2018年12月 5日 (水)

『新聞通信調査会シンポジウム・人口急減社会で何が起きるのか―メディア報道のあり方を考える』における登壇者の発言

六月二十八日に開催された『新聞通信調査会シンポジウム・人口急減社会で何が起きるのか―メディア報道のあり方を考える』における登壇者の発言は次の通り。

 

河合雅司産経新聞論説委員(基調講演)「今我々の生きている時代は、劇的に変わってゆく。これまで経験したことがないことが起こる。しかし、メディアも政治もこの問題にきわめて愚鈍。自分の身近にところに変化がないので何とかなると思っている。十年後はかなり変わっていても、日々の変化が小さい故に、みんなが対応できない。危機感を共有できない。この先何が起こるのか。二〇一七年の出生数は過去最低。死亡数は過去最高。婚姻件数は戦後最少。四十万人の人がこの國から減っている。この数は岐阜市の人口。産業は成り立たなくなってゆく。これから好転することはない。出生数が減る事がこの國の一番の危機。少子化とは次の世代の子供を生める女の人が減っていること。この下り坂のツケを我々はこれから払ってゆく。出産期にある女性(二十五歳から三十九歳)は二〇四〇年には今の四分の三。二〇六五年には半減してしまう。多産社会に戻るのは難しい。少子化は百年くらいは続く。子供が減っていくことを前提にしてこの國を豊かにして行くことを考えるべし。出生率は上がっていると政府は言うが、人口は減っている。今後出生数の大幅回復は望み薄。このまま何もしないで行くと百年間で出生する子供の数は三十万になる。百年後には今の人口の半分になる。二〇四〇年まで高齢者が増え若い人は減る。人口減少は地域によって異なる。女性高齢者が増える。男女とも八〇歳以上が増える。女性の半数は九〇歳まで生きる。一人暮らしが増加。貧しい高齢者が増える。非正規雇用で結婚できなかった人が増え、年金がもらえない人、子供がいない人が増える。前期高齢者と後期高齢者が逆転する。八四歳以上が人口の一四%になる。二〇四二年が人口のピークを迎える。団塊の世代がお元気で、団塊ジュニア世代も七十代で高齢者になる。親と同居の未婚者は三十一万人。五十万人が全面的に親に依存。年金保険料も支払って来なかった老後をどうやって生きて行くのかの問題が出て来るのが二〇四二年。働き手不足対策の政府の四本柱は①外国人労働者の受け入れ。②AI・ロボットの実用化。③高齢者の社会参加。④女性の活躍推進。重要だが『切り札』とはならず」。

 

上林千恵子法政大学社会学部教授「外国人労働者は一貫して増えている。外国人労働者とは近隣諸国の人と日系が殆ど。もっと賃金が高い所に行きたい、もっと長く日本に滞在したいなどの理由で失踪する。入国管理法違反」。

 

岩本晃一経済産業研究所上席研究員「ケアワークを含めると労働時間は長い。高卒男性管理職が大卒の女性管理職より多い。旧態依然とした結婚観が少子化を促進。男性の家事・育児参加は重要。第二子が生まれる割合が高くなる。女性の離職理由は育児が三割。『雇用の未来』の問題は、人口減少・少子高齢化問題とよく似ている。日本の急速な人口減少・少子高齢化はかなりの高い精度で予測されていた。資金的に余裕のあるうちから手を打つべきだと良識派は主張。だがそうした声はかき消され、目の前に危機が来るまで、日本人は手を打たずにここまで来た。『雇用の未来』は、数多くの調査分析により、将来の姿はある程度予想され、必要な対策もほぼ明らかになった。今度こそ現実の危機に直面する前に、今から真剣に取り組まないと、日本という国はますます沈没すだろう」。

 

諏訪雄三共同通信社編集委員兼論説委員「人口の減少によって消防などの住民サービスが困難になる。道路や橋、上下水道、公共施設といった社会資本が老朽化。鉄道・バスといった地域の足が成り立たなくなっている。公共サービスをどう維持するのか。年金を貰っている人を巻き込んでいくかを考えるべし。行政サービスに住民とNPOを巻き込んでいく。東京二十三区に団塊の世代が百万から二百万住んでいる。そういう人をどう面倒を見るかが問題。あと二百万人介護士を増やさないといけない。優生保護法の堕胎OKで人口が急激に減った。団塊の世代の子供が子を産めない。第二のベビーブームが来なかった。バブルの崩壊で人口問題が発生」。

 

水無田気流(詩人・社会学者「九十年代以降、先進国の女性の雇用安定が子供を増やす。年収が増えれば子を産む。婚姻率が高くなる。相乗効果。首都機能移転とか分散によって、南海トラフ巨大地震や首都直下地震を視野に入れた被害を受けにくい国づくりの一環で進めるべし」。

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2018年11月13日 (火)

