。戦略的要衝をトルコが抑えている。エルドアンもプーチンも政治的動物。

 

ドゥテルテが出てきて様子が変わった。ドゥテルテは『アメリカがフィリッピンに入って来た時、フィリッピン人がバタバタ殺された』と言った。オバマがドゥテルテとの会見を拒否した。そのためドゥテルテは中国との二国間交渉を始めると言い出した。中国は二国間で小国をまるめこむのが戦略。

 

ハーグ仲裁裁判所で中国は国際的無法者と認定した。九月中旬の南シナ海での中国とロシアの共同演習は、昨年の黒海でのアメリカとルーマニアの合同演習のお返し。欧米がクリミア半島問題で経済制裁をした時も、中国はそれを批判。ロシアと中国はお互いに傷をなめ合ってアメリカに対抗する仲間になっている。中国の東北三省には一億の人口がある。シベリアは六三〇万の人口。圧倒的に中国の人口が多い。

 

日本の対中関係はマイナスが常態化。中国にストレスを抱いている。歴史問題が減っても関係は改善せず。安倍外交は対ロシア新アプローチで接近。日露交渉の正の条件は、①ロシアの経済苦境でタイに譲歩が迫られている。②米国が日露交渉を認めている。負の条件は①米欧が対ロ経済制裁の最中②南シナ海で日本が求める『法の支配』に反する。③ロシアは条約破りの常習者。プーチンの対日接近の理由。①人口減少に悩むシベリア地域。②日本を対中・対米カードに使う。

 

民主主義が後退する。自由・進歩・民主の限界。アメリカの相対的衰退が始まった。オバマ第一期政権の外交の特徴は『軍事力を使わず、軍事介入しない』。抑止力を否定。オバマ第二期政権は、抑止戦略から抑制戦略に後退。

 

イギリスのEU離脱は大英帝国への郷愁。世界は覇権展開している。国家対国家の熱戦が行われている。日本は中・露・北朝鮮という核を持っている国に囲まれている。ロシアは伝統的に拡張主義。専守防衛では日本は守れない。日本は海洋国家になれるのか。

 

一九六四年の東京五輪の時には中国の核実験が行われた。二〇二〇年の東京五輪決定の時には習近平による海洋覇権への挑戦が起こった。日本は海洋国家へ脱皮する。第二次安倍外交の戦略は海洋国家の『遠交近攻』=地球儀を俯瞰する外交。勢力均衡のリアリズム。防衛費増、集団的自衛権の容認、憲法改正」。

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2017年1月 4日 (水)

泉三郎氏(NPO法人米欧回覧の会会長)による「日本近代化の曙―岩倉使節団の挑戦」と題する講演内容

九月十五日に開催された「新三木会九月講演会」における泉三郎氏(NPO法人米欧回覧の会会長)による「日本近代化の曙―岩倉使節団の挑戦」と題する講演内容は次の通り。

 

「幕末から明治初期、技術革新、産業革命の大波が押し寄せていた。西洋が大砲を装備した蒸気船でアジアに進出。中国は香港をもぎ取られる。日本にはペリーとプチャーチンが来て開国を迫る。弱肉強食の危機が迫る。日本は開国したが、裁判権は相手国にあった。関税自主権も喪失。

 

岩倉使節団は、明治四年十一月十二日、横浜港を出帆した。廃藩置県の四か月後に、欧米使節団が派遣された。木戸孝允は三十九歳、大久保利通は四十一歳、伊藤博文は三十一歳、山口尚芳は三十三歳。幕臣出身者も含まれていた。平均年齢は三十一歳。八歳になったばかりの津田梅子など女子留学生が四人参加。中江兆民、平田東助、牧野伸顕も含まれている。派遣組と留守組との十二カ条の約定があった。

 

最初に訪問したサンフランシスコは当時十五万の人口。西洋文明のモデルのような都市だった。最高のホテルであったグランドホテルに宿泊。ものすごい歓迎を受けた。二週間滞在。伊藤博文は英語でスピーチ。大変な話題になった。条約改正交渉をした。アメリカには二百日滞在した。

 

ドイツでは工場を見学。ベルリン訪問。当時八十万の人口。ビスマルクに会った。ビスマルクは使節団に『最後に決めるのは軍事力だ』と言った。ドイツ滞在中に、三条実美から、木戸と大久保に帰国命令が来た。大久保が帰国。木戸と大久保は考え方が違う。大久保は急進的開発独裁。木戸は漸進主義。

 

