2019年7月11日 (木)

川村純彦岡崎研究所副理事長(元海将補)による「中国の脅威に対処するためのわが国の防衛体制」と題する講演内容

平成三十一年一月十九日午後二時より、内幸町の日本プレスセンターにて開催された『アジア問題懇話会』における川村純彦岡崎研究所副理事長(元海将補)による「中国の脅威に対処するためのわが国の防衛体制」と題する講演内容は次の通り。
「中国にどう対応するかを研究して四十年になる。東アジア情勢は実に不安定。その原因は中国と北朝鮮。北朝鮮の暴発をどう防ぐか。中国に対してこれまで甘かった。我々と同じ価値観の國になってくれるだろうという期待感があったが完全に裏切られた。

中国が狙っているのはアジア太平洋地域を中国のルールで支配すること。覇権を狙っている。大陸国家であったにもかかわらず海洋国家建設に向かっている。劉華清(八〇年代前半の海軍司令官)が戦略を立てた。二〇一〇年までに第一列島線の内側でのアメリカの行動を拒否する。二〇二〇年までに伊豆諸島の内側での接近を拒否する能力を持つ。太平洋でアメリカと肩を並べる海軍力を持つ。二〇四〇年までに世界の海軍になるという計画を着実に進めている。

一九九六年台湾海峡危機があった。台湾総統選を許してはならぬということで、台湾近海にミサイルを発射。アメリカは空母二隻を台湾周辺海域に派遣。中国にとって苦い経験。中国は南シナ海の聖域化を試みている。アメリカに対抗するために軍事力の拡充を図っている。潜水艦の造成でアメリカ空母接近を阻止せんとしている。大規模な武力衝突にならないようにしながら管轄権を拡大している。(サラミ作戦)これから対立は厳しくなる。

アメリカの中国封じ込めは厳しくなる。冷戦時代以前に戻っている。中国は後発国家。すでに出来上がった秩序をこじ開けて入って来る。アジア太平洋不安定要素。超大国としての国際的地位を獲得したい。それが『中国民族の偉大な復興』という命題。アメリカに脅されないために核抑止力を持ちたい。外洋に展開する力が必要。海軍力が大事。航空力のカバーの無い海軍・陸軍は意味が無い。

中国はどうして軍事力を建設したいのか。①台湾武力統一の時の外国の干渉排除。②海洋大国になるために軍事力拡大。海警の兵力増強を続けている。尖閣にとって脅威。漁民の格好をした民兵に気をつけねばならない。民兵は軍の訓練を受けている。海上民兵の背後に中国海軍がある。二〇四〇年までにアジア太平洋でアメリカと肩を並べたい。

日本の電池潜水艦は極めて有効。封鎖作戦に適している。南西の島々に中国が上陸してきても取り締まる法律は入国管理法。これでは駄目。海上保安庁が取り締まる。軍ではない。適正な法律が出来ていない。国家の主権を守るのは軍である。日本はそれを無視している」。

出席していた自衛隊元高官は次のように語った。「戦前の陸戦隊のような能力をもった軍を作って島嶼防衛を行う。水陸機動運用を前提とした軍を作るべし」。

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田中卓郎氏(哲学者)による「敗戦國體制の完成形態としてのわが国の現状」と題する講演内容

〇十二月十日午後六時半より、春日の文京シビックホールにて、『國體政治研究会』開催。田中卓郎氏(哲学者)が「敗戦國體制の完成形態としてのわが国の現状」と題して講演。講演内容は次の通り。
「認識されざる国家の危機としての言語問題・国語問題。外国人を政府が率先して招き入れている。傍若無人なのは支那人のみにあらず。移民を容認する法律が通った。今までの政府がやってきた愚策の中でも、決定的亡国法案。民族問題・宗教問題が発生する。言語問題も発生する。

 

街を歩いている外国人で、日本語を話している人はほとんどいない。彼等の自国語を話している。理解できる日本人はほとんどいない。極めて深刻な問題。在留外人と日本人が意志疎通できない。彼等の日本語能力は、日常生活に必要最小限にとどまる。読み書き能力はゼロ。読み書き能力は一定期間の正規教育を受けなければならない。彼等の置かれている状況は日本国民には理解できない。

 

日本国民には文盲はいない。日本人は文字を読み書きして生活しているので文盲の生活がどういうものかを理解できない。読み書きできない生活は想像もつかない。短期旅行では片言の英語で用は足りる。読み書きは一定期間学習しないと一定の水準に達しない。これは欧米系の外国人にも該当する。

 

英米人はインテリと思っている人が多い。きちんと読み書きができる英米人を私は知らない。ハーバードで社会学を勉強した人は日本語の会話は明らかに上手だった。しかし書類は全く書けない。同僚の日本人が彼に代って必要な書類を書いていた。私とその人は英語でしか話さなかった。日本の新聞は読めない。その人はちゃんとして教養人のカナダ人。フランス語と英語は流暢。専門は音楽。インテリと言っていい教養人が日本語の読み書きはできない。

 

日本語の読み書きができる在留外国人は極めて少数。文字無き社会に生きている。口語による情報も極めて限られる。しかし平然と振る舞っている。母語をしゃべって生活している。我々には彼等の母語を理解できない。わが国に出身の國の母語のみで生活できることが可能な国家内国家がすでに成立している。

