2020年9月 5日 (土)

『アジア問題懇話会』における興梠一郎神田外語大学教授による「中国はどこへ向かうのか?~習近平体制を読み解く」と題する講演内容

 

『アジア問題懇話会』における興梠一郎神田外語大学教授による「中国はどこへ向かうのか?~習近平体制を読み解く」と題する講演内容

本日開催された『アジア問題懇話会』における興梠一郎神田外語大学教授による「中国はどこへ向かうのか?~習近平体制を読み解く」と題する講演で印象に残ったことは次の通りです。

「毛沢東の言葉を使って毛沢東を批判する。毛沢東は昔湖南自治運動に参加した。今で言う分裂主義。今なら捕まっている。中国共産党は約束を簡単に破る。一国二制度も然り。チェコにたいして『代価を支払わせる』というやくざ言葉を使った。イタリア北部は中国人だらけ。中国共産党は北朝鮮と違って粛清した相手を殺さない。薄熙来も江青も終身刑。一説には、長老の陳雲が「党内闘争では、殺してはならない」と主張したからだと言われている。

今の中国は前近代的。清朝末期のような國。辛亥革命は何のためにやったのか。スターリンの伝統が残ってゐる。ソ連を研究しないと中国は分からない。アメリカのポンぺオ国務長官は、習近平は破綻した全体主義の信奉者と言った。中国は人民抑圧、ファシズムの国になっている。支配と覇権確立が中共の最大の目的。習近平は憲法を変えて任期を撤廃し、終身国家主席をやれるようになったが、首相の任期はそのままであり、李克強は2023年に引退することになる。

コロナの隠蔽や香港の国家安全維持法導入による「一国二制度」の破棄により、中国は国家としての信頼を失っている。アメリカは、経済的成長は軍事力強化になると警戒している。香港では、教科書の内容が変えられ、三権分立や天安門の記述が削除される方針。中国流にいえば、香港人の社会主義思想改造である。いずれ、デモもしなくなるかもしれない。中国の昔の冊封と近代国家における領有権とは違う。日本はまだまだ緊張感が足りない。中国を知り尽くし、コロナの対策などで素早い対応をみせた台湾に学べ」。

 

 

 

 

 

 

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2020年2月17日 (月)

所功モラロジー研究所教授による「即位礼と大新嘗祭」と題する講演内容

昨年六月九日に麗澤大学キャンパス内モラロジー研究所広池千九郎記念館にて開催された『即位儀礼をより深く学ぶための特別講演会』における所功モラロジー研究所教授による「今秋の即位礼と大新嘗祭」と題する講演内容は次の通り。

 

「平成五年の今の両陛下の御成婚の灯は、午前は雨だったが、午後のパレードには雨が止んだ。皇居前でお出ましを待っていたら明るくなり、雲間から光がさした。そして御所に着かれたらまた雨が降った。三十年前のあの重苦して悲しい御代替わりと今回の明るい御代替わりとは違う。ご譲位という形をとり得る。法律で可能にした。『皇室典範』特例法が衆参両院全員の賛成で決まった。御代替わりの法的根拠が必要。十一月に大嘗祭がある。

 

『元号は要らない、無くすべし』と言う人が三十年前には多かった。今回はそうではないことに感謝したい。平成六年二役所の文書は原則として元号を使うというのが政府の公式見解。西暦と併記。元号を尊重してほしいという意図がある。公文書では元号。千三百年以上使ってきた元号を大事にする。元号にどういう意味があるかを御理解いただければ有難い。元号には文化的意義があり、西暦には文明的意義がある。元号は日本にしかない。

 

即位式は長く京都で行われてきた。明治天皇は初めて東京で行われた。明治に入って京都は火が消えたようにさみしくなった。明治天皇の仰せにより、大正・昭和の大嘗祭は再び京都で行われた。明治二十二年制定の『皇室典範』に『即位礼及び大嘗祭は京都において行なふ』と明文化された。明治天皇の素晴らしいところは故郷を忘れないところ。
大嘗祭は大新嘗祭と理解すべし。『嘗』とは秋祭り。神へお供えし神におもてなしをするのが新嘗祭。新しい粟を嘗める。米ではない。大嘗祭では、お米が中心になってからも、粟などを粗末にせず、むしろ水田で獲れる平常食のお米だけでなく、陸畑で獲れる非常食の粟なども忘れてはならないという、知恵が込められている。