欧米におけるキリスト教の力に驚いた。新しい条約は結べなかった。久米邦武が編集した『特命全権大使 米欧回覧実記』は近代化のテキストになっている。キリスト教と欧米の礼義・交際・親子男女関係は受け入れ難い。アメリカでそれを感じた。女性を優先し、大切にする。アメリカはカカア天下の国。ボストンで接吻した離れない男女がいるのを見て驚いた。日本の倫理道徳を守り西洋の技術を学ぶ。これが和魂洋才。これを骨子として『明治憲法』と産業政策が出来た。憲法を補完するものとして『教育勅語』が渙発された。

 

北海道がロシアに取られそうになった。日清戦争・日露戦争は防衛の戦争だった。山県有朋と伊藤博文は日露戦争に反対した。児玉源太郎と桂太郎は賛成した。

 

岩倉使節団の予算は五十万米ドル。しかし会計報告なし。大蔵省の火災で資料が無くなったという。かなりいい加減なこともやっていた。武士は金がなくなれば誰かから工面すればいいという気質。伊藤博文はテロも戦争もやって政府要人になった。オールプレイヤー。教育は、塾と藩校のみ。しかしああいう人物が育った。

 

木戸、大久保、西郷が一代目。桂太郎は二代目。桂太郎は横浜語学学校で学びドイツへ留学。二代目は初代を見ているから何とか持つ。三代目即ち士官学校・陸軍大学を出た軍事官僚は現場を知らない。西園寺公望は岩倉具視の後継者。近衛文麿は三代目。山本権兵衛、田中義一、東條英機は人物が小粒。近視眼。命を懸けない」。

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2016年12月21日 (水)

『笹川平和財団日米交流事業主催講演会・中国・欧州関係の進展とその世界的影響』におけるケント・E・カルダー氏(ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院SAIS、エドゥィン・O・ライシャワー東アジア研究所所長)の講演内容

八月二十四日に開催された『笹川平和財団日米交流事業主催講演会・中国・欧州関係の進展とその世界的影響』におけるケント・E・カルダー氏(ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院SAIS、エドゥィン・O・ライシャワー東アジア研究所所長)の講演内容は次の通り。

 

「問題を理解するには現場主義でなければならない。日米関係の未来を把握するにはグローバルな状況を理解しなければならない。マクロ的に見ると、世界は深いところから変わりつつある。南シナ海の緊張はグローバルを要素としている。

 

ヨーロッパに大きな変化が起こっている。九十一年にユーゴスラビアとソ連が崩壊。多くの国が独立。旧ソ連の権力が集中していた国が独立。ロシア皇帝の夏の都であったサンクトペテルブルグは、国境から三㎞しか離れていない。ウラジオストク、カムチャッカは今もロシアの一角を占めている。

 

ベルリンの壁が崩れてから始まった。モンテネグロは200663日に独立し、NATOに加盟。NATOは東方拡大を果たした。ベラルーシ、ウクライナはNATOに入っていないがロシアの一員ではない。これらの国々はワルシャワ条約機構に加盟しソ連軍が入っていた。エネルギーの絆も深かった。ロシアのエネルギーへの依存度が高い。ロシアと深い経済関係がある。今のロシアの指導者は、安保面では敵対的に見ている。軍事面で海や空において低度の対立が起こっている。

 

一九八一年にギリシアが民主化。二〇一三年にクロアチアがEUに入った。統一通貨も用いるようになった。ユーロを導入。バルト三国の旧ソ連のメンバーはすべてユーロを導入。特にユーロを通じてドイツと関係が深い。地中海諸国はどんどん赤字が増え、後れを取ってきた。バルト三国は財政をうまくやっている。スペイン、キプロス、イタリアなどの地中海國は共通通貨で関係が深くなっている。

 

中国のマーケットの規模はイギリスにとってとても大きい。鍵を握るのはドイツ。フォルクスワーゲンは中国を外せない利益を出している。関係は強化されている。

 

ヨーロッパは抜本的に変化しつつある。旧ソ連の一部を包含している。アメリカはヨーロッパの脆弱性を意識しなければならない。日本はこのことを理解すべし。NATOは機構として大西洋を中心にしている。日本はロシアと対話するのは当然。NATOとも対話を進化すべし。伊勢志摩サミットで道が開ける。日米同盟を強化しなければならない。

 

中国とヨーロッパの関係は進化している。ロシアは地政学的に脆弱になっている。中国は強くなっている。中国はフィリッピンとの絆を深めている。ナショナリズムが熱くなるのが怖い。フィリッピンのドゥテルテ政権は中国寄りにシフトしている。中国国内はデリケートになっている。中国は守りの姿勢になっている。シリコンバレーと日本の関係を強化すべし。日米欧は人権などで同じ価値観を持っているが、中国はそうではない。中欧関係の強化はバランスが取れていない。多元主義が重要」。

 

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