2017年1月18日 (水)

湯浅博氏(産経新聞特別記者)による「世界情勢と安倍外交への期待」と題する講演内容

九月二十四日に開催された『アジア問題懇話会』における湯浅博氏(産経新聞特別記者)による「世界情勢と安倍外交への期待」と題する講演内容は次の通り。

 

「世界の動きはとんでもなく早いスピードで動いている。冷戦構造が終って、パワーが安定し、巨大超大国一国のヘゲモニーで安定しているのが正しいと思えたが、世界が変わって、アメリカのパワーが落ちて中国という地域覇権を目指す国が台頭。アメリカを中国が追い越すという見方もある。各国が経済力・軍事力を伸ばし、アメリカのパワーが相対的に落ちている。

 

ロシアとイランが接近。ロシアがアフガンに攻め込んだ時、イランは反ソ体制の中に入っていたが変わってきている。イランの空軍基地からロシアの爆撃機がシリアを爆撃した。トルコがロシア軍機を警告を経て撃墜。ロシアとトルコが険悪になると思われた。経済制裁が起きて一年経過。エルドアン政権がクーデターで倒れると思われたが、弾き返して反政府を締め付けた。そしてプーチンと接近。戦略的要衝をトルコが抑えている。エルドアンもプーチンも政治的動物。

 

ドゥテルテが出てきて様子が変わった。ドゥテルテは『アメリカがフィリッピンに入って来た時、フィリッピン人がバタバタ殺された』と言った。オバマがドゥテルテとの会見を拒否した。そのためドゥテルテは中国との二国間交渉を始めると言い出した。中国は二国間で小国をまるめこむのが戦略。

 

ハーグ仲裁裁判所で中国は国際的無法者と認定した。九月中旬の南シナ海での中国とロシアの共同演習は、昨年の黒海でのアメリカとルーマニアの合同演習のお返し。欧米がクリミア半島問題で経済制裁をした時も、中国はそれを批判。ロシアと中国はお互いに傷をなめ合ってアメリカに対抗する仲間になっている。中国の東北三省には一億の人口がある。シベリアは六三〇万の人口。圧倒的に中国の人口が多い。

 

日本の対中関係はマイナスが常態化。中国にストレスを抱いている。歴史問題が減っても関係は改善せず。安倍外交は対ロシア新アプローチで接近。日露交渉の正の条件は、①ロシアの経済苦境でタイに譲歩が迫られている。②米国が日露交渉を認めている。負の条件は①米欧が対ロ経済制裁の最中②南シナ海で日本が求める『法の支配』に反する。③ロシアは条約破りの常習者。プーチンの対日接近の理由。①人口減少に悩むシベリア地域。②日本を対中・対米カードに使う。

 

民主主義が後退する。自由・進歩・民主の限界。アメリカの相対的衰退が始まった。オバマ第一期政権の外交の特徴は『軍事力を使わず、軍事介入しない』。抑止力を否定。オバマ第二期政権は、抑止戦略から抑制戦略に後退。

 

イギリスのEU離脱は大英帝国への郷愁。世界は覇権展開している。国家対国家の熱戦が行われている。日本は中・露・北朝鮮という核を持っている国に囲まれている。ロシアは伝統的に拡張主義。専守防衛では日本は守れない。日本は海洋国家になれるのか。

 

一九六四年の東京五輪の時には中国の核実験が行われた。二〇二〇年の東京五輪決定の時には習近平による海洋覇権への挑戦が起こった。日本は海洋国家へ脱皮する。第二次安倍外交の戦略は海洋国家の『遠交近攻』=地球儀を俯瞰する外交。勢力均衡のリアリズム。防衛費増、集団的自衛権の容認、憲法改正」。

| | トラックバック (0)

2017年1月 4日 (水)

泉三郎氏(NPO法人米欧回覧の会会長)による「日本近代化の曙―岩倉使節団の挑戦」と題する講演内容

九月十五日に開催された「新三木会九月講演会」における泉三郎氏(NPO法人米欧回覧の会会長)による「日本近代化の曙―岩倉使節団の挑戦」と題する講演内容は次の通り。

 

「幕末から明治初期、技術革新、産業革命の大波が押し寄せていた。西洋が大砲を装備した蒸気船でアジアに進出。中国は香港をもぎ取られる。日本にはペリーとプチャーチンが来て開国を迫る。弱肉強食の危機が迫る。日本は開国したが、裁判権は相手国にあった。関税自主権も喪失。

 