六月二十七日に開催された東京財団政策研究所フォーラム第111回「トランプ大統領はどこまでできるか――大統領権限と政策動向を読み解く」における登壇者の発言

六月二十七日に開催された東京財団政策研究所フォーラム第111回「トランプ大統領はどこまでできるか――大統領権限と政策動向を読み解く」における登壇者の発言は次の通り。

 

久保文明東京財団政策研究所上席研究員(「アメリカ大統領権限分析」プロジェクトリーダー/東京大学大学院法学政治学研究科教授)「トランプ大統領は大統領令を連発して新しい政策に着手したように見える。しかし、フランス・韓国・ロシアと比較してアメリカは大統領としての権限は限定されている。何でも好きなことができるわけではない。外交では自由裁量権がある。議会と大統領の力関係は変動している。日本は三権分立が固定している。しかしアメリカは三権の関係は変化している。トランプは司法をより共和党化した。トランプの支持率はオバマと同じ。アメリカの制度は強靭性がある」。

 

梅川健首都大学東京法学部教授「一九三〇年から六〇年は協調的大統領制。ユ一九七〇年代から今日まではニラテラル(片務的、一方的)大統領制。前者は大きな政府を目指したので大統領の権限が大きいことがアメリカの民主主義の強さだと言われた。後者は保守とリベラルの対立が激しく議会で法案が通らない。

大統領権限で何でもできると思って当選してきたのに、それが出来なくなった。無理をしながら人々の支持を得ようとしている。大統領に法案提出権はない。行政は議会によって作られた法律を執行する。どういう風に法律を執行すべきかを記したのが大統領令。関税の問題ではトランプは大統領令をうまく使った。大統領に不逮捕特権があるかどうか分らない。アメリカでは法律に書き込まれていないことが多い。大統領の訴追については未だ定まっていない」。

 

松岡泰熊本県立大学名誉教授「議会が承認しないと人事か決められない。議会対策が重要。これを側近の補佐官が行う。一九六〇年代までは白人しか議会にいなかった。今と違ってイデオロギーしか対立はなかった。一九七〇年代から八〇年代に、価値と文化を巡る対立になった。共和党支持層の九割は白人。民主党はヒスパニックと黒人に支持層が多い。社会の中に眠っている亀裂を極端に強調することによって自分たちの支持者を増やす。トランプは民主党幹部を罵倒して大統領になった。議会がなかなか動いてくれない。中間選挙でトランプは議員を作りたい」。

 

杉野綾子日本エネルギー経済研究所主任研究員「トランプは良からぬことをしていると裁判所がストッパーになっていて、アメリカの民主主義が健全に機能している」。

 

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2018年10月22日 (月)

六月十一日に開催された「平成の大演説会」における冨澤暉第二三代陸上幕僚長、偕行社理事長の講演内容

六月十一日に開催された「平成の大演説会」における冨澤暉第二三代陸上幕僚長、偕行社理事長の講演内容は次の通り。

 

「國の形について国民のコンセンサスがない。公務員は憲法を擁護し批判してはならないとされ、自衛隊の職務をしていて何かというと憲法が引っ掛かった。国家主権は国民の権利を守るためにある。一国平和主義は国際的に通らない。自衛隊という言葉は世界に通用しない。

 

米国ではSelf-defenseとは自分(個人)をまもることで、Self-defense-forceとは『護身隊』『正当防衛隊』と聞こえるらしい、昭和三十年代、ある自衛隊幹部が留学先の米・軍学校で、クラスメートたちに「私たちは陸軍(army)ではなく陸上自衛隊(ground-self-defense-force)であると説明したら、爆笑が起きたという事例がある。その人ははじめその嗤いがなぜ起きたのか分からなかったそうだが、それが侮蔑の嗤いだったと知り、帰国後自衛隊を辞職した。

 

一番欲しいのは国民からの認知。シラー(ドイツの詩人、歴史学者)は『大いなる青春は忍耐する事にある』と言った。安倍首相は『自衛隊が違憲では自衛隊員が可哀想』と言った。統幕議長は『有難い』と言った。しかし自衛軍はまずい。外国から嗤われる。誤解されない言葉が良い。国防軍か防衛隊という名稱が可。selfだけは不可。今の憲法に『自衛隊』という言葉がないのは救い。自衛隊法を防衛隊法にした方がまだいい。

 

『自衛隊は違憲だ』という話は、一九九四年の自衛隊観閲式における村山首相訓示で終わっている。村山総理は『今の自衛隊は憲法違反ではない』と言った。その時の、陸上幕僚長は私。村山さんは食堂で『今日言ったことを一番喜んだのは社会党の仲間たちなんだ』と言った。

 

改憲が成立しても憲法学者たちが黙るとは言えない。憲法違反でないものを何故憲法に書かねばならないのか。また国民投票で国民に拒否されたらどうしようもなくなる。私ども自衛隊OBは憲法学者の批判に慣れており、それよりも、外国軍人たちに嗤われることだけは避けたい。

 

