2017年6月12日 (月)

この頃詠みし歌

 

旅はやはり一人が良いと思ひつつツアー旅行の案内書を見る

 

 

 

足腰も丈夫で口も手も良く働けば嬉しかりけり

 

 

 

毎朝毎晩鏡に向かひて諾ひぬ我はまだまだ老いてはをらず

 

 

 

張り出せる枇杷の木の新しき緑の葉命の力の強きを誇示す

 

 

 

原稿を書き終えし時に口に入れしチョコレートにわが力甦り来る

 

 

 

明るき声の天気予報を聞きにつつ「ノー天気」といふ言葉思ひ出す

 

 

 

千駄木庵主人と名乗りて四十年蕎麦屋と間違へられしことあり

 

 

 

千駄木庵日乗と名付けしわが日記 出家したのかと問はれしことあり

 

 

 

土佐の海の真青く広き美しさ 眼(まなこ)閉ずればまた浮かび来る

 

 

 

冷たくなりし母の亡骸に手を触れて悲しみの心どっと吹き出る 

 

 

 

安置されし母の亡骸に心経を誦して安らかな眠り祈れり

 

 

 

菩薩立像の白きみ姿仰ぎ見て我の心は清まるらんか

 

 

 

荒川の見ゆる施設の小部屋にて母と語らひし日々思ひ出す

 

 

 

水害が来たれば母か危ふしと思ひゐし日々も過ぎ去りにけり

 

 

 

健やかなりし母と共に歩きたる上野山の道をわれ一人行く

 

 

 

幼き日より母をいとしみて来しわれとしみじみと思ふ母逝きし後

 

 

 

夏風邪をひきし我の咳の音 蒸し暑き夜の部屋に響けり

 

 

 

さ夜中にひとりもの書く部屋内に夏風邪の咳響きけるかも

 

 

 

浮かび来て微笑む人の面影を恋ほしみにつつ一人煙草燻らす

 

 

 

まずきコーヒー飲みつつまずきケーキ食す排気ガス入り来る茶房の窓辺。

 

 

 

煙草の煙が部屋の中に漂ふを眺めることも罪悪となるか

 

 

 

母の使ひし下着が施設より届けられ捨て難くして悲しみ新た

 

 

 

わが父も母もこの世を去り行けるさみしさに耐えて今日も生き行く

 

 

 

癌を病む友どちの声が受話器より聞こえ来る時のやるせなさかな

 

 

 

何時もと変はらぬ声聞こえ来て安堵せり癌を病みたる友からの電話

 

 

 

さやかなる初夏の光に照らされて鎌倉の山の緑美し

 

 

 

今は亡き人と共に今は亡き人を訪ねし思ひ出はるか(葦津珍彦先生を野村秋介氏と共に訪ねし思ひ出)

 

 

 

國思ふ人の語らひを傍らで聞きゐし思ひ出の懐かしきかな()

 

 

 

山の麓の墓所に来たりて教へを受けし人の御霊を拝ろがみにけり(葦津珍彦先生墓所拝礼)

 

 

 

初夏の日の鎌倉の町は賑はひて多くの人らが列なして行く

 

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2017年5月27日 (土)

この頃詠みし歌

やさしかりにし母を思へば悲しみはいよいよ深しもう逢へぬゆゑ

 

土佐の国で買ひたる干物をかじりつつ空腹を癒す昼下がりかな

 

英霊を祭れる宮の桜の木 新しき緑は輝かにして

 

多くの人が参り来たれる靖國の宮の庭辺の初夏の明るさ

新緑が初夏の光に照らされて清く耀(かがよ)ふ靖國の宮

 

若き夫婦が楽しげに働く酒房にて酒酌む時の我も楽しき

 

何回も繰り返し讀みても理解出来ぬカントといふ人の難しき文

 

乙女二人美味さうに天ぷらを食しをり 我は一人で酒酌みてをり

 

天ぷらを食して嬉しきこの夕べ若き板前の手際良さかな

 

時計台の鐘鳴り出づる夕つ方 銀座四丁目で信号を待つ

 

銀座線の狭き車内に揺られつつ痴漢に間違はれることを恐れる

 

激しくも燃えさかるもの我にあれば古稀を過ぎても生きゆかんかな

 