 

ハッカーによる犯罪はどんなに防御をしても絶対に防ぐことができない。インターネットで世界が一つにつながったが、強みが弱みになっている。普通の人間が語学を勉強するのはそれによって何かが出来るから。プラトンを讀みたいからギリシャ語、ハイデッカーを讀みたいからドイツ語を勉強する。英語以外の言語を習得するのは一年以上かかる。言語を多くの人は勉強しない。最近、大学では第二外国語はやらない。

 

支那語は、北京官話は拵えたもの。広東語と北京語はお互いに通じない。支那のテレビに字幕が出る。インド・パキスタンは言語事情が複雑。国内で通じない言語が沢山ある。我々には捕捉しようのない世界。そういう人間を入れてしまったら防ぎようがない。すぐ『差別』という言い方をする人間が出て来る。どうにもならぬ問題になる。

 

モンゴル人の関取が増えた。圧倒的数になっている。日本人力士の記録を塗り替えている。日本の相撲をモンゴルのやり方で差配する。親方衆にモンゴル語を理解する人はいない。何をやっているか分からない。彼等が日本語で話す情報だけで彼らを管理することはできない。根本は言語の問題。

 

私の著書は正字正仮名で書いた。正字正仮名を使うこと自体変わり者と言われる。歴史的仮名遣いとか旧仮名遣いよりも正仮名遣いという言い方がよろしい。漢字は表意というよりも表語文字。言語は文字と音があるが音がコアになる。アイヌ語には文字はない。文字はなくとも言語は存在する。

 

漢字が先進文化を担う字になっているのは、幕末期に我が国が多くの漢語を案出したからである。『哲学』『形而上学』も然り。日本でつくられた漢語が大陸や台湾に輸出されている。漢語においても漢字においても日本が本家本元。『諸橋大漢和』は台湾で海賊版が出た。『支那』は差別語ではない。しかし教育の場では使えない。『支那』は普通名詞。地理的呼称。第一外国語は英語。ラテン語を勉強するのが理想。一番大事なのは母国語能力」。

 

 

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2019年6月 2日 (日)

「入管法改正緊急反対集会」における登壇者の発言

昨年十一月二十七日に開催された「入管法改正緊急反対集会」における登壇者の発言は次の通り。

鈴木荘一氏「インターナショナリズムからナショナリズムに移行しようとしている。この動きは第二次世界大戦後のシステムが壊れ、新たな国際秩序を作るため模索している時代。マスコミはナショナリズムをポピリズムと言っているが見当違い。昭和四年に世界恐慌。その時、英米は反グローバリズムに移行した。濱口内閣は金解禁して一周遅れの国際化をした。嵐の時に窓を開いた。世界恐慌を一番強烈に受けたのが日本だった。それで戰爭に突入。これが昭和の失敗。今日の日本企業は三百兆円をため込んでいても勤労者に賃金という形で還元していない。賃金を上げないから景気が良くならない。人手が足りないから外国人を入れなければならないというのは嘘。四一万人が働けない。その人達に働いてもらえばいい。彼等に仕事についてもらえば外国人労働者を入れる必要なし」。

西村眞悟氏「一番危険なのは支那人。中共が国防動員法を制定し、日本にいる中国人は中国のために戦おうとしている。我々は彼らを監視すべし。平成の御代の最後にこんな法案が出来たのであるから、尊皇攘夷の戦いをして日本を取りもどしたい」。

三浦小太郎氏「五年前にヨーロッパに旅行した時、レストランで鞄は足の下に置きなさいと注意された。政治家はきれいごとが言えるが、実際に生活している皆さんは言えない。移民政策はとらないなどと偽善的なことを言うべきではない」。

赤尾由美さん「私は差別主義者ではない。ブータン人と結婚し、子供が二人いる。外国人と結婚し外国の暮らすのがいかに大変か体験した。経済界の要請でこの法案を出したと言われている。わたしの企業は従業員が二百人いる。努力と根性と残業で乗り切っている。同一賃金・同一労働・国柄を失うのが大問題。日本語を話し、皇室を尊敬する、八百万の神を信仰するという要件を満たせば、日本に住んでも良い」。

松原仁氏「こんなに早く採決に持ち込まれるとは思わなかった。シンガポールは移民に対して凄まじい監視をしている。メイドさんが妊娠したら祖国に戻ってもらう。建物の移民の占有率が決まっている。一定の人間が集まると先祖返りをする。一神教の人々が自己主張したら我々は対抗できるのか。未来の国民に責任を持つためにこの法案は潰すべし」。

稲村公望氏「金のために来る人はお断りすべし。人手不足というのも嘘。仕事が無い日本人がいる。地方が困っている。補助金が無くなった。バラマキが無くなった。沖縄に仕事が無くなければ東京へ行くと言う。食えないから日本へ行けばいいということになった」。