 

大嘗祭は天武天皇がきちんと行われるようになった。仏教全盛自体の称徳天皇も大嘗祭を執行。畑で獲れるもの、水田で獲れるものは大事。日本人が勤勉なのは稲作をしていたから。大嘗祭は全国で獲れた穀物、魚介類は神のお蔭、お天道様のお蔭という感謝の祭り。先祖と神々のお蔭に感謝して来たのが神道の祭り。日本文化の根柢にある」。

 

 

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2020年2月16日 (日)

昨年六月一日に開催された『アジア問題懇話会』における評論家の宮崎正弘氏の「米中戰爭の行方」と題する講演内容

昨年六月一日に、内幸町の日本プレスセンターにて開催された『アジア問題懇話会』における評論家の宮崎正弘氏の「米中戰爭の行方」と題する講演内容は次の通り。

「中国経済は二〇一一年に崩壊している。中国のGDPは民間企業の設備投資はゼロ。外国企業が作ったものをその国に売っている。住宅を建てる資金は地方政府の借金。共産主義者は借金を返す頭が無い。中国は殆ど国有企業。設備投資は鉄に対して一番した。鉄鋼生産は世界一。余るからダンピング輸出する。日本と韓国が困る。中国は設備投資をどんどんしてきた。余剰になっている。セメントが大量に余っている。それをGDPに入れている。

中国の公表数字では本当のことはわからない。新幹線のほとんどが赤字。出生率は今後ずっと減っていく。国有企業は首切りを行う。八六〇万人の大学卒がいて、半分はバイト。一億一千万人は失業者。このような状況の中で儲けている人もいる。中国の金持ちは言っていることは愛国でやっていることは売国。

アメリカと中国が今やっていることは関税のかけ合い。中国のマネーに汚染されていたのはヒラリー。彼女が失脚したことにより変った。中国軍には桁違いの汚職がある。上納システムになっている。習近平は評判が悪く危ない。軍人の評判が悪い。暗殺の危険あり。一〇数人のボティガードがついている。愚劣な指導者は追いつめられると戦争をする。しかし軍が動かない。中国四千年の歴史の中で中国軍は真面目に戦争しない。上陸用舟艇が足りない。在台湾アメリカ大使館をアメリカ海兵隊が警備している」。

千駄木庵主人曰く。宮崎氏は、「中国四千年の歴史の中で中国軍は真面目に戦争しない」と言われた。なるほど、毛沢東は「敵が後退すれは我が方は前進し、敵が前進すれば我が方は後退し、敵が駐屯すればわが法は攪乱する」と言った。つまり真面目に戦争をしないということである。

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2020年2月 8日 (土)

本日聞いた興味深い話。

「台湾は移民社会。十七世紀後半に福建、広東から台湾に来た人たちが所謂本省人の祖先。大東亜戦争後、台湾に国民党軍が流れ込んで来て専制政治行った。台湾人の蜂起が起きた。深い傷跡を残した。省籍矛盾によりその後七十年間台湾は揺れ動いた。国民党の背後に中国あり。明朝末期に台湾は中国に編入。清朝は台湾を開発し運営する気なし。化外の地とした。日清戦争後日本統治下に入る。それまでの台湾には秩序も伝統も無い。児玉源太郎・後藤新平がデザイン通りに台湾を開発。日本による台湾統治開始十年で台湾は経済的に自立」。

「韓国は日本による併合前に、李朝が五一八年続いた。李朝は朱子学に基づく観念国家・イデオロギー国家。科挙合格した者・両班以外は人間ではない。奪う者と奪われる者しか存在しない。小中華主義。満州族に支配された清朝はイカサマと考えた。清朝より朝鮮の方が上と考えた。日本は蛮族。韓国は反日でなければアイデンティティは保てない。親日的になったらアイデンティティクライシス。今の韓国は李朝に先祖返りした。韓国の今の権力者は両班」。

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2020年2月 6日 (木)