岩倉使節団は、明治四年十一月十二日、横浜港を出帆した。廃藩置県の四か月後に、欧米使節団が派遣された。木戸孝允は三十九歳、大久保利通は四十一歳、伊藤博文は三十一歳、山口尚芳は三十三歳。幕臣出身者も含まれていた。平均年齢は三十一歳。八歳になったばかりの津田梅子など女子留学生が四人参加。中江兆民、平田東助、牧野伸顕も含まれている。派遣組と留守組との十二カ条の約定があった。

 

最初に訪問したサンフランシスコは当時十五万の人口。西洋文明のモデルのような都市だった。最高のホテルであったグランドホテルに宿泊。ものすごい歓迎を受けた。二週間滞在。伊藤博文は英語でスピーチ。大変な話題になった。条約改正交渉をした。アメリカには二百日滞在した。

 

ドイツでは工場を見学。ベルリン訪問。当時八十万の人口。ビスマルクに会った。ビスマルクは使節団に『最後に決めるのは軍事力だ』と言った。ドイツ滞在中に、三条実美から、木戸と大久保に帰国命令が来た。大久保が帰国。木戸と大久保は考え方が違う。大久保は急進的開発独裁。木戸は漸進主義。

 

欧米におけるキリスト教の力に驚いた。新しい条約は結べなかった。久米邦武が編集した『特命全権大使 米欧回覧実記』は近代化のテキストになっている。キリスト教と欧米の礼義・交際・親子男女関係は受け入れ難い。アメリカでそれを感じた。女性を優先し、大切にする。アメリカはカカア天下の国。ボストンで接吻した離れない男女がいるのを見て驚いた。日本の倫理道徳を守り西洋の技術を学ぶ。これが和魂洋才。これを骨子として『明治憲法』と産業政策が出来た。憲法を補完するものとして『教育勅語』が渙発された。

 

北海道がロシアに取られそうになった。日清戦争・日露戦争は防衛の戦争だった。山県有朋と伊藤博文は日露戦争に反対した。児玉源太郎と桂太郎は賛成した。

 

岩倉使節団の予算は五十万米ドル。しかし会計報告なし。大蔵省の火災で資料が無くなったという。かなりいい加減なこともやっていた。武士は金がなくなれば誰かから工面すればいいという気質。伊藤博文はテロも戦争もやって政府要人になった。オールプレイヤー。教育は、塾と藩校のみ。しかしああいう人物が育った。

 

木戸、大久保、西郷が一代目。桂太郎は二代目。桂太郎は横浜語学学校で学びドイツへ留学。二代目は初代を見ているから何とか持つ。三代目即ち士官学校・陸軍大学を出た軍事官僚は現場を知らない。西園寺公望は岩倉具視の後継者。近衛文麿は三代目。山本権兵衛、田中義一、東條英機は人物が小粒。近視眼。命を懸けない」。

| | トラックバック (0)

2016年12月21日 (水)

『笹川平和財団日米交流事業主催講演会・中国・欧州関係の進展とその世界的影響』におけるケント・E・カルダー氏(ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院SAIS、エドゥィン・O・ライシャワー東アジア研究所所長)の講演内容

八月二十四日に開催された『笹川平和財団日米交流事業主催講演会・中国・欧州関係の進展とその世界的影響』におけるケント・E・カルダー氏(ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院SAIS、エドゥィン・O・ライシャワー東アジア研究所所長)の講演内容は次の通り。

 

「問題を理解するには現場主義でなければならない。日米関係の未来を把握するにはグローバルな状況を理解しなければならない。マクロ的に見ると、世界は深いところから変わりつつある。南シナ海の緊張はグローバルを要素としている。

 

ヨーロッパに大きな変化が起こっている。九十一年にユーゴスラビアとソ連が崩壊。多くの国が独立。旧ソ連の権力が集中していた国が独立。ロシア皇帝の夏の都であったサンクトペテルブルグは、国境から三㎞しか離れていない。ウラジオストク、カムチャッカは今もロシアの一角を占めている。

 

ベルリンの壁が崩れてから始まった。モンテネグロは200663日に独立し、NATOに加盟。NATOは東方拡大を果たした。ベラルーシ、ウクライナはNATOに入っていないがロシアの一員ではない。これらの国々はワルシャワ条約機構に加盟しソ連軍が入っていた。エネルギーの絆も深かった。ロシアのエネルギーへの依存度が高い。ロシアと深い経済関係がある。今のロシアの指導者は、安保面では敵対的に見ている。軍事面で海や空において低度の対立が起こっている。

 