九条第一項は国連憲章戦争放棄条約と同じものなので変更の必要なし。交戦権という言葉は無用。世界の何処にもない。武力行使は①自衛権発動(領域警備を含む)にあたってのもののみならず②集団安全保障(PKO、多国籍軍、有志連合軍を含む)における武力行使だけは認めるようにする必要がある。日本国憲法、日米安保条約、国連憲章は英米法で出来ている。それゆえ英米法らしく成文は変更せず、判例・事例により憲法解釈で逐次変更していくべきである。自衛隊法は防衛隊法にすればいい。

 

新しい國軍は外国から世界の常識で一緒にやっていけると思われる事か重要。国際法からものを考えねばならない。国際法、条約などに基づき国際情勢に適合する部隊運用ができるようにしてほしい。現に日本は北朝鮮に対して集団安全保障措置を取っており、『国連郡地位協定』による基地提供は明らかに軍事的措置である」。

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六月十一日に開催された「平成の大演説会」における登壇者の講演内容

六月十一日に開催された「平成の大演説会」における登壇者の講演内容は次の通り。

高乗正臣平成国際大学名誉教授「昭和四十五年十一月二十五日の市ヶ谷台上における三島由紀夫氏の自決の才の『檄文』に、今日の状況がそのまま見て取れる。『檄文』には『われわれは今や自衛隊にのみ、真の日本、真の日本人、真の武士の魂が残されているのを夢みた。しかも法理論的には、自衛隊は違憲であることは明白であり、国の根本問題である防衛が、御都合主義の法的解釈によってごまかされ、軍の名を用いない軍として、日本人の魂の腐敗、道義の頽廃の根本原因を、なしてきているのを見た。もっとも名誉を重んずべき軍が、もっとも悪質の欺瞞の下に放置されて来たのである。自衛隊は敗戦後の国家の不名誉な十字架を負いつづけて来た。自衛隊は国軍たりえず、建軍の本義を与えられず、警察の物理的に巨大なものとしての地位しか与えられず、その忠誠の対象も明確にされなかった。われわれは戦後のあまりに永い日本の眠りに憤った。自衛隊が目ざめる時こそ、日本が目ざめる時だと信じた。自衛隊が自ら目ざめることなしに、この眠れる日本が目ざめることはないのを信じた。憲法改正によって、自衛隊が建軍の本義に立ち、真の国軍となる日のために、国民として微力の限りを尽すこと以上に大いなる責務はない』と書かれている。

 

二十二万人の人員・装備・予算を見ればまぎれもなく自衛隊は戦力である。それを自衛力と称して来たのは欺瞞。これが国民の国防意識にどういう影響を与えるか。自衛隊は戦力であり軍隊である。憲法を改正しなければならない。保守系の学者は次から次へと変節。公明党は最初から改憲はない。自民党は立党の理念を捨てて公明党化したのではないか。

 

自衛権とは武力攻撃を受けた時に武力を行使すること。自衛のための戦力は持つことができるというのなら、九条二項の存在理由は全くない。戦力と自衛力とはどこがどう違うか。自衛力を超えるものが戦力という理論はさっぱり理解できない。フィリッピン、シンガポールの実力は自衛隊より小さいから戦力ではないとは言えない。自衛隊の予算は三兆円。イギリスと同じ。二十二万人の人員の自衛隊を軍と言わずして何というのか。戦力・交戦権を認めないのは自衛権を否定したことになる。

 

昭和二十七年四月、主権と自衛権を回復。この時点で憲法を改正すべきだった。平成二十四年の自民党の改憲試案では国防軍として明記しようとしたのに、昨年の安倍氏のメッセージによって欺瞞の上塗りが行われた。欺瞞的姑息な憲法解釈を続けるのか。国民道徳に関わる。憲法九条の一、二項をそのままにした加憲には反対する。安倍首相は憲法九条に自衛隊を明記すること、そして二〇二〇年に改正憲法を施行したいと述べた。首相の提案には論理的におかしいところが多々あるが、それはさておき、祖国の防衛に関する議論である九条の改正を提起したこと自体は、評価すべきものがある。もう先送りは許されない。正々堂々と憲法九条の改正の是非を議論すべきである。国民一人一人が、自分の國の防衛に責任を持って真正面から真剣に議論する事こそが、喫緊の課題である」。

 

慶野義雄平成国際大學名誉教授「憲法九条は東京裁判史観のシンボル。それを永久化してはならない。GHQは日本人に戰爭の罪悪感を植え付けた。日本は道義国家であり欧米は侵略国家であったということは否定したかった。日本の輝ける戦争目的を消し去りたかった。アグレッションとは侵攻という意味であり、今日的意味の侵略ではない。GHQに迎合して東京裁判を正当化したのは横田喜三郎。

 

我が国の社会学の父と言われる高田保馬は、その著『国家と階級』に於いて、『国家は最小限の姿において何であるか。それは防衛の組織である』と述べている。『国家は見えざる家である。見えざる家の防衛の設備である』というのである。『國』という漢字は、『囗』(國構え)と『或』の合字であるという。『囗』は境界を表す。『或』は、クニの四方を象る囗と土地を表す一を武器の戈()をもって守ることを意味し、単独でクニを意味したが、国境を守る兵士が敵の襲来を恐れる心理から『或(まど)う』の義に転用したため、さらに『囗』を加えて『國』にしたという。そう考えると國という文字に防衛という意味が含まれているわけで防衛が國の本質に関わることがわかる。