そのかみの青年同志は老いにけり白髪となりて孫の話しす

 

ビル解体の凄まじき音が聞こえ来る真昼間の部屋に苛立つ心

 

土佐の國を経巡りにつつ貫之の日記学びし昔を偲ぶ

 

帰らざる父母(ちちはは)との日々なつかしみ写し絵を見る一人居の部屋

 

この日頃わが手痛めりパソコンに文字打ちつけて過ごし来たれば

 

真輝く森の新緑遠望するわれの命もさきはへにけり

 

力強く歩み行くべし初夏の日に照らされ耀(かが)よふ新緑の如く

 

入院を拒否せし病院 救急車で運びて行けば許可する矛盾

 

金にならぬ患者は入院すべからずと病院の玄関に告知するべし

 

人の命を尊ぶ心さらに無き医師と看護師を許さうべしや

 

病院の都合で母の死の時刻が決まりたることの何と悔しき

 

友が来て花供へたまふ有難さ母の遺影も笑みて喜ぶ

 

九十六年生きたまひたるわが母の命尊しと拝ろがみまつる

 

楠公祭「老いたる母の待ちまさん」その歌詞歌ひて涙こぼるる

 

暫くは逢ふことかなはぬ友のこと思ひて今日もメールを送る

 

病ひ重しと聞きて驚くこの夕べ友へのメールも返り言なし

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2017年5月10日 (水)

この頃詠みし歌

 

あかねさす昼の光を身に浴びて街を歩けば歌声の出づ

 

光満つる街に出で来て今日もまた明るき一日(ひとひ)を過ごし行くべし

 

メールしても返事が来ないさみしさに夜は更けゆきて静かなりけり

 

メールといふ便利なものを駆使しては友との絆確かめてをり

 

たいらけき日々を祈りて仰ぐ時 大空は青く澄みて美し

 

 

土佐への旅

 

父の故郷阿波の國を通り行きわが乗る列車は土佐へと急ぐ

 

四国三郎を渡り行きつつ逝きし父のことを偲べる初夏の旅かな

 

阿波池田駅前に日章旗ひるがへる 姿清(すが)しき初夏の旅かな

 

晴れわたる青空の下 早乙女が田植する姿をめずらしみ見る

 

空は晴れ水は清らかに流れ行き五月の風に吹かれゐる幸

 

四万十川清き流れに浮かぶ舟われらを乗せてすいすいと行く

 

土佐の國晴れわたりたる空の下四万十川は静かなりけり

 

白く激しき波打ちつける岸壁に立ちて眺むる大海の原

 

黒潮が打ちつける岬の上に立ち広らなる海を見はるかしをり

 

大海原を越えて外つ國へ雄飛せしジョン万次郎の像を仰げり

 

水平線を見はるかし立ち 外つ國に雄飛せし人々のこと思ひをり

 

日本人の進取の気性黒潮の如くに滔々と世界に広がる

 

足摺岬の白き燈台を打ち仰ぎ海外雄飛の先人を偲ぶ

 

土佐の国の海の幸をば食しつつ日本人と生まれし幸を思へり

 

喜びの心を持ちて参り来し千手観世音の慈悲の尊顔(四国第三十八番札所金剛福寺)

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2017年4月30日 (日)

この頃詠みし歌

散る桜風に舞ひ来る道歩み 逝きにし母の面影浮かぶ

 

やさしかりにし母の面影目に浮かぶ桜の花の華やぎの中

 

母上の永久の安らぎを祈りたり 納骨をせし御墓辺の前

 

うから集ひ母の御霊を拝ろがみぬ春の風吹く丘の上の寺

 

わが手をば握りて離さぬわが母の手のぬくもり今に忘れず

 

幾度も動画を見ては偲びゐるわが母上の健やかな頃

 

           〇

 

水の神祀れる小さき祠ありわが日の本は水清き國(江戸川公園)

 

そのかみの都電の終点江戸川橋桜並木の華やかにして()

 

ゆったりと流れゆくなる神田川 桜の花びらもゆったりと行く()

 

雀たちが都塵の中に群れ為して生きる姿の頼もしさかな

 

北も南も暴虐と混乱が続きゐてあまりにも惨き近隣国家

 