岡野俊昭氏「移民を簡単にすることは日本伝統文化を壊すこと。歴史を失った国民は滅びる。日本の伝統文化が汚染されないようにしなければならない」。

落合道夫氏「トロイの木馬になる危険。政府が敵に占領された。人手不足という一時的なことで国民的な事を決めるのはやめてもらいたい」。

西村幸祐氏「安倍内閣丸六年。外交安保についてはほぼ完璧。この期に及んで何故こんなことをするのか。日本はすでに移民国。第二次大戦後、朝鮮人がいる移民国家になった。そして日本人はひどい目にあった。何故また同じことをやろうとしているのか。北朝鮮から漂着船が物凄く来て、十一月には特に増えた。すでに上陸している人もいる。アメリカと中国は経済戦争をしている。中国が破綻したらどれだけ難民が押し寄せて来るか。この法案は潰すしかない。その方法が無くて私も途方に暮れている。安倍政権は中道左派政権。安保・外交は百パーセントまとも。アベノミックスもそれなりに成功。今度の入管法は駄目。メディアが本質を報道していない。官僚が馬鹿。政治家はレベルが低い。『日本国憲法』では詔を発してはいけないことになっているのに、東日本大震災とご譲位のご放送が行われた。今上天皇は憲法を超越しておられる。生前退位という言葉はあり得ない。譲位が正しい」。

坂東忠信氏「日本はすでに移民国家。九十日を越えて日本に滞在する人は二五六万人。四十八人に一人が移民。アメリカが中国に経済戦争。中国に暴動が起こり餓死者が出るまでやるということ。その時、七三万人が難民になって日本に来る。自民党議員の九割が反対。しかし、人手不足の企業が賛成なので支援を受けているので、しょうがなく賛成。働く喜びを子供たちに伝えるべし」。

藤木俊一氏「移民がある塊になると権利を主張し始める。日弁連が国連に来ている。人権について色々要求を出している。慰安婦問題などで日本人を痛めつける。移民を助けることが飯のタネになる。永田町は、朝日新聞とテレビに批判されないことばかり考えている。八千人の高度技術者がいなくなって逃げた。日本に土に合わない。取りあえず入れちゃおうというのは駄目」。

松木國俊氏「移民が増えて日本人が日本人の心を無くすのが一番怖い。日韓併合を見ても、日本人と韓国人が一つの國を形成するのは無理。文化と文化がぶつかり合う。日本人が生き残るためには日本人は優しい心を無くさねばならない。少子化の原因はお金。教育に金がかかりすぎる」。

山岡鉄秀氏「不法難民に直結する法案。法務省は入国だけ管理している。警察は手が回らない。日本に失踪外国人を見つけて帰国させる機能なし。オーストラリアは『静かなる侵略』と戦っている。全ての中国人が中国共産党の指令に従って動いていると見るほかはない。中国の侵略はすでに始まっている」。

藤岡信勝氏「昭和十二年七月二九日、通州事件が起こった。五百人の日本人居留民がいる所で中国兵が暴動を起こした。深夜十二時、城塞都市の城壁の入口を閉鎖し、電話を切断し、すべての日本人をなぶり殺しにし、凄まじい殺し方をした。同時進行で目撃していた日本人女性に出会った。日本人がどのようなことをやられたかの記録を讀んで切実さを実感した。二年前にパンフレットにした刊行した。同じことが将来必ず起こる。中国人は残虐。中国軍は通州事件を起こす数週刊前に日本人の家族構成を調べた。チョークで日本人の家の印をつけた。日本人に対して一人残らず本当に信じられないことをした。計画的。敗戦時も、大陸や朝鮮半島で日本人は大変な目に遭っている。安倍政権は『日本を取りもどそう』というスローガンで政権を取ったのに日本を滅ぼすことをやっている。チャイニーズやコリアンの性格を言わんとするとヘイトスピーチ法を作って弾圧して来る。まともに史実を見て、客観的に見なければならない。私は安倍政権支持を今日限り言わない。反対していた自民党議員に官邸から圧力がかかった。やってはいけない禁じ手の悪政が入管法改正」。

佐藤和夫氏(司会者)「安倍さんはこの一点で全てがパーになる」。

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2019年5月19日 (日)

昨年十一月十七日に開催された『アジア問題懇話会』における阿部純一霞山会常任理事・研究主幹の「中国『一帯一路』の軍事的側面を考える」と題する講演内容

昨年十一月十七日に開催された『アジア問題懇話会』における阿部純一霞山会常任理事・研究主幹の「中国『一帯一路』の軍事的側面を考える」と題する講演内容は次の通り。

「一体一路というのは曲者。時間と共に変化している。今は南米まで加わっている。氷山のシルクロードと言って北極航路の利用まで打ち出している。一帯一路は党規約に書き込まれた習近平の国家戦略。中国の野心はどんどん広がっている。その根本を決めるのは中国のエネルギー戦略。

やがて中国共産党結党から百年、中華人民共和国建国から百年を迎える。二〇一九年以降、中国経済の成長は鈍化している。鉄鋼やセメントの過剰がリーマンショックの影響で起こってしまった。過剰生産、外貨の過剰準備。二つの過剰を金儲けの手段に切り替えた。スリランカの港湾建設に大きな金を高利で貸し付けた。インドネシアの高速道路、ラオスの鉄道建設でも貸し付ける。中国側に有利な仕組みで中国の国有企業が儲かる。中国の影響力強化を図る。