 

二項を存置し三項加憲の案は、学会・公明党に魂を売った。押し付け憲法に対する無念の思いが風化した。帝国憲法に殉じて自決した元枢密院議長清水澄博士の心、三島由紀夫氏の自決、吉田松陰の『身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ちぬとも 留め置かまし 大和魂』は、美しい日本人の心。

 

昭和二十一年四月十日に行われた戦後第一回の総選挙では、恥知らずな選挙干渉が行われた。候補者審査が行われた。GHQは総選挙に先立つ一月四日に公職追放指令を発した。総選挙立候補予定者について、GHQは厳格にふるいにかけ、保守勢力の一層を図った。GHQ民政局の二―ディーラー(フランクリン・ルーズヴェルト政権によって展開されたニューディール政策を経験し、社会民主主義的な思想を持つ人々のこと)であったケーディスによる社会党政権を作ろうとする目論見があった。幣原内閣閣僚の大半が追放。憲法担当の国務大臣・松本烝治は反動的憲法案を作ったとして追放。九条を審議する衆議院憲法改正委員会小委員会で最も目立ったのは社会党鈴木義男の発言であった。

 

『帝国憲法』には統帥権や宣戦、講和、軍の編成などについて規定しているだけであり、軍の保有について何ら規定していない。軍の保有は独立主権国家として当然のことだからである。九条さえ廃棄すれば、自衛隊保持を明記しなくても、自衛隊の現状時に何の問題もないし、今後は、世論の成熟度を見ながら、また国際情勢の変化に応じて法律さえ作れば、完全な意味の再軍備は法律によって何時でもできるのである」。

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2018年8月28日 (火)

潮匡人氏による「風雲急を告げる東アジア情勢―日本はどう対処をすべきか」と題する講演の内容

六月二日に開催された『アジア問題懇話会』における評論家の潮匡人氏による「風雲急を告げる東アジア情勢日本はどう対処をすべきか」と題する講演の内容は次の通り。

 

「トランプ・金正恩会談がシンガポールで行われた。トランプは親しい友人を出迎えるような仕草。本日を以て最大限の圧力は消えたということか。『金正恩とはいい関係になった』とトランプははっきり言った。今後の悪影響を心配せざるを得ない。

 

『非核化の具体化が無ければ圧力は無くさない』と安倍は言ったが、あっさりと梯子を外された。『会談はプロセス』と言うトランプの発言も注目すべし。日本政府・官邸発の不可逆的核放棄の眼に見える成果が期待される可能性は今朝の時点でかなりしぼんでしまった。

 

また『去年のような軍事的緊張にはならない』という見方が広がっているが、そこは慎重に分析する必要がある。昨年末に名前が出ていた鼻字作戦。極めて楽観的な無謀な作戦と思っていたが、現時点で考えて、ブラッテイ作戦(鼻字作戦)が起こる可能性は高まっている。

 

金正恩は就任以後、父を支えてきた側近、叔父さんを殺害処刑した人物。中國・韓国などで見せた満面の笑み、生の表情・発言を我々はテレビなどで見た。気違いではないと多くの人は思ったであろう。合理性を持つ会話の成立する人物と思われるようになった。

 

ブラッテイ作戦は全面戦争になる恐れがあったので危険と言ったが、それとは正反対になってきた。抽象的合意にとどまるか、非核化のプロセスを具体的にどうやって進めと行くのか。抽象的曖昧な合意にとどまる。金正恩が今朝渡した国書で非核化にコミットしたとしても誠実に守るのか。これまで北朝鮮が合意を守ったことが一度でもあるのか。核放棄の合意も守られなかった。翌年核実験を行った。それでもブッシュ政権は甘い姿勢だった。

 

米朝会談がどう成立しても、北朝鮮がその合意を遵守履行する事はない。今後の北の出方によっては二回目の会談かキャンセルされ、より踏み込んだ表現が出る可能性あり。

 

金正恩の発言には一貫性・合理性あり。北はアメリカの出方を読み間違えた。今後もそういうことは起り得る。お互いに相手の出方を読み間違えて大きな戦争になり得る。臨界点ぎりぎりの関係が今日でも続いている。鼻血作戦の可能性が高まっている。

 

核弾頭が三十あるとすれば解体しなければならない。問題は北朝鮮が正直に申告するのか。多くの専門家が悲観的に見ている。全面的に軍事出動すると、何処を叩くかが問題。米軍が金正恩の位置情報を知ることができるようになった。ピンポイント爆撃のカードを取って実行する可能性は昨日までより今日からの方が高まっている。平和になるのか、本当にそうなのかと疑問に私は思っている。

 