一九八一年にギリシアが民主化。二〇一三年にクロアチアがEUに入った。統一通貨も用いるようになった。ユーロを導入。バルト三国の旧ソ連のメンバーはすべてユーロを導入。特にユーロを通じてドイツと関係が深い。地中海諸国はどんどん赤字が増え、後れを取ってきた。バルト三国は財政をうまくやっている。スペイン、キプロス、イタリアなどの地中海國は共通通貨で関係が深くなっている。

 

中国のマーケットの規模はイギリスにとってとても大きい。鍵を握るのはドイツ。フォルクスワーゲンは中国を外せない利益を出している。関係は強化されている。

 

ヨーロッパは抜本的に変化しつつある。旧ソ連の一部を包含している。アメリカはヨーロッパの脆弱性を意識しなければならない。日本はこのことを理解すべし。NATOは機構として大西洋を中心にしている。日本はロシアと対話するのは当然。NATOとも対話を進化すべし。伊勢志摩サミットで道が開ける。日米同盟を強化しなければならない。

 

中国とヨーロッパの関係は進化している。ロシアは地政学的に脆弱になっている。中国は強くなっている。中国はフィリッピンとの絆を深めている。ナショナリズムが熱くなるのが怖い。フィリッピンのドゥテルテ政権は中国寄りにシフトしている。中国国内はデリケートになっている。中国は守りの姿勢になっている。シリコンバレーと日本の関係を強化すべし。日米欧は人権などで同じ価値観を持っているが、中国はそうではない。中欧関係の強化はバランスが取れていない。多元主義が重要」。

 

| | トラックバック (0)

2016年12月 8日 (木)

笹川平和財団主催『講演会・紛争解決の視角から見た日中の歴史和解』における登壇者の発言

八月八日に開催された笹川平和財団主催『講演会・紛争解決の視角から見た日中の歴史和解』における登壇者の発言は次の通り。

 

高原明生氏(東京大学大学院法学政治学研究科教授、公共政策大学院副院長)「二十一世紀の日中関係について、国民の相互理解を深めること。歴史問題をめぐって深くて広いギャップがある。発展段階にある中国は、富国強兵、富民強国のパラダイムにとらわれている。一日も早くそういう状況から脱してほしい。近代化とはヨーロッパ化と同じ意味が多い。近代と伝統の間で摩擦が起こる。日本では傳統と近代のバランスが落ち着いた。今の中国は西洋に反発している。これを早く乗り越えてポスト近代になってもらいたい。日本人と中国人がもっと積極的に交流すること。知識交流が大事。暴力の問題を見ると体制の問題が出てくる。韓国では日本料理店は壊されていないが、中国では壊される」。

 

汪錚氏(シートンホール大学平和と衝突研究センターディレクター、ジョン・C・ホワイト外交国際関係大学院准教授)「人類の歴史は紛争の歴史と言われるが、紛争についての研究は無かった。最近形成されてきた。平和の研究、安全保障の研究との違いはどうか。紛争の原因を見つけ出すことが根本。そして正しい薬を施すこと。中日双方の問題はどこにあるのか。中国の歴史認識はどう作られ、中国の政治・外交にどう影響してきたのか。二〇一二年、尖閣問題で中日関係に危機が起こった。国辱という言葉が中国人のナショナルアイデンティティ。一八四〇年から一九四五年に百年の国恥を受けたと考える。歴史の誇り、歴史のトラウマ、選民意識の三つが、中国の政治外交に大きな影響を及ぼしている。歴史は中国人の宗教だと言う人がいる。歴史・記憶は現代のナショナルアイデンティティに大きな影響を及ぼしている。習近平の言う中国の夢というのも百年の国辱がペースになっている。集団的目標になっている。日中の歴史の和解度は低い。これが中日関係の根源的問題。日中の対立はハンチントンの言う文明の対立と言える。歴史問題の解決には時間がかかると言う人がいる。二〇一二年にワシントンで開かれた中日和解に向けてのシンポジウムでは、交渉・仲介ではなくお互いに理解しなければ解決しないという結論になった。両国は歴史教育に注目し、対話し、改革すべきである。和解は難しい。民衆の歴史認識を変えるのは難しい。しかしアイデンティティの変化は表れている。一世代間の歴史認識の違いはある。中日戦争に対して、一九八〇年が一番強烈。しかし一貫して変わらないものではない。スマートホンの時代で垣根が取り除かれている。CNSを通して庶民が新しい歴史認識ができる。政府とは違う新しい観点、新しい歴史解釈ができてきている。しかしさらに過激な歴史観も広まっている。対話をすべきである。歴史叙述が復讐にならないように教育が大事である。中日関係が悪くなってから、中日協力の報道が少なくなっている」。