一九九二年より、エネルギー・石油輸入国になった。国内経済の活発化で国内石油では足りなくなった。中国国内で消費されているエネルギーは石炭。大気汚染が深刻化。天然ガスに切り替えると習近平が命令したが、うまく進まなかった。民生用の石油利用はどんどん増えていく。中国の入ってくる石油供給源は中東アフリカ。日本の石油ルートとあまり変わらない。中国にとって脅威はマラッカ海峡封鎖。シンガポールの港にアメリカ海軍が定期的に寄港。マラッカ海峡封鎖の脅威を回避するためにパイプラインを作る。石油の中心とするエネルギー安全保障が中国の最大関心事。連結性強化を図る。

習近平は終身国家主席になった。二〇三五年、習近平は八二歳から八三歳。アメリカに追いつける意欲を見せている。そのために一帯一路は重要。海軍力を拡大しアメリカ海軍を西太平洋から駆逐する。二〇一三年の習近平の初訪米で、太平洋は広いから東西二分論を主張。ハワイから西を中国の影響下に置きたい。中央アジアで中国とロシアの覇権争いが起こる。リムランド(地政学の用語のひとつ。ニコラス・スパイクマンによる造語であり、北西ヨーロッパから中東、インドシナ半島までの東南アジア、中国大陸、ユーラシア大陸東部に至るユーラシアの沿岸地帯を指す)は中国にとって手ごわい地帯。インド日本という中国の言うことを聞かない国がある。ソマリア海賊退治は中国にとって天の助け。インド洋では中国の軍事拠点はジブジだけ。

南シナ海は中国のベースでどんどん軍事化が進んでいる。戦闘機は長持ちする。中国製の戦闘機は輸出できない。耐久性に劣る。アメリカに対抗できる力を中国は持っていない。実績を積む前に虎の尾を踏んだ。私はアジアにおける発火点としては北朝鮮より台湾の方がより大きくなりつつあると懸念している。中国は、『アメリカ艦船が高雄に寄港したらその時、台湾海峡で戦火が上がる』と脅している。台湾海峡での軍事バランスは極めて危うい。しかし中国の台湾上陸は難しい。アメリカは対応を取る。一九四九年以来のアメリカとオーストラリアとの同盟関係は強固。オーストラリアはアメリカのやる戰爭には必ず協力。中国は米豪関係を分断できない。パプアニューギニアはオーストラリアの影響下。中国軍は組織的作戦で戰爭に勝てる軍ではない。中国軍は腐敗している。経験の無い連中が軍の上にいる」。

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昨年十月二十九日に開催された『明治の日を実現するための議員連盟支援集会』における登壇者の発言

昨年十月二十九日に開催された『明治の日を実現するための議員連盟支援集会』における登壇者の発言は次の通り。

塚本三郎明治の日推進協議会会長「明治維新の先人の努力を学ぶことが大切。先人の事績を学び、感謝すべし」。

古屋圭司議員連盟会長「消防団は日本が生んだ世界一のインフラ。十一月三日は叙勲の日。出来るだけ多くの与野党の賛同を得る必要あり。昭和二十二年十一月三日、『明治節』が『文化の日』に替えることを強いられた。『明治の日』を作ると国家神道が復活するとA新聞は批判。風が吹けば桶屋が儲かる論法。法制局と協力を進めている。自民党の中でも政務調査会と連携し、法案成立を期す。将来を担う子供が明治の精神を全く学校で学んでいない。明治の日制定によって学校教育で学ぶことができるようになる」。

稲田朋美議員連盟幹事長「私は『代表質問』で『五箇条の御誓文』の復活を訴えた。道義的に尊敬される國を目指し明治の精神に回帰しなけれはいけない。明治維新百五十年の今年に形にしてゆく」。

山田宏議員連盟事務局長「天下大乱の時に日本人にとって大切なのは民族の記憶。明治時代を作った記憶に回帰する。『文化の日』では駄目。自民党内の部会を通し、公明党の理解を得て、野党の支持を受ける。私は野党生活が長いので野党対策」。

衛藤晟一氏「明治維新前後の激動の時代は、日本人が素晴らしい精神で駆け抜けた時代。その精神を私たちの心の中に蘇えらせる」。

新保祐司氏「国民が歴史を振り返ることは大事。奈良時代も偉大だった。明治時代はもっと偉大だった。明治の精神が偉大だったのは物質文明が偉大だったからではない。非凡なる凡人が明治の人。義の精神が強くあった。今日の日本人は鑑として振り返らねばならない。独立自尊の精神。カレンダーに『明治』という文字が刻まれ、『明治の日』の行事が行われることによって明治の精神が継承される」。

櫻井よし子氏「日本に本当に必要であるのは、日本人は立派な民族であるという精神。自分の力で国土と民族を守ることが求められている。それが出来なければ民族は滅びる。戦後は豊かになったか、日本人は日本人の価値を置いて来てしまった。国家としての日本、精神の気高さ、誇りがあった。それが形になったのが明治国家。『五箇条の御誓文』ほど立派なものは無い。今の時代にも通用する。今日の世界に広めてゆく価値のあるものが『五箇条の御誓文』。その精神を忘れないために『明治の日』制定が大切」。