イラクの時も、アズィーズはバチカンを訪れローマ教皇ヨハネ・パウロ2世と会談したことので戦争は起きないと言われていたが起きた。破局したら外交と言う手段では解決できなくなる。第二次朝鮮戦争が開始する可能性はある。ロナルドレーガンはすでに作戦地域に展開している」。

 

 

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2018年8月19日 (日)

水本達也時事通信外信部編集委員の「米朝会談の行方」と題する講演の内容

五月三十日に開催された『新聞通信調査会講演会』における水本達也時事通信外信部編集委員の「米朝会談の行方」と題する講演の内容は次の通り。

 

「北朝鮮をどうやって取材するかは、ひたすら体力勝負。ぶら下がるしかない。去年は何時アメリカが北朝鮮を攻撃するかという報道ばかり。今年になって融和ムード。話が進んだ。去年十一月二十九日の最後のミサイル発射から最近までは、金正恩・北朝鮮が主導権を握ってきた。トランプが会談をやると通告。北朝鮮はやりたいと懇談。主導権はトランプに移った。金正恩が態度を変えた原因は制裁の強化。食糧事情は非常に厳しい。韓国に親北と言われる文在寅政権が生まれた。金正恩にとってタイミングが良かった。

 

金正恩が権力基盤を確立したと分析する記者もいる。本当にそうなのか。北は何のために核開発をするのか。すでにアメリカ・日本・韓国から先制攻撃を受けないという抑止力を持っている。金正恩の指導者としての正統性を確立するための核開発。ICBМを持つことができるようになったので後継者としての正統性確立。

 

アメリカは北朝鮮の完全非核化を求める。北朝鮮は体制保障、制裁解除もしくは核保有国として認めさせることを求める。北朝鮮の中にどのような核施設と核兵器があるのか、北が申告しないと分からないところがある。体制保障と非核化は裏表。

 

役人・技術者には権限が持たされていない。トランプと金正恩で象徴的合意をして、その後実務者で決める。

 

トランプに残されている時間は二〇十九年十一月まで。一年半時間が残されている。長いのか短いのか。何も決まらない可能性が十分にある。

 

カダフィは民衆にリンチを受け殺されたので、北朝鮮は『リビア方式』というのに敏感になり反発。ステップ一つ一つに見返りが欲しいというのが北朝鮮の主張。北を完全に非核化するのにどのくらい時間がかかるか。南アフリカの非核化認定に二、三年かかっている。去年まで戦争だのしないだのと言っていた二つの国が信用できるのか出来ないのか。日本は日朝首脳会談への布石が打てるのか」

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田久保忠衛氏による「急展開する北東アジア情勢」と題する講演の内容

四月二十八日午後二時より、内幸町の日本プレスセンターにて開催された『アジア問題懇話会』における杏林大学名誉教授・田久保忠衛氏による「急展開する北東アジア情勢」と題する講演の内容は次の通り。

 

「三月から四月にかけて相次いで色々な事件が起った。ワシントン・ソウル・ピョンヤン・北京の何処に観測地を置いているかによって見方が異なる。非核化は北朝鮮がこれまで言って来たこと。新しいものは何もない。テレビその他のパフォーマンスは安っぽい劇を見せられている。妹にカメラが当たっただけで、金正恩は非情な殺人鬼というイメージが薄れている。どんどん北朝鮮のトリックに巻き込まれる。その背後に中国がいる。

 

ロシア・中国が最近の二つの決議に参加したのはトランプ外交の成果。アメリカの極東における軍事的プレゼンス大きくなっている。国家安全保障問題担当大統領補佐官にジョン・ボルトンがなった。共和党のタカ派中のタカ派。『救う會』の西岡力に六回会っている。『まかしてくれ』と言って胸をたたいた。拉致問題を世界的人権問題としてとり上げようと言う人。マイク・ポンペオ国務長官はボルトンと同じタカ派。アメリカの雰囲気も変わった。トランプ・ボルトン・ポンぺオの三人のトリオで金正恩は大きなプレッシャーを受けた。

 

中国はもう一回北朝鮮と関係を緊密化する。中朝は、本当は仲が悪い。金正恩にくっついて当事者になりすまし、仲介者だとする巧妙な策略。仲介者の役割に入り込んでしまった。中国は金正恩を意のままに動かして四者会談に入り込んだ。

 

昨日(四月二十七日)の南北首脳会談は大きなニュースではなかった。ニクソン訪中以来の対中外交は、中国の民主化を期待している。ニクソンはブレジネフを締め上げるために徹底的に毛沢東を利用した。その後はそうではなくなっている。二〇〇五年以降、危険な兆候。中国は完全な膨張主義になった。アメリカの親中研究者が少なくなっている。アメリカは中国に何ら期待を持っていない。対中警戒論に収斂しつつある。軍事的展開が強くなった。

 