 

呂暁波氏(コロンビア大学政治学教授、バーナード校政治学部主任)、「草の根の人たちの影響が強い。国辱を忘れない。忘れないことになぜこだわるのか。日本などの東洋には恥の文化がある。西洋には罪の文化がある。永遠に忘れないものを選んでいる。記憶は選ばれたもの。インターネットによってポピリズムの風潮が出ている」。

 

劉傑氏(早稲田大学社会科学総合学術院教授)「歴史の記憶の仕方は日本人と中国人とは異なる。近代化の歴史、戦争の歴史、敗戦の歴史の三つが日本人の歴史。中国は被害・抵抗・勝利・革命の歴史。中國は、近代化の歴史は語られていない。中国は阿片戦争以降の歴史をずっと語っている。『対華二十一カ条の要求』を受諾した大正四年五月九日を『国恥記念日』とした。恥を雪(すす)ぐことを政治外交理念にした。歴史は選択して記憶される。和解の難しさ。知的レベルの和解が達成されていない。その前提は知の独立が不可欠。知識人同志の共同体的にものが成立しなければ和解はできない。独立した地の共同体を如何にして作っていくか、それを目指していくべし。階級闘争の和解は達成し中国は近代化」。

 

千駄木庵主人曰く。「支那人は国恥を忘れないと言うが、戦後七十年間、さらに田中内閣によるいわゆる「日中国交正常化」以来、日本は何回支那に対して謝罪させられてきたであろうか。そして、どれだけ支那に対して経済技術援助をして来たであろうか。しかるに支那は日本の経済技術援助によって経済発展に成功したら、「過去の歴史問題」を蒸し返し、反日行動を激化させた。のみならず。軍事力を増強し続け、わが國及び周辺諸国に対して侵略の牙をむいてきている。「和解」「相互理解」「友好」を一方的に破壊しているのは支那である。

| | トラックバック (0)

「第一回台湾歴史講座」における永山英樹氏による「オ―ストロネシア人の島―漢人中心史観では語れない台湾史の魅力」と題する講演の内容

八月六日に開催された「第一回台湾歴史講座」(台湾研究フォーラム第174回定例会)における永山英樹氏による「オ―ストロネシア人の島―漢人中心史観では語れない台湾史の魅力」と題する講演の内容は次の通り。

 

「馬英九は『一つの中国』を掲げ、台湾は中国の一部とした。蔡英文政権は『一つの中国』を受け入れず、民主主義国家と仲良くしようとしている。台湾人意識の高まりが蔡英文さんを総統に押し上げた。台湾と中国は別々の歴史の歩みをしてきた。異なる社会、異なる意識が形成された。台湾人が台湾の歴史を知り始めたのは最近。学校で台湾の歴史を教えなかった。民間で台湾史の研究が進んでいる。正しい歴史認識を形成してゆく。台湾は南島語族(オーストロネシア語族)の島。マレーポリネシア語族とも言われる。東南アジア、太平洋、インド洋、イースター島、ハワイ、台湾が南島語族。発祥した言語が共通している。オーストロネシア語族は台湾から太平洋に散っていったのではないか。原住民の歴史を見るべきである。国民党の台湾支配は、漢人中心主義を主張し、台湾支配を正当化した。火事場泥棒。法的正統性が無かったからこういう主張をした。中共も同じ。台湾原住民は平地の人(客家人)を憎んでいる。みんな奪われた。だから日本人と国民党が大好き。客家人は原住民を差別。蔡英文には半分近く原住民の血が入っている。タイヤル人の血が四分の一」。

| | トラックバック (0)

2016年11月28日 (月)

『加瀬英明先生講演会』における「歴史転換点を読み取る」と題する講演内容

七月二十一日に開催された『加瀬英明先生講演会』における「歴史転換点を読み取る」と題する加瀬英明氏の講演内容は次の通り。

「私の父加瀬俊一は、外務省北米課長として、日米交渉を指揮した。昭和二十年十月、私が疎開先から帰京すると、東京は一面の焼野原だった。信濃町に父が祖母と住んでいた。父は、総司令部との交渉で忙しくしていた。私は国民学校三年生だった。

 