本日聞いた興味深い話は下記の通り。

本日聞いた興味深い話

水口章氏(敬愛大学総合地域研究所所長)「イラン司令官殺害の根柢にあるのは、アメリカが中東撤退を方向付けるため。かなり戦略的に意識されている。大きな国際的変化の中で起こっている。ユダヤとイスラムの戦い、シーア派スンニ派との戦いよりも、経済が政治を支配する時代になっている。石油収入の下落の中で産油国では内政に圧力がかかっている。産油国の収入が落ちて来ている。産油国の失業率が高い。イランでも、戦争とか革命を知らない世代が出てきている。ペルシャ湾の問題点は領土紛争。国境問題。海底の利権も決まっていない。火種が拡大していく。危機の連鎖、テロの拡大が考えられる。イランは核の平和利用を進めている日本をモデルにしている。アメリカはイランのキリスト教福音派を使いつつイラン国内を混乱させる。イランの体制を揺さぶる。イラン革命当時より民衆の生活は良くなっている。ハメネイによるコントロールが効かなくなる状態が来るかどうか。トランプ支持者は共和党支持者の九十%以上」。

杉本宏氏(外交ジャーナリスト「どの殺害もドローンが使われている。ターゲットを発見次第殺害できる。政府が特定の人物を暗殺することを公然と行ったのは今回が初めて。司令官は対米テロを主導してきた。予防攻撃。トランプ政権は標的殺害を継続する。自衛権の行使は国際的に認められている」。

渡部恒雄氏(笹川平和財団上席研究員)「トランプは大統領再選に向けて、アメリカにとって危ない相手を殺害してアメリカの安全に役立っていることを強調。
トランプにとって一番重要なのはキリスト教福音派の支持者。支持者は人工中絶に反対。シオニスト(イスラエル建国支持者)が重要。トランプは個人的関係を重視して外交をしている。ネタニエフ、サウジ皇太子、安倍晋三。出口無き緊張の連続の危険あり。米議会秘密会での事前承認があれば米軍は簡単に殺害できる」。

山口昇氏(笹川平和財団参与)「アイゼンハワーはどんな作戦計画も上手くいかないことが多い。上手くいくのはパレードだけと言った」。

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2020年2月 5日 (水)

今日聞いた興味深い話

今日聞いた興味深い話は下記の通りです。

 

「アメリカファーストとは孤立主義。日本自身の防衛力を高めるべし。抑止力を高める。日本は人権に関わることはハッキリと主張すべし。日本の「パスポート力」は世界ナンバーワン。日本は経済が上向きになった。アメリカはシェール革命でアラブが大事ではなくなった。ロシアとイランはその空白を埋めようとしている。ヨーロッパはローマ文明が支配して居る。アジアは中華文明が支配している。その中で日本は独自の日本文明で発展している。その力は大きい。日本の自然と文化が大事なソフトパワーになっている。それを日本人は身につけている。中高校生への教育で神話の事を教えるべし」。

 

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2020年2月 4日 (火)

本日聞いた興味深い話。

「隣国で仲の良い国は無い。日本は明治維新後、何十年かかかって国際的地位を高めた。中国はそれを形を変えてやっている。一九三〇年代に日本がやったことを中国は今やっている。中国は近代的自由民主国家になっていない。共産主義イデオロギー・古代からの帝国統治を続けている。人権尊重・国際貢献できる国になれるのかを今問われている」

「中国に投資した国は投資で儲かった。しかし金は中国国民にゆきわたっていない。治安と国防に金は流れて行った。中国は変っていくという仮説を立てて中国に協力したが。それが間違いであったことがアメリカは分かった。中国は政治的改革をする気はない。尖閣への事件で日本国民もそれが分かった」。

「中国は阿片戦争の歴史的トラウマから脱却していない。逆の方向に進んでいる。中国に破壊的行動をとらせないようにする。しかし万一の事態に対応できるようにする。中国は資源は無いが人口は多い」。

「アメリカにとって日本は重要。日本を失うとアメリカは空母機動部隊が西海岸とハワイに戻らねばならない。日本からの撤退はアジアから撤退すること。アメリカにとって日本は絶対必要」。