道に残る桜の花びら愛(いと)ほしみ歩み行くなる谷中霊園

 

道路にてチャンバラ遊びや羽根つきをしたる思ひ出も幻となる

 

細き道にバイクや自動車入り来て幼な子たちの遊ぶ場所なし

 

芽吹き初めし銀杏の若葉眺めつつわが足取りも軽くなりたり

 

小銭入れに十円玉は多くしてはち切れんばかり あな面白し

 

財布には一万円札少なくて 心細くもあなあはれなり

 

生ビール飲み干しにつつ懐かしき昔を偲ぶ神田神保町

 

無くなりし神田日活の跡所何処なりやと見回してをり

 

仕事して夜は更けにけりさらさらとペンの音のみ響くわが部屋

 

熊野川清き流れに沿いて行きしバスの旅をば思ひ出しをり

 

旅行きし熊野の天地の清らかさ思ひ出しつつ今宵過ごすも

 

白髪となりにし友と酒酌みて長き縁(えにし)を思ふひと時

 

パソコンの動画にて見る歌手たちのほとんどはこの世を去り行きにけり

 

懐かしき歌声を聴くことぞ良し蘇州夜曲とマロニエの木陰

 

青空と新しき緑と日章旗 南洲像とともにさやけし(西郷南洲像清洗式)

 

凛々しくも立ちてゐませる南洲像 青空の下に仰ぎまつれり()

 

新緑のかがよふ丘を眺めつつ春の朝(あした)に窓拭きてをり

 

今日のひと日原稿を書き過ごしたる我の心は満ち足りにけり

 

思ひがけなき人の情けの身に沁みて手合はすなる春の夜かな

 

わが命燃え立たしめてこれの世を生き行くことの有難さかな

 

見慣れたる古きマンション解体の時は来にけりさみしかりけり

 

バスが行き交ふここは千駄木三丁目七十年間住み慣れし街

 

幼馴染みが作りし厚揚げ買ひにけり 明日の朝(あした)に食さんがため

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2017年4月11日 (火)

この頃詠みし歌

若かりし母と共にぞ神保町の古書店街を歩みし思ひ出

 

百歳までは生きたまふと信じゐし母がこの世を去りし悲しさ

 

日本の激動の歴史と共に生きしわが父母を偲びまつれり

 

わが父の征きませし大陸での戦ひを偲びつつ讀む宮柊二氏の歌

 

生死かけし戦ひに征きしわが父を偲ぶ心に写し絵を仰ぐ

 

夜となれば父母の位牌の前に座し經を誦しゐる静かなる時

 

父母と共に暮らせし日々のこと思ひ出しつつ涙さしぐむ

 

母を送りさみしき日々の続きゐる我に眩しき満開の桜

 

新しき仏壇を安置し父母よ安らかに眠りませと祈り捧げる

 

わが父とわが母の遺影に手を合はせ今日のひと日を終はらむとする

 

般若心経誦しまつりつつわが家の先祖の御霊に祈り捧げる

 

 

             〇

 

 

強く強く生きゆくべしと自らに言ひ聞かせをり神に祈りつつ

 

命の炎燃え立たしめて日々(にちにち)を生きてゆくべし神に祈りつつ

 

大いなる歌を讀みつつわが魂(たま)は力強くぞなりてうれしき(斎藤茂吉歌集)

 

つまらなき歌並びゐる短歌雑誌放り出した後に歌を詠むなり

 

プーチンだかウラジミールだか知らないがわが国の領土を早く返せよ

 

諏訪台の桜咲きたり窓辺より眺むれば心浮き立ちにけり

 

春四月花が開けば参り来る谷中天王寺の釈迦牟尼仏像

 

墓の上に桜咲き満つわが此の土安穏なりとの経文の如く(谷中霊園)

 

大き声で鳴くカラス頭上に飛びをれば何故鳴くのかと問ひかけにけり()

 

誰も参りに来し様子無き大き墓 古びてをればなほあはれなり()

 

鳥が鳴く東(あづま)の国の霊園の木々に止れる鳥が鳴きをり()

 

墓石を渡り走れる猫たちは霊園を棲家に生きてゐるなり()

 