父は、九月二日に連合国軍の戦艦ミズーリ上で行われた降伏文書調印式に、重光葵外相の随員として赴いた。マッカーサーが傲然として立っていた。父は当時四十二歳。東久邇宮成彦王が総理で、午前三時に全権団全員が総理官邸に集合。水杯をして出発。伊能忠敬を祖先に持つ祖母は、降伏調印式に赴く父に『ここに坐れ』と言って父を正座させ、『降伏の使いになるために育てたのではない。家の恥だから行くな』と言った。父が母にいくら説明しても許さない。

 

私は父に『どういう思いで降伏調印式に立ったのか』と聞いた。父は『戦争には敗れだが、日本は数百年間奴隷になっていたアジア民族を解放した。戦争に勝ったという思いで立った』と言った。重光全権も同じ思いで甲板に踏んだ筈だ。父は燕尾服にシルクハット。梅津参謀総長は略服を着た。重光全権は天皇陛下のお使いとして艦上に立った。私は、ミズーリ艦上に立った時の父の思いを自分の思いとして今日までやって来た。

 

ドナルド・トランプが共和党の大統領候補に指名された。日本の外務省はヒラリーが勝利すると言っている。自衛隊の心ある人は、トランプの勝利を祈っている。ヒラリーのアメリカにおけるイメージは舛添と同じ。嘘つき、金にキタナイというイメージ。二人のいずれが勝ったとしても、アメリカは世界秩序を守ることに疲れている。ユダヤ人のサンダースは社会主義者。アメリカを北欧型の福祉国家にしようとしている。ヒラリーが大統領になっても、アメリカは内にこもって韓国や日本を守ることはない。

 

米軍引き揚げはそんなに簡単にはできない。十万人を何処に移すのか。トランプが決断しても、一期目で出来ることではない。トランプはヒラリーよりも激しく中国批判をしている。『安物でアメリカ市場を埋め尽くし、アメリカの職を奪ってきた』と言っている。トランプは中国と取引するのではないか。台湾を守る決意もない。尖閣を守るためにアメリカは軍を出すはずがない。

 

『サンフランシスコ講和条約』『日米安保条約』調印の直前にダレス特使が来日。ダレスは『日本は三十万の軍を持つべし』と言った。吉田茂は『経済復興できないので軍を持つことは出来ぬ』と反対。占領軍は七日間ででっち上げた『日本国憲法』案を白金で手渡し、吉田外相に『これを受け入れなければ天皇の一身の安全を保障できない』と言った。

 

『日本国憲法』の『前文』は『アメリカ独立宣言』『カイロ宣言』『大西洋憲章』をごっちゃにしたもの。ジェファーソンは広大な農園を持ち、奴隷を使っていた。ジェファーソンは奴隷の悲鳴を聞きながら『アメリカ独立宣言』を書いた。『日本国憲法』の『前文』は滅茶苦茶。

 

岸信介は三年半巣鴨にいた。岸信介は出獄後すぐに改憲運動を始めた。『日米安保』を対等なものにしたい、日本を独立国にしたいと考えていた。吉田の経済優先、防衛軽視は今まで続いている。左翼の安保条約反対はいい加減。岸総理が辞めても反対運動を続けるべきだったが岸総理が辞めたら反対運動は終った。今の憲法は憲法を装った不平等条約」。

| | トラックバック (0)

2016年11月24日 (木)

深谷隆司氏の文章を紹介します。

深谷隆司氏の文章を紹介します。

 

 

深谷隆司の言いたい放題第696

 「思うこと」

 

 史上最低の不人気候補といわれたアメリカ大統領選挙で、トランプ氏が次期大統領に決まった。暴言の数々で顰蹙を浴びたが、在日米軍の駐留経費の負担増やTPPからの脱退など、特に日本にとって不安材料が多い。

そんな中、安倍首相がいち早くトランプ氏と初の会談を持った。会談内要は明らかにされていないが、マンハッタンのトランプタワーの私邸で行われたことや、当選後初めて会った外国首脳が安倍首相だったことなど、新しい信頼関係を構築する上で、良いスタートであったと思う。

 鳥越俊太郎氏は「駆けつけて会うのは、植民地の代表が「よく当選しましたねって行くようなものだ」と批判していた。そんな古い感覚や物言いしか知らないバカさ加減に、知事選惨敗は当たり前と改めて思った。

 「安全保障から経済まで」日米関係は広範である。一層強固な同盟関係を築くよう官民挙げて努力しなければならない。

 

15日、作家の藤原ていさんが死去された。昭和24年刊行の著書「流れる星は生きている」は戦後の大ベストセラーとなり、映画化され話題を集めた。

終戦時の混乱で夫(作家新田次郎、シベリア送り)と離れ離れになって、3人の子どもを連れて満州をさまよい、壮絶な日々の中を生き抜いて故国に引き揚げて来た。その体験は私の場合と全く同じであった。