阿羅健一氏「十一月三日を『明治の日に』という篤い思いで日本青年館に集まったのは十年前。正念場に来て国会議員と一緒になって頑張っていきたい」。

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2019年5月 1日 (水)

公益社団法人・日本弘道会主催「弘道シンポジウム2018ー日本の皇室を考える-天皇陛下の御退位を目前にして」における登壇者の発言

十月二十三日に開催された公益社団法人・日本弘道会主催「弘道シンポジウム2018ー日本の皇室を考える-天皇陛下の御退位を目前にして」における登壇者の発言は次の通り。
所功京都産業大学名誉教授「日本の皇室は天照大神を皇祖と仰ぐ。天皇皇室は国民大多数から敬われてきた。天照大御神は皇祖神であり、歴代天皇の御尊称はスメラミコト、スメミマノミコトである。神々を祭り、人心を清らかにし統一するミコトであらせられる。皇族が消滅する恐れがある。『皇室典範』の総合的見直しに努めるべし。日本皇室が続いて来たのは、血統が極めて重要。そのためにも君徳の涵養が大事。この会場に来ている人は、日本に皇室が末永く続くことを祈ることで共通している。今上陛下の御心と歴代天皇の御心とは違うかどうか。一昨年のお言葉は今上天皇個人の思い込みで仰ったとは思わない。原則原理には例外はある。譲位も例外。原則は重要だが状況が変化したら変えることによって本質が守られる。養子・猶子で正統性をつないだ。側室を認めることは不可能。旧皇族の御子孫を養子・猶子にする可能性を探るべし。男系か女系かの議論に疑問を持つ。平成二十二年の参与会議で譲位のご意向を示され、政府に伝わっていた。しかし民主党政権だったので十分な対応が出来なかった。もっと早く真剣に対応すべきだった。天皇制の存続を願ってのご放送であった。譲位という言葉を政府が使わないのは頑なな考え。譲位と言うべし」。
古川隆久氏日本大学教授「日本国憲法制定までの状況を見ると、戦争への反省があった。国民主権という国の在り方や象徴天皇という考え方は、日本の軍部官僚が神格化された天皇の権威を乱用して失敗を隠蔽し、その結果戰爭で甚大な被害を出してしまった事実を踏まえ、占領軍に先立って日本側から提起されたものだった。天皇のテレビメッセージはぎりぎり合法。天皇のご訪問によって被災地の救済が進むのであれば、国民主権と議会制民主主義が空洞化してしまう。天皇がリードしたり牽引するのは、現行憲法考え方に照らすと適切ではない。天皇の問題提起を受ける形で、国民の間で開かれた自由な論議が半年以上にわたって行われた。この事は国民主権下における象徴天皇制の定着が進んできたことを示しており、大変喜ばしい。女性天皇・女系天皇について自由な議論で、議会制民主主義で決めるべし。天皇制と議会制民主主義が共存する。皇族以外も含めて猶子を考えるべし」。

八木 秀次氏麗澤大学教授「現行『皇室典範』には退位の規定はない。政府国会は終身在位制を維持しつつ特例法を制定した。一代限りの退位という特例を作った。特例制定は先例となったので、皇位は不安定になったと言わざるを得ない。天皇の自由意志によって退位できる。即位も否定できる。国家の道徳的中心は天皇にある。天皇を戴くことが日本国を道徳的にする。日本には老舗が多い。日本人は努力勤勉を尊ぶ。男系継承で来たので安定している。天皇に徳を求めすぎると争いになる。天皇が政治に関わらないのは重要。象徴という言葉の出典は英国のウォルター・バジョットの『イギリス憲政論』を参照した。バジョットの本の中に『君主は党派を超越、統合の象徴』とある。バジョットの本こそ福澤諭吉の『帝室論』の種本。福澤は『我帝室は政治社外にあるものなり』と言った。男系継承は確立した原理。一度も例外はない。天皇の正統性の直結。柔軟に考えてはいけない。最早十年もこうした議論をしている。政治の決断が必要」。


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2019年4月30日 (火)

公益社団法人・日本弘道会主催「弘道シンポジウム2018ー日本の皇室を考える-天皇陛下の御退位を目前にして」における小堀桂一郎東京大学名誉教授による「天皇=象徴観の今昔」と題する基調講演の内容


十月二十三日に開催された公益社団法人・日本弘道会主催「弘道シンポジウム2018ー日本の皇室を考える-天皇陛下の御退位を目前にして」における小堀桂一郎東京大学名誉教授による「天皇=象徴観の今昔」と題する基調講演の内容は次の通り。
「平成二十八年七月十三日に、天皇陛下が譲位のご意志を内々にお示しになったとNHKが報道。この段階では宮内庁は否定。メディアは強い反応。あのご高齢では譲位はもっともというのが世論の大多数。八月八日に陛下が譲位のご意向を国民に直接表明された。御退位は動かし難いものとなった。生前退位という表現を、皇后陛下が拒否。『産経』をはじめ譲位と表現した。