オバマは軸足を中東からアジアに移したが、何もやらなかった。私は、アジアでトランプがやっていることはなかなかなものと思っている。中国は対米軍事的デモンストレーションを行った。米中貿易戦争は深刻になりそう。この二月に『台湾旅行法』がアメリカ合衆国連邦議会を通過し、三月一六日にアメリカ合衆国大統領の署名を受け成立した。アメリカ合衆国および台湾の高級官僚の相互の訪問を促進する法律である。中国伸張の真っただ中でこの法律ができたことは意義がある。

 

米朝会談は事実上、米中の駆け引きになる。最近トランプは在韓米軍はアメリカのふたんになっていると言い出した。今の国際情勢は大きく変化。この際、拉致被害者を救わないとチャンスはなくなる。金正恩は殺人鬼。文在寅は二人の大統領を監獄に入れた」。

この後、活発な討論か行われた。元自衛隊高官は、「北朝鮮の非核化だけで良いのか。中国はどうする。中国も参加させて北東アジアで『INF条約』(中距離核戦力全廃条約)を作れないのか。北朝鮮の核がテロリストに渡ったらどうするのか。日米同盟しかオプション無し。トランプに頑張ってもらって、その間に日本がどんどん強国になる」。

 

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2018年7月27日 (金)

軍司泰史氏(共同通信社編集委員・論説委員)の「欧州ポピュリズムの底流−難民、テロ、EU」と題する講演の内容

四月二十五日に開催された『新聞通信調査会定例公演会』における軍司泰史氏(共同通信社編集委員・論説委員)の「欧州ポピュリズムの底流−難民、テロ、EU」と題する講演の内容は次の通り。

 

「ヨーロッパは独特のポピュリズムが広がっている。ヨーロッパではポピュリズムは目新しい問題ではない。七十年代から欧州政治の中でポピュリズムは危険視されていた。イギリスのEU脱退をめぐる国民投票で離脱の結論が出て、ポピュリズムに注目が集まった。国政選挙があるとポピュリズム政党が注目を集める。

 

水島治郎千葉大学教授の定義ではポピュリズムとは『大衆に依拠して、特権的なエリートを批判し、大衆層の意思を直接政治に反映させようとする政治運動』。

 

大衆迎合主義とはネガティヴ。ポピュリスト政党が政治の中心舞台に躍り出てきた。ポピュリズム勢力の共通点は、『反既成政治、エリート不信、反グローバリズム、EU懐疑、反移民、反イスラム』。エリート不信に中にはメディアへの反感も含まれる。EUはグローバリズムの進んだ形なので、反EUは必ず出てくる。ポピュリズムの背景は、『既存政党や既存勢力の弱体化、中間層の転落、難民・移民の増大、EUの機能不全』。中間層の転落は、産業の移転が原因。失業・賃下げの不安が日常的。テロが頻発し、ヨーロッパ各国の首都にテロへの不安感が広がっている。

 

フランス大統領選第一回投票では、ルペンが半数以上のコミューンでトップ。村落など小規模コミューンはルペンの圧勝。マクロンは要するに人口の多い大都市つまり『点』で勝利したにすぎない。大衆層・工場労働者は社会とのつながりが切れてしまった。大衆層の四分の三は中小都市にいる。パリからは姿を消した。ルペン支持層の姿は大都市では全く見えない。イスラム教徒がコミュニティに入ると大衆層はそこを出て行く。

 

ジャンマリ・ルペンからマリーヌ・ルペンへの代替わりで政策的に大きな変更が行われた。ジャンマリ・ルペンの政策(極右ナショナリズム)は『反共、移民排斥、歴史修正主義(ナチスの擁護)、反ユダヤ、反グローバル資本、EU離脱、通貨フランの復活、死刑復活』だった。マリーヌ・ルペンの政策は、『反グローバル資本、自国産品優先、EU離脱、通貨フランの復活、非宗教性(ライシテ=フランスにおける政教分離の原則)の強調(イスラム共同体が標的)、女性の権利擁護、男女賃金格差の是正、歴史修正主義の否定、減刑の無い終身刑の導入、脱悪魔化と正常化』。マリーヌ・ルペンは年金支給開始年齢引き下げなどリベラルから左派の政策も取り入れた。『国民戦線(極右ナショナリズムだった)が脱悪魔化した』とフランスで報道された。しかし偽装されていると批判されている。今の国民戦線は必ずしもナショナリズム・国粋主義・歴史修正主義ではない。一見リベラルな政策をとっている。

 

オランダは移民受け入れに寛容で、多文化主義の一つのモデルとされてきた。オランダはEUの原加盟国。元々は親EU。ピム・フォルタイン党が躍進。ピム・フォルタインの主張は『政治を市民にともどす、妊娠中絶などの女性の権利・同性愛者の権利擁護、安楽死や麻薬の容認、イスラムは遅れた文化、オランダはもう満員だ』。リベラルなポピュリストとして登場。

 