帰れぬと思った祖国に帰れた喜びに、大人達は日本の大地に頬を摺り寄せて泣いたものだが、そんな情景の中で、私の愛国心は芽生え、やがて政治家になってこの国の為に尽くそうとの志が生まれた。

波乱万丈であった政治生活を終えた今、あの頃の事を全く知らない人々に、1人の「語り部」になって伝えたいと、政経塾等様々な場所で講演を続けている。

 

藤原さんの次男は藤原正彦氏、彼の著書「国家の品格」は武士道精神を説き、ベストセラーになっている。

98歳まで生き大往生となった藤原ていさん、私も長生きしてまだまだこの国の為に精一杯働きたいものと思っている。

 

 

         〇

戦争を体験された方が次第に減って来ている。今日歴史問題で日本ばかりが責められているが、原爆を投下したアメリカと満州・南樺太全千島を侵略し無辜の日本人を殺戮し凌辱した旧ソ連(ロシア)の暴虐は絶対に忘れてはならないと思う。

| | トラックバック (0)

2016年11月22日 (火)

東京財団主催『公開フォーラム・アメリカ大統領・トランプとヒラリーはどちらが強いか?全国党大会と本選挙の展望』における登壇者の発言

七月十四日に開催された東京財団主催『公開フォーラム・アメリカ大統領・トランプとヒラリーはどちらが強いか?全国党大会と本選挙の展望』における登壇者の発言は次の通り。

 

久保文明氏(リーダー/東京財団上席研究員、東京大学法学部教授)「広い視野で位置付けると異例づくめの選挙。政治経験がほとんどない人を二大政党が指名したのは初めて。非主流の人が外から入ってきて二大政党の候補を勝ち取るのは珍しい。共和党が孤立主義的傾向を持つ人を指名するのは戦後では珍しい。共和党は外に対して積極的で国際的だった。二大政党の大統領候補のどちらも保護貿易主義なのは戦後初めて。トランプの保護貿易主義は確信犯。クリントンもTPPに再交渉を要求すると言っている。共和党候補の方がイラク戦争への態度などで左にいるというのも珍しい。これが選挙の結果や展開を読みづらくしている。共和党はタカ派、民主党は内向きと言われるが、ニクソンは日本に対してきつかった。共和党は永続的の孤立主義になるかどうか。TPPに対してクリントンは元々賛成だった。今は戦略的反対。トランプは確信的に反対」。

 

前嶋和弘氏(上智大学総合グローバル学部教授)「クリントンにとって非常に厳しい選挙。『今』という時代精神がヒラリーには足りない。予備選挙で熱狂的にヒラリーを応援する人は少なかった。ヒラリーは若者にとって遠い存在。ヒラリーとトランプの勝負は最後の最後まで分からない。

 

西川賢氏(津田塾大学学芸学部准教授)「トランプの支持率が五月をピークに下がり始めている。社会経済状況が重要。二〇一六年初頭から、オバマの人気は回復基調にある。クリントンにとっては追い風。内外で突発的事件が起こると世論は変わる。人種・銃規制の問題はアメリカの奥深いところに横たわる問題。共和党にとって今回の選挙は政党支援の構造に大きな変化が見られる。南部は一枚岩で共和党支持基盤ではなくなってきている。これまでの政党支援の固定的パターンが揺らいでいる」。

 

安井明彦氏(みずほ総合研究所欧米調査部長)「景気が大きな要素になるのは常識だが、今回はこれまでの経験通りにはいかない。経済の構造的変化で政治が安定しない。低成長時代の選挙はどうなのかを見て行きたい。未知の出来事、分からないことが進んでいる。対立の構図がこれまでと異なっている。今回どちらの候補も大きな政府に傾いている。共和党の方が外交的に閉じる方向になっている。クリントンは年金拡充の方向に行っている。民主党・オバマもその方向で動いている。共和党は近年過激で小さな政府に動いている。トランプはインフラに積極的。民主・共和両党の支持者で年金削減すべきではないと言う人々が多くなっている。共和党が開いて行って、民主党が閉じて行くことになるのかどうか。現実の前にはマクロの議論は極めて駄目。自由貿易擁護だけでは駄目。コントロールできないことがものすごく起っている。そこに怒りや焦りがある。そこでどういう選択をするのかに注目する」。

 