草莽の人々はある種の困惑を惹き起こした。憲法のもとの天皇は、国政に関する権能を持たないと言われた上で、摂政を否定し、譲位を表明された。超憲法的処置を求められた。昭和五十三年、栗栖弘臣統幕議長(当時)が『国家緊急事態の折には超法規的措置を以て対処する』と言っただけで罷免された。天皇の国事行為に対する助言と承認をする政府も、そして国民も柔軟な対応を示した。これは歓迎に値する。現行憲法は敗戦国の戦勝国に対する臣従の誓いのようなもの。占領目的の達成の手段が米国製憲法であった。これは国家的屈辱であった。この拘束を破る憲法無視は結構ということである。

しかし、天皇の個人的ご意向によって超憲法的事態が生ずるのは一抹の不安が生ぜしめる。『特例法』は、『今上天皇お一人に限る御譲位』という配慮が施してある。今回の事が前例として踏襲されることは防がれた。

今上陛下は憲法第一条の規定を強く意識され、象徴の在り方について常に心を砕いてこられた。〈日本国の象徴〉〈国民統合の象徴〉であるという現憲法での天皇の位置づけ乃至性格規定をめぐって、今上天皇と皇室伝統擁護派の一部言論人との間に、この規定の理解をめぐって齟齬が生じていることが明らかとなった。大きな災害が発生した時の被災者への親身なご激励、天皇皇后両陛下のご行動が不幸を背負った人々にどれほど大きな慰めとなったか。しかし、三十年間の靖国神社不参拝が、私どもの考える『象徴』と、陛下が模索される『象徴』との食い違いが生じる。

陛下がご加齢による身体の衰えの故に『これまでのように、全身全霊を以て象徴の務めを果たしていくことが難しくなる』とご軫念に、ある疑問にとらわれることがある。つまり陛下の言われる『象徴としての務め』とは皇位にあられる身にとって本当に不可欠な義務なのであろうかとの疑念である。

憲法の規定は、天皇は『統治権の総攬者』『国家元首』から『象徴』になった。國體の変更が起こったのか。和辻哲郎は『象徴天皇』で國體は変更していないとした。佐々木惣一は変更しているとして論争となった。国民の総意とは個々人の意識の集積ではなく、二千年の歴史的意志である。歴史的に形成された全体意思の中に無数の死者たちの意思も含まれるルソーの一般意思である。

和辻氏は見落としていたが、『天皇は象徴である』という性格規定を文字にした先例がある。それは明治三十四年に新渡戸稲造氏が英文で著作した『武士道』である。この書の中で新渡戸稲造氏はブリートミーというイギリスの歴史家が英国の王室について〈それは権威の像(イメージ)たるのみでなく、国民的統一の創造者であり象徴(シンボル)である〉と説明したことを引いて、それが実態をよく表現し得た言葉であるとの表現を付して、〈この事は日本の皇室については二倍も三倍にも強調せるべき事柄である〉との見解を述べている。

現行憲法の〈国民統合の象徴〉規定は、GHQ民政局次長として英文原案の奇想のたずさわったチャールズ・ケイディスの『その場でのふっとした思いつきだった』という告白的回想にもかかわらず、実際には新渡戸のこの英文著作から意識して借用したものだというのが私の見解である。

象徴としての天皇の御存在は、独自の行動的機能を有する必要を有しない、祭祀主としての静謐な在り様をお示し下さっていればそれで十分なのだった。今上天皇は昭和二十年からの数年間、小学校初等科六年から中学初年級という学齢の時期に、昭和天皇が国家存亡の危機に毅然として対処しておられたその極度の緊張を経験しておられる。父帝を身近にご覧になるにつけても、祭祀主としての伝統に則した象徴的の説に安んぜられる環境になかった。

皇太子の時代に、象徴と位置付けられた天皇は如何に身を処してゆくべきか、いかに行動すれば国民統合の役割を果たすことができるのか、という問いを自らが運命的に背負った課題として模索を試みることを余儀なくせられた。所詮罪は米国製の國體違反の憲法にある。罪は独立回復の時この米国製憲法を廃棄しなかった政府と立法府の怠慢にある」。

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2019年4月 4日 (木)

山田吉彦東海大学海洋学部教授による「日本の海が危ない―脆弱な島嶼防衛」と題する講演内容

昨年十月二十日に行われた、『アジア問題懇話会』における山田吉彦東海大学海洋学部教授による「日本の海が危ない―脆弱な島嶼防衛」と題する講演内容は次の通り。

 

「日本という国は、北は択捉から沖ノ鳥島まで三千キロを超える。周囲一〇〇メートル以上の島嶼のみで六八五二の島がある。これ以外を加えると十万を超える島がある。離島の人口は七〇万人。淡路島も離島に分類され十万人住んでいる。人が住んでいる島は四一六。一人しか住んでいない島もあるのでこれは毎年変る。この島のお蔭で日本は非常に恵まれている。

 

国連の『海洋法条約』は大きな影響力がある。沿岸から十二カイリを領海とする。沿岸国が行政権・警察権を持つ。ただし無害交通権がある。瀬戸内海・東京湾は内水。無害交通権は適用されない。排他的経済水域は他を排し独占的に経済的権利が認められる。海底資源の権利、漁業管轄権などがある。海洋調査と安全を守るという義務を果たす。

 