「韓米日の反共同盟に韓国は戻ってこない。日本で言うところの全共闘世代が韓国では今日権力を握っている。日本で言えば青法協が権力の中に入ったようなもの。国民の支持もある」。

「中東諸国は、ロシアや西欧列強に勝ち、自動車・精密機械が素晴らしい日本に好感を持っている。シーレーンが途絶えないようにしなければならない。イスラム教徒は商人であり農民ではない。安倍晋三氏は地獄を見た政治家。力量を積んだ政治家」。

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2020年1月29日 (水)

『新聞通信調査会定例講演会』における時事通信社政治部長・水島信氏の「政治の行方」と題する講演内容

本日開催された『新聞通信調査会定例講演会』における時事通信社政治部長・水島信氏の「政治の行方」と題する講演で興味深い発言を紹介します。

「日本でオリンピックが行われた年は必ず総理の交代あり。今年も政局が大きく動くと言われている。昨年の秋以降、長期政権のひずみが出て来た。民主党政権を反面教師にしたので長期政権になった。憲法改正は本当に必要か。国民の改憲支持は高くない。ところが野党がバラバラ。反安倍を言うだけでまとまりも対案も無い。国民民主と立憲の合流協議がまとまらない。選挙目当ての離合集散になっている。内閣支持率は結構高い。都連は小池に勝てる都知事候補を立てられるのか。公明の選挙協力をこれまで以上に固めねばならない。自公は相互依存が進んでいる。安倍がこの人だけは後継者にしたくないのが石破。岸田の弱点は発信力の弱さ。安倍は今年秋のタイミングに解散に打って出るかもしれない。安倍の支持を受ける人が次の総裁。加藤・茂木・菅・岸田の四人。安倍の求心力が維持できて次の総裁選があると石破は難しい。公明党の山口体制は十年続いた。ポスト山口は石井啓一。野党共闘は大事だが、政策の合意が不可欠。二〇二〇年に安倍政権での憲法改正は極めて難しい」。

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2020年1月28日 (火)

五月三十日に開催された笹川平和財団主催『第1回SPF安全保障セミナー「ポスト冷戦」後の展望 ー米中新冷戦?あるいは更なる混沌か?』における登壇者の発言

五月三十日に開催された笹川平和財団主催『第1回SPF安全保障セミナー「ポスト冷戦」後の展望 ー米中新冷戦?あるいは更なる混沌か?』における登壇者の発言は次の通り。

 

小原凡司上席研究員(元海上自衛隊ヘリコプターパイロット、在中国日本国大使館防衛駐在官)「アメリカが中国に圧力をかけている。二〇一四年頃から中国は危険だという意見が出て来た。昨年(二〇一八)一〇月のトランプのスピーチは、アメリカ国内の意見を集約した。アメリカの技術流出を防止する。リムパック(環太平洋合同演習)から中国を排除。米中新冷戦。中国は次の産業革命を起こす。中華復興を目指す。アメリカも産業革命の重要性を認識したので、中国警戒感は大きい。米中対立は政治体制の抗争になっている。中国国内の政治状況はあまり安定していない。習近平と李克強の経済政策が完全に一致しているわけではない。李克強の経済政策は習近平側近によって否定されたが、李克強は権力を復活させた。中国はその後対米強硬政策に戻った。対米政策は固まっているわけではない。中国は海軍を強化しているが乗組員の養成は出来ていない。中国は空母を建造し続けている。アメリカを挑発しないようにしながら中国は実力をつけていく」。

 