ヘルト・ウィルダースは、イスラム批判で支持を急伸。『イスラムは民主主義と相容れない、コーランはファシストの書。ヒトラーの「わが闘争」の宗教版』と主張。個人の自由や男女平等、同性愛の擁護という西欧的価値を前面に出してイスラムを批判。『ユダヤ―キリスト教的・人文主義的伝統』を『オランダの支配的文化』と定義。『われわれはイスラム化という津波を防がなければならない』と主張。二〇一七年総選挙では第二党になった。オランダはプロテスタントが多い。ローマ法王庁は同性婚を否定。

 

ポピュリストは、ヨーロッパの伝統とイスラムとの対立に単純化する。同化しつつあるイスラム教徒の居場所がなくなりつつある。そしてイスラム過激派に吸い寄せられてしまう。新たなポピュリスト勢力は、全ヨーロッパ的な文明上のアイデンティティが、異質なイスラム文明と必然的に衝突し、脅かされていると主張する。この新しい主張は、伝統的極右の運動より繊細だが、リベラルな民主主義を深刻に脅かす。

 

ハンガリーの国境には電線(国境フェンス)が張り巡らされている。不法侵入を監視。ハンガリーのオルバン政権の政策は、『排外主義的傾向(国境フェンスの建設)、EUへの反感(難民受け入れ分担の拒否)、強権路線(メディア・NPOの統制)、中露への接近(原発・高速鉄道建設)』。

 

欧州のリスク―今後何が起こるのか。『EU理求心力低下、中露の影響力拡大、強権国家への憧憬、国内の分断』。エリートが現実を見ようとしないのが一番の問題。ポピュリズムは政治的立場を表す言葉ではない。政治的手法を表す言葉。ポピュリストの特徴は敵を設定する。『あんな人たちに負けるわけにいかない』という言葉は危険。

 

プーチンが好きな人が何故か多い。民衆に強権政治への憧れがある。欧州の価値観が揺らいでいる。トランプを押し上げたアメリカ国民はアホではない。テロはイスラムではなく社会的統合から切り離された人々が起こす」。

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2018年7月24日 (火)

船橋洋一アジア・パシフィック・イニシアティブ理事長による「地政学・ポピュリズム・メディア」と題する講演内容

三月三十日に開催された「新聞通信調査会七〇周年記念特別講演会」における船橋洋一アジア・パシフィック・イニシアティブ理事長による「地政学・ポピュリズム・メディア」と題する講演の内容は次の通り。

 

「地政学・ポピュリズムにメディアは連関している。石橋湛山が活躍したのは第一次大戦から第二次大戦まで。第二次大戦後は、政治家に転出した。危機の時代の二十年間に、自由主義・国際協調主義で論陣を張ったが、彼の理念はことごとく裏切られた。その時代はなんと今の時代と似ているかと感じた。

 

地政学の視点から非常に厄介だが、それを無視しては世界が見えない。日露戰爭で大陸に足掛かりを持つことによって、ユーラシア大陸に引き込まれてゆく。ユーラシアの地政学をわきまえないままに入ってしまった。兵を出してしまった。満州事変以降の朝日新聞の昭和時代の報道を検証すると、報道が大きく変わったのは満州事変から。

 

今日も、大きな國が『強引に相手に圧力をかけてはいけない』というルールを破っている。中国とロシアがそういうことをし始めている。今の秩序を一方的に変えようとする。別の秩序を作ろうとする。都合が悪くなるとシステムを捨てる。中国の楊潔篪外交部長は、アセアン地域のフォーラムの外相会議において、アセアンの外相に向かって『中国は大国、あなた方は小国。そこから全てが始まる』と言った。尖閣もその辺から変わってきた。中国の公船が一方的に入って来たのは二〇〇八年十一月から。

 

地政学と歴史が重要な概念。今世紀末に日本は五千万人国家になる。何もしなければそうなる。先々週ジャカルタに行った。インドネシアは独立百年で国家ビジョンを描いている。『インド・中国・アメリカ・日本の次がインドネシアでありたい』と言っていた。人口を国のランキングにした大国がものを言う世界になって行く。

 

アメリカ政府は去年十二月『国家戦略報告書』を出した。今までの秩序を一方的に変えようとしているのは中国とロシア。我々は中国が豊かになれば、中国は我々と似たような國になると思っていたが、そうはならなかった。中国は戦略的競争相手という概念を明確にした。アメリカは民主党の中も、共和党の中もバラバラだったが、中国への認識は超党派的合意になっている。

 

トランプはひどい。しかし、トランプの代わりに民主党政権が出て来ても、対外政策は変わらないという気がする。トランプは一時的現象。アメリカは変りつつあると見るべし。

 

金正恩が北京に行った。新華社の報道によると、習近平は金正恩に你(にー・きみ)と言った。金正恩は習近平に您(にん・あなた)と言った。中国の国際秩序觀は、国内の秩序觀の投影である。中国は自国の文化を投影して秩序を作る。中国は力が付けば周辺諸国を従えようとする。朝鮮半島に対して赤裸々な形で出てくる。韓国に対する中国の対応。サード導入の時中国政府がロッテの土地を収用。ロッテの店を全て営業停止にした。現代自動車も売り上げ半減。済州島観光も九〇%減った。産業政策から韓国の電池を使っている自動車を外してしまう。経済を地政学的目的のために使う。ドイツの自動車メーカー・ダイムラー傘下のメルセデス・ベンツが、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマの言葉を引用してインスタグラムに掲載したことが中国共産党の反発を買い、メルセデス・ベンツは中国で公の場での謝罪文を読みあげさせられた。中国は相手を屈辱的な姿にしないと気が済まない。