台湾と日本が提携すべし。逆さ地図を見ると、中国は完全に蓋をかけられてしまう。アメリカに物を運ぶ時、日本の近海を通らなければ中国は貿易出来ない。中国はこれ以上攻撃的になれない。紛争国となれば中国は日本海域を通る事ができない。中国は沖縄切り崩しをしている。

 

尖閣・沖縄で嘘を百回言えば本当になる。琉球独立を図る。琉球独立学会というのがあり、毎年一回シンポジウムが北京で開かれている。沖縄の土地を中国企業に売るのが目的。沖縄の工業地帯造成地をかなり中国に売っている。沖縄取り崩しに向っている。中国は最初に与那国のレーダーを壊しに来る。台湾も中国から相当圧力をかけられている。

 

自衛隊は沖ノ鳥島に行くことができない。沖ノ鳥島は門司から六十時間かかる。日本の土地の持つ力は中国への圧力になっている。台湾と日本が手を結べば完全に中国を押しこめることができる。

 

ロシアは日本との協調関係が成立しないと極東開発ができない。ロシアは『日露平和条約』を結んでしまいたい。対馬には毎日三千人の韓国人観光客が来る。対馬で高麗蒙古連合軍が何をやったか。沿岸警備が重要。海上保安庁は一万三千人。数が少ない。船も少ない。中国の海警局の方が多い。海保は軍であってはならないということで後方支援も出来ない。

 

西之島(にしのしま。小笠原諸島にある島(無人島)。海底火山の活動により生じた火山島)は順調に大きくなった。尖閣で海洋調査をすべきだ。北方領土は返還される目途は立っていない。ロシアは日本海で仮想敵国・アメリカに対して軍事展開したい。色丹島には千人を超えるロシア兵がいる。だから二島返還もない。北方領土にどんどん観光客を送って相当巧妙に日本化しないとおいしい所だけ取られてしまう。観光客は七月から九月までしか行く事ができない。十月になったら冬。

 

日本の島々をしっかり管理することが重要。台湾と連携して島嶼防衛線を作る。他国と協力できる態勢を作るべし。習近平は八回から九回暗殺未遂に遭っている。中国の台湾侵攻はあり得る。習近平は祖国統一の英雄になりたい。尖閣に自衛隊を常駐させないと危険」。

 

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2019年4月 3日 (水)

笹川平和財団主催『米国新安全保障センター(CNAS)理事長・リチャード・フォンテーン氏講演会』におけるリチャード・フォンテーン氏による「変化するアジアにおける日米関係」と題する講演内容

昨年十月一日に開催された笹川平和財団主催『米国新安全保障センター(CNAS)理事長・リチャード・フォンテーン氏講演会』におけるリチャード・フォンテーン氏による「変化するアジアにおける日米関係」と題する講演内容は次の通り。

 

「日米関係が強いことがアジアの平和のために重要。日米の連携は以前にも増して重要。インド太平洋、アジア太平洋は変化しているしこれからも変化する。トランプ政権は『自由で開かれたインド太平洋地域を』と言っている。言葉の背後には概念の変化もある。二つの海の交わる所で複数の地域に影響がある。『日米印の二十年の強化』という言葉の背後には政策立案者の考えがある。中国の野心的な影響力が背後にある。一帯一路の投資は巨額の金が動く。このままの事態が続くと思ってはならない。中国は労働者の数が減った。地域の國が返済できなくなっている恐れがある。中国の国産空母が出来、海軍力が強化されている。中国の軍事力が強化されている。米国の優位は小さくなりつつある。日米連携の動きは中国の動きが背景にある。北朝鮮の動きもある。日米関係に劇的な変化があった。非核化の枠組みをどのように確保するのか。北朝鮮が核兵器を放棄する。抑圧体制を変えることに疑問を持っている。現状ではその反対。北朝鮮の核放棄の兆候は全く見えない。あっという間に緊張関係に戻る可能性あり。中国を除くインド太平洋の国々が日本とオーストラリアと絆を強めつつある。アジアの安全保障のネットワーク構築は中国への懸念がある。アメリカとの同盟関係に加えて協力関係を作るのは評価すべし。ネットワークの多角化を図るべし。インド太平洋におけるアメリカの役割をトランプ政権は重視している。地域秩序を守ろうとしている。トランプ政権は中国の一帯一路に警戒的。中国の他国への干渉に対してもアメリカは批判的。防衛面でこの数年日本にとって大事な時期になる。憲法九条改正、輸出用の武器製造、敵地攻撃能力が議論として出てくる。アメリカの保護に日本は何時まで頼り続けるのか議論した。アメリカ国民には三つの分野がある。①平和の維持のためにヨーロッパとアジアは提携関係を持つ。②豊かさを維持するために自由貿易を守る。③アメリカの政治的価値を世界に広げる。この三つの原則は民主・共和両政権に共通する。アメリカは自由な国際秩序とルールを作ってきたと思っている。トランプは今の国際秩序于アメリカのためになっていないと思っている。トランプだけでなくアメリカ国民もそう思っている。この傾向がインド太平洋における関与を決めている。日米両国は共に強く共に近い関係が良い。一緒にいた方が良い。アジェンダ(計画・予定)を共有し日米両国が共通の目的を持っていた方が良い。根本的現状理解に立ち戻り米軍幹部は日米協力を大切と思っている。トランプも安倍との会見が他国の人より多い」。