渡部恒夫上席研究員(元米戦略国際問題研究所(CSIS)上級研究員)「アメリカは世界の覇権国家。戦後世界の秩序を支えてきた。冷戦後唯一の超大国になった。アメリカは世界の安定を支えるのに疲れたという議論がある。フランクリン・ルーズベルトは『子供たちを戦場に送らない』と言って当選した。コーデル・ハル国務長官の中国を守りたいという考えでアメリカ戦争に巻き込まれた。トランプはイラク戦争批判をして余計な所に軍を送らない。『同盟国は防衛をアメリカに押し付けて経済発展した』という主張でトランプは当選。経済ナショナリスト。アメリカ経済の利益のために自由にやろうという考え。中国がアメリカの雇用を奪っているという主張。トランプは我が儘であまり先のことは考えない。アメリカの覇権を脅かす存在を許さない。国防省も軍も安保上の厳しい球を投げている。新疆ウイグルでの人権侵害を許さない。中国に対する完全な封じ込めは無理。トランプの一番の目的は来年の大統領選に勝って生き残ること。ナンバーツーの存在を許さない。新冷戦は日本にとってすごくプラス。前の冷戦では日本産業が発展。イランの核開発を防ぐ道筋はない。これからの世界は荒れる。欧州は右派ポピュリストが強くなっている。今までの国際秩序が液状化している。米中は最後まで行かない。両方とも経済が大事。アメリカは自分の利益に関わるところからは引かない。IT覇権争いは厳しい。」。

 

山口昇参与(元在米国日本国大使館防衛駐在官、陸上自衛隊研究本部長。陸将)「かつての冷戦はかなり安定していた。しかし新しい冷戦は安定していない。相手が強いと自分の力を強める。アテネとスパルタ。これから伸びるのはインド太平洋。『インド太平洋戦略』は日本の安倍総理が使ったのが最初。経済的政治的に希望の持てる地域である共に不安定な地域でもある。中国経済を潰すわけにいかない。日米の海軍は断トツで中国はどんなに頑張ってもダメ。ベトナム、タイ、マレーシアなどとの友好関係は大事。アメリカが中東への関心を失うと危険なことになる。南西海域を防衛するための輸送力が大事。イージス艦を日本海にしばりつけておくのは賢いことではない。南西海域、ソマリア沖にも使えるようにするのが正しい。二十数万の台湾軍は密度の高い軍隊。小さな島に二十数万の軍がいる。要塞国家。一挙に台湾を落とすことはできない」。

 

 

 

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2020年1月 3日 (金)

宮本雅史産経新聞編集委員による「忠誠を貫いた楠公の精神」と題する講演の内容

昨年五月二十五日に執行された『楠公祭』における宮本雅史産経新聞編集委員による「忠誠を貫いた楠公の精神」と題する講演の内容は次の通り。
「二十五年前に、人間魚雷の黒木博司海軍少佐の取材をしていて楠公に関心を持った。五年間戦場を駆け巡った人である楠公が、五百年、六百年日本人の心の中に残っている。明治維新など歴史の節目で必ず楠公は登場する。足利高氏の側に立った『梅松論』も楠公を評価。高氏も楠公を評価。楠公は死について迷いはなかった。

人間そんなに簡単に生命は懸けられない。楠公の覚悟の決め方は凄い。後醍醐天皇を奉じて民の安寧を守る。それが日本人の心の機微に触れる。水戸駅から二十分の高台に楠公社がある。明治二十九年に建立。万延元年の『桜田門外の変』の烈士の同志血盟の証しが楠公社。孝明天皇は勅書を水戸藩に下された。幕府は返納せよと言って来た。志士達は、絶対に返納してはならないと戦った。桜田烈士の一人金子孫二郎は『七たびも 生きかへり来て 皇國(すめくに)を まもりの魂(たま)と ならむますらを』という歌を遺してゐる。水戸光圀は『大日本史』で楠公は非の打ち所のない人物と評価している。

吉田松陰も西郷南洲も皆湊川神社に参拝している。自分のやろうとしていることは正しいのかと楠公に問いかけて京に上った。楠公の忠義と無私の精神は、幕末の志士達の心の拠りどころになった。

黒木少佐は、人間魚雷訓練の最中に亡くなる。黒木少佐の遺言の中に大楠公の言葉が出てくる。少佐はどうすれば国を守れるのか悩んだ。そして考えた末が人間魚雷。

楠公精神は私利私欲が蔓延する今の世の中では理解できない。しかし何故楠公精神は消えないのか。それは日本人のDNAだから。日本人が失ったものは『らしさ』。戦後七十年の間で『子供らしさ』『男らしさ』が無くなった。出世と金という個人主義になってしまった。恥の文化、義理が無くなった。日本人はどうあるべきかを考えるのが『楠公祭』」。

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