中山俊宏氏(サブリーダー/慶應義塾大学総合政策学部教授)「トランプの感染力の強さに驚いている。普通に予測するとクリントンが勝つ。私的にクリントンを知っている人と、メディアを通じて知っている人とのギャップがある。クリントンは知見とインプリメントが高い。トランプ現象はオバマの全否定。変化するアメリカで居場所がなくなっていく人々をトランプは肯定している。アメリカが大きく変化する上での通過儀礼がトランプ現象。尖閣など国と国とがぶつかり合う時、クリントンはどう出るか。トランプが大統領になると、国務長官・国防長官の人事が難しい」。

 

渡部恒雄氏(東京財団上席研究員兼政策研究ディレクター)「インテリはプロレスを見ない。トランプはプロレスっぽい。トランプ好きはプロレス好き。トランプはプロレスのビジネスをやっている。トランプは通過儀礼のトリックスター。イメージとしては橋下徹大阪市長。大きく政治が変わるきっかけを作る人。しかしちゃんとした大統領になるわけではない。だから副大統領に誰がなるかが大事」。

| | トラックバック (0)

2016年11月17日 (木)

黒田勝弘産経新聞ソウル駐在特別記者兼論説委員による「厄介な隣人、韓国とどう付き合う?」と題する講演内容

七月九日に開催された『アジア問題懇話会』における黒田勝弘産経新聞ソウル駐在特別記者兼論説委員による「厄介な隣人、韓国とどう付き合う?」と題する講演内容は次の通り。

「韓国に対する日本側のイメージは法治国家ではないということ。反日は罪に問われない。大使館前の慰安婦像自体不法なもの。法治上何時でも撤去すべきもの。ソウル市役所は許可していない。国内法違反。毎週水曜日にデモをやる。大使館百メートル以内で政治運動をするのは法律違反。日本大使館の門の真ん前で日本に対する侮辱行為をする。外国公館に対する侮辱行為は『ウィーン条約』(注・外交関係に関する基本的な多国間条約)違反。韓国は日本から見れば法治主義を全うしていない。

 

加藤達也産経新聞ソウル支局長(当時)が最後は無罪になったのは、法治主義が貫徹された。韓国内メディアの名誉棄損事件は殆ど無罪。名誉棄損での起訴はある意味見せしめ。私は一九八〇年から現地で記者をしている。名誉棄損の案件は、セウォル号沈没事故で多数の死んだことの責任問題。朴槿恵大統領に七時間の空白の時間があった。野党が疑惑として追及。公開できぬ何かがあった、密かに男と逢っていた、という話まであった。加藤氏は面白おかしくそれを紹介した。朴槿恵政権の威勢が落ちている。噂の引用が名誉棄損ということになった。韓国は権力内部の意思疎通がうまくいっていない。青瓦台は、噂は嘘ということで救われ、大統領の名誉は守られた。告訴を取り下げれば裁判はおしまいになった。官邸サイドが告訴取り下げをしなかった。『産経』も官邸も最後までガチンコ。加藤氏が無罪になって官邸は国際的に恥をかいた。

 

韓国はプロテスタントが圧倒的に多い。プロテスタントの教会が最大の保守・親米・反北勢力。資金力もある。韓国では反日集会はあっても親日集会はない。親米集会はある。その動員は教会。五十歳過ぎの教会の牧師は安倍さんを完全否定。バッシングをしている。しかし安倍批判をした後、『軍国主義者・復古主義者ではあるがあのリーダーシップは羨ましい』と言った。

 

八十年から韓国にいて日韓の指導者を見ている。韓国で日本の首相の人気ナンバーワンは中曽根。中曽根は総理就任後最初に訪問した外国は韓国。八七年一月に公式訪問。国賓としての訪問は初めて。ソウルの中心部に日の丸が掲揚された。小泉・安倍が韓国人として印象深い。長く総理をやることが日本の存在をと主張が諸外国に伝わる。今回の参院選で安倍氏に勝ってもらった方が国際的には良い。

 

慰安婦問題の合意は、日本では左右から批判がある。しかし合意は良かった。ああいう形の外交的決着はしなければいけない。慰安婦問題は近年国際化している。日本の国家イメージが傷つけられている。十億円をあげて諸事業に使う。韓国政府の責任で慰安婦問題を処理してくれということ。韓国に下駄を預けた。慰安婦像の撤去は難しい。撤去するとメティアや団体から文句を言われる。二〇二〇年まで日本大使館は工事中。この三年半の間に慰安婦像が無くなれば良い、と日本側は思っている。慰安婦像のそばにテントを張って五、六が寝泊まりしている。これも規制できない。冬はス電気トーブ、電気毛布を持ち込んでいる。ホンダの発電機を使っている。反日パフォーマンスの小道具に日本製品を使っても平気。悪く言うといい加減で軽い。学校の成績だけでなくボランティア活動をしていたかどうかが大切。入社試験の時に活動をしていたことが点数になる。学校が休みになると中学生や高校生が増える。課外活動として学校の成績になる。