 

続いてパネルディスカッションが行われ、次の発言があった。
佐橋亮氏(神奈川大学 教授、アジア研究センター所長)「インド太平洋という戦略概念が広まっている。中国に対応するアメリカに政府と大統領とのせめぎ合いがある。トランプに共鳴する人も増えている。トランプ政権はグローバルに対する敵意を持つ外交政策を持つ。トランプとそれを支える経済ナショナリストが強い。秩序を気にしないトランプ。アメリカ以外の國がどんなに連携してもバランスオブパワーを崩すことはない」。

 

リチャード・フォンテーン氏「インド太平洋戦略がアメリカンファーストに吸収されてしまうのは一部正しい。ただし実戰上何処まで変って来るのか分からない。日米豪印が力を合わせて中国に対抗する。アメリカがインド太平洋から離れて行くとは私は見ていない。アメリカの同盟国で日本は圧倒的に軍事的能力が高い。冷戦下の米ソ関係には無かった依存的経済貿易関係が今日の日中米にはある。今日の日米中には対立競争関係だけでなく相互依存的関係がある。金正恩とトランプの関係には破綻があり得る。北朝鮮は敵対政策をもう一回やりたいと思っている。アメリカ国民は選挙干渉があったのでロシアに関心を持っている。中国に対する防衛能力、抑止力は極めて大切」。

 

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2019年2月15日 (金)

佐伯啓思氏(京都大学心の未来研究センター特任教授)による『日本経済再生への期待と不安』と題する講演の内容

昨年九月二十六日に開催された『新聞通信調査会特別講演会』における佐伯啓思氏(京都大学心の未来研究センター特任教授)による『日本経済再生への期待と不安』と題する講演の内容は次の通り。

 

「石破さんが善戦したというより安倍圧勝。安倍への対抗馬はない。野党は問題外になっている。野党は安倍に対抗できない。石破は色々なことを言ったが弱い。地方創生大臣の時実績を挙げられなかった。

 

中国はアメリカを追い越すかもしれない。インドも強くなっている。その中で『日米同盟以外にない。日本の経済競争力をつける』という二つが安倍の考え。これに対する対抗軸を出せと言っても難しい。日本はアメリカに頼る以外にない。

 

アベノミックスは果たしてうまくいったのか。失敗したとは言えない。数字上景気は好景気。雇用状況も求人難。アルバイトの時給も上がっている。外国人がどんどん日本に来ている。株価も上がっている。円安のおかげで輸出好調。しかし万全かというクェッションが付く。国債金利は上がらない。財政規模は膨らんだ。

 

第一の矢の金融緩和とはお金をジャブジャブ出せばインフレとなる。そういう考え方。財政政策をどんどんやるのはケインズの考え方。政府は公共投資をして率先して経済を動かす。フリードマンはケインズ派が嫌い。『市場経済は競争によって成り立っているので、政府が介入するのは良くない』というのがフリードマンの考え方。政府のやることは物価を上げたり下げたりすることだ。『景気が悪い時は政府が出て来るべし』というのがケインズの考え方。

 

この第一の矢と第二の矢をやっているのはかなりアクロバットなやり方。安倍と黒田はそれを分かったうえでやっているのであろう。考えようによってはこれは恐ろしい。政府の国債発行分を日銀がファイナンスしている。財政を中央銀行がファイナンスしてしまうというのは規律がなくなる。政府の赤字分を中央銀行が出して来る。実際の企業の設備投資に流れていない。あり得ないことをやってこの程度の事しかできない。

 

第三の矢で成功すると安倍氏は言う。『成長戦略さえうまくいけば財政はうまくいく。成長戦略の中心はAI(人工知能)。ロボット、ITなどの新しいテクノロジーが社会を変えてしまう。これさえうまくいけばいい』と安倍さんは思っている。

 

新しい産業革命が起れば生産性は上がる。もう一度経済成長できる体質に変えようと言って来たがこの考え方は駄目。グローバル競争は破綻している。経済成長すれば良くなるという考えは限界に来ている。経済成長至上主義は止める。IT革命を起せば生産性は高まると言われた。経済効率性が高まると言った。ではどうだったのか。GDPは増えなかった。IT革命は経済効果は殆ど無かった。企業生産性を高めたが、そこで働いていた人々は仕事を失った。

 

供給が二倍になれば需要も二倍に増えねばならない。そうではない経済は良くならずデフレになる。需要を増やすのは難しい。高齢者はみんな金を持っているが物を買わなくなった。預金している。

 

イノベーションが人間を幸せにするかどうかわからない。携帯電話の普及は家庭を崩壊させた。若者はブランド物に興味無し。若者はコンビニがコーヒーを買ってスマホを見ている。金融資産だけが増えてしまう。欲しい物が無い。

 

生活の質を考えるべし。量で考えるべきではない。適正規模を考えるべし。経済を大きくすればいいという考えを変える。巨大災害が来たらどうするのか。質の良い社会・システムを作るのが大切。安倍氏の経済政策が上手くいけばそれを考えてほしい。日本は成熟経済時代に入った。ゼロ成長だと貧しいというのは間違い。ゼロ成長時代に東京は大変化」。

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