 

地政学とは軍事による力の政治。ギリシア国王が言った言葉に『強国は自分が欲しいものを手に入れる。小国は自分が蒙らなければいけないものを蒙る』がある。今まさにそういう状況。今、中国がやっていることは凄まじい。ドローンにしてもどんどん先に行っている。個人の信用度を国家が管理している。十三億のデータを持っている。市場の見えざる手より、計画経済の手がある。これはうまくいかないと思う。『上に政策があればしたに対策がある』という言葉がある。皇帝は何時も正しくなければいけない。しかし国民は不満を持っている。永久に不変的な政治体制は存在しないというのが歴史の常。

 

社会主義は未来の何処かにユートピアがあとする。古典的保守は過去に理想を求める。多元的なものを持っているのがリベラリズム。トランプが二期目になるとアブノーマルがノーマルになってしまうという危険がある。

 

メディアは全体の利益を書かないといけない。国民という概念は大事。愛国心は重要。それがないと自分のアイデンティティも守れない。中国が重視しているのは孔子学院。ここに来た人をエージェントにする。中国は宣伝を一つの戦術として過大視する。プロパガンダをやっている。ソフトパワーではなくシャープパワーとなり激流になっている」。

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2018年7月20日 (金)

馬田啓一杏林大学名誉教授による「揺らぐアジア太平洋の経済統合の行方と日本の対応」と題する講演の内容

三月十日に開催された「アジア問題懇話会」における馬田啓一杏林大学名誉教授による「揺らぐアジア太平洋の経済統合の行方と日本の対応」と題する講演の内容は次の通り。

「これからアジア太平洋は経済秩序の大きな節目を迎える。『アメリカ第一』を掲げ、エゴ剥き出しのアメリカの保護主義的な通商政策が、各国の大きな不安と警戒を生む。トランプ政権は『力づくの通商政策』を進めるつもりだ。相手の弱みに付け込み、何でも取引材料にして、強引にアメリカの言いなりにさせる手荒な交渉術を取ろうとしている。その背景には、『アメリカの生産と雇用を守るため二國間の貿易赤字削減が必要だ』とするトランプ政権の誤った認識がある。

トランプは予想できない所がある。流れに任せていいのか。日本が先頭に立って、トランプ政権の暴走を抑えるのか。その延長線上に、対中国戦略がある。中国はアメリカに代って新しい覇権を得ようとしている。その中国に好きなようにさせていいのか。中国の動きにどうやって歯止めをかけるのか。

 

インドを上手にまき込んで『一帯一路』を牽制する動きがある。TPPに中国が入る時に中国を変わらせる。普通の資本主義国にする。今の中国は国家資本主義。中国の周辺国が全てTPPに入ると、中国にとって脅威。日本は中国を変らせるためにこうした状況を作らねばならない。TPPを墓場に埋めるわけにいかない。

 

アメリカの力づくの経済政策の対象は、日本、中国、メキシコ。トランプ政権はアメリカの孤立など平チャラ。日本がどうやってうまくアメリカを相手に言を進めて行くのかが問題。中国を変える長期戦が始まっている。

TPPはアジア太平洋におけるアメリカの影響力を強めるもっとも重要な手段の一つであるはずだ。中国がアジア太平洋の覇権を狙い、アメリカに取って代わろうと動いている時、アメリカのTPP離脱は中国の思う壷。トランプは、いまアジア太平洋で起きているアメリカにとって『不都合な現実』を直視すべきだ。

トランプ旋風は、TPPやNAFTAを悪者にして、グローバル化と自由貿易に懐疑的なプアホワイト(アメリカ南部の貧しい白人をさした言葉)の支持を集めた。アメリカの孤立を厭わず。目先の経済的利益と雇用を優先し、支持者にアピールするトランプ政権の内向き姿勢は、米議会の中間選挙を控え強まりそうだ。

トランプ政権は、TPPの代わりに、アメリカをハブ(中心)とする二国間FTA網の構築を目指す。だがそれはメガFTA時代の潮流に逆行、周回遅れの発想。アジア太平洋における目がFTAの実現を目指す日本にとっては、アメリカの二国間主義、日米FTAは有難迷惑。

アメリカのTPP復帰に向けて、裏ワザと言える妙案を打ち出せるかが成否のカギ。衣替えと厚化粧(整形手術は回避)をした新装TPPの成立に期待。アメリカと日本が喧嘩をしても、中国が喜ぶだけ。アメリカに『TPPに戻っておいでよ』と言うべし」。

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