 

朴槿恵はこれと言った業績はない。保守派はこのままだと政権は野党に行くと思っている。盧泰愚・金泳三で右派が十年、金大注・盧武鉉で左派が十年、李明博・朴槿恵で右派が十一年。十年周期で言うと次は左派が政権を取る。民心が飽きる。変化志向が出る。韓国大統領が習近平に電話をしても、習近平は出てこない。朴槿恵にとって相当なショック。韓中関係強化の成果は上がらなかった。朴槿恵は北との関係を変化させるために対中接近した。中国の対北政策に韓国の意向を反映させるためだった。しかし中国は全く頼りならなかった。外交的打撃。

 

イギリスのEU離脱は、私は個人的にはイギリスは凄いなと思った。イギリスは凄い判断力だ。日本と韓国はイギリスのようなことができるのか。EU残留派の女性議員が殺された。あんなことが日本や韓国で起これば残留決定。イギリスではそうはいかず離脱派が勝った。イギリスは端倪すべからざる国。

 

東アジアで日本が半島大陸とどう付き合うべきか。私はある意味近年、孤立主義になっている。朝鮮半島との付き合いは難しい。韓国人は国際関係においては、永遠の友でもなければ永遠の敵でもない。朝鮮半島の人はすれっからし。

 

唯一変らないのは地理的関係。古代から日韓には色々なことがあった。半島と列島という地理的関係であるということを重視せねばならない。韓国併合は日本が朝鮮に引き込まれたと思う。韓国人を日本化しようとした。そういう気にさせられた。文化的類似性もある。海峡を越える時は用心せねばならない。安保法制を朝鮮半島有事の際発動するのは慎重にすべし。韓国が日本に『助けてくれ』と言った時、簡単に助けない方がいい。白村江の戦いがシンボリック。百済の残存勢力が日本に来てくれと言った。二、三万の日本兵が行った。西海岸で新羅唐連合軍にコテンパンにやられた。これンがトラウマ。

 

私は七八年に留学。七八年から八一年まで駐韓大使をつとめた須之部量三氏に『この国には二本の足を入れては駄目。動きが取れなくなる』と言われた。私はそれを座右の銘にしている。地政学上の日本の分を守るべし。『南北統一に向けて日本の役割』などと言うのが危ない。南北統一には関わらない方がいい。どう転んでも良いことはない。ずるく立ち回るしかない。朝鮮戦争の時の日本の関わり方が非常に参考になる。北を押し返した要因は日本が後方に兵站基地として存在した事。兵站としての日本の役割は圧倒的だった。結果的に日本は戦後の廃墟から立ち上がった。

 

隠れ親日は非常に多い。年間四百万の韓国人が来日。来日した人は日本をほめる。しかし表立っては言えない。不見識な現象。最近の韓国メディアは反日が多い。隠れ親日が多くなっていることへの危機感がある。メディアまで『日本が良い』と言い出すと立つ瀬がない。年間四百万人来日する人は反日ではないということ。韓国の国旗は日本の国旗を参考にした。韓国国歌は親日派が作った。日米韓の協力は良い。日韓協力は良くない。アメリカが入るとOK。

 

陸上部隊が日本人を救出すると言って、半島に上陸するのはどうか。日本食ブーム・日本酒ブームが韓国に起こっている。アサヒビールが圧倒的。ママが着物と白い割烹着を着ている日本風小料理屋が始めて出来た」。

| | トラックバック (0)

2016年10月30日 (日)

いわゆる「差別語」について

売り言葉に買い言葉で思わず口走った「土人」という言葉が差別語なら、「白人」「黒人」は差別語ではないのだろうか。終戦直後、米兵の犯罪を報道する時、占領軍の報道規制により、白人兵を「色の白い大男」、黒人兵を「色の黒い大男」と書かなければならなかったことを思い出す。日本が支那の事を支那と呼ぶのを「差別だ」などと言うのもおかしい。「東シナ海」「南シナ海」という言葉は何ら問題無く使われているではないか。「支那」と言う言葉はもともと支那で使われていた言葉である。また、「チャイナ」を日本語で支那と言うのである。

 

| | トラックバック (0)

より以前の記事一覧