櫻花満開の下で子供らが嬉々として遊ぶ春の夕暮(たぬき山公園)

 

流れゆく川面に桜の花びらが浮きて流るる帯の如くに(江戸川公園)

 

新しく建て替へられし家多く見知らぬ街に来たりし如し

 

客を置きて外に出て行き帰らざる老いし主(あるじ)を待ちつつ酒呑む

 

老いし主の焼きし焼き鳥焦げつきてをれども美味し老練の味

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2017年2月27日 (月)

この頃詠みし歌

 

母と子の姿尊し 人は皆親に育てられこの世を生きる

 

病癒え店に戻りしご主人が明るき笑顔を見せる食堂

 

部屋内に積みあげられし雑誌新聞如何にせんかと溜息をつく

 

静かなる街歩み来て風に動く暖簾を分けて酒房に入りぬ

 

幼き日ポンポン蒸気で隅田川を下り行きたる遠き思ひ出

 

寒き夜は友らと三人でうまきもの食しつつ語らへば楽しくもあるか

              ○

 

九十六歳の母が高熱を発すれば胸に手を当てて祈るほかなし

 

熱が下がりやすらひてゐる母上は我の手の平を離さうとせず

 

母上はわが手握りつつ眠りたまふ 如何に愛しきその寝顔かな

 

今日もまた坂道のぼり施設へと辿り着きたり母に会ふため

 

一日でも長くこの世に生きませとひたすらに祈る生みの子われは

 

百歳まではどうか生きませと祈るなり痩せ衰へし母の手を取り

 

医療施設介護施設の無情なる対処に憤る今宵なるかも

 

苦しめる母の頬をさすりつつ如何ともし難き我の無力さ

 

九十七歳を目前にしてわが母は衰へし体て横たはりたまふ

 

うっすらと眼を開け我を見つめつつおじいちゃんと呼びたまひたり

 

明るく気強く生きたまひたるわが母は我をのこして逝きたまひたり

 

冷たくなりし母の額に手を当てて安らかに眠れとただに祈れり

 

やさしき言葉明るき笑顔再びは聞くことも見ることも出来ぬさみしさ

 

さっきまで静かに眠りゐしわが母はついにこの世を去りたまひたり

 

父のもとへ行きて楽しく暮らしませ 九十六年生きたまひたる母よ

 

安らかに眠りたまへよ我を生み育てたまひしわが母上よ

 

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2017年2月14日 (火)

この頃詠みし歌

愛らしき 幼児(をさなご)の笑顔の 汚れなさ わが腹を叩き 喜びてゐる

 

小さき手で わが腹を叩き 喜べる 幼児の眼の 汚れなさかな

 

幼き命 これからこの世を 生きてゆく 幸多かれと ただに祈れり

 

ぼそぼそと 話しゐるなる 政治家は 自由民主党 幹事長とぞ

 

キャンキャンと 声はりあげる 女あり レンホーといふ厭はしきかな

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2017年2月10日 (金)

この頃詠みし歌

 

とことはに日の本の國を護りませとただに祈れりみささぎの御前(月輪陵)

 

月輪陵を拝ろがみまつる冬の朝 皇御國(すめらみくに)に生れし喜び()

 

清らなる御寺泉涌寺の参道を歩み行く時に心かしこまる

 

御歴代のすめらみことの神霊が鎮まりまします御寺尊し

 

すめらみことの御霊鎮まる泉涌寺今日も静かに清らけきかな

 

孝明天皇みささぎの御前に佇みて皇國彌榮を祈りまつれり(孝明天皇御陵)

 

手を合はせ拝ろがみまつるみささきに孝明天皇は鎮まりまします()

 

國難を打開せんとてひたすらに祈りたまひし大君を偲ぶ()

 

大空の澄みわたる下いにしへのすめらみことの御霊拝ろがむ()

 

登り来し山に鎮まりましませるすめらみことの御霊拝ろがむ()

 

國のため命捧げし志士達の御墓辺に立つ時のかしこさ(霊山官修墳墓)

 

討たれたる志士達の名が刻まれし御墓拝めば悲しかりけり()

 

霊山に登りて拝む志士の御霊 維新回天の大いなる歴史()

 

清々しき思ひするかも広らなる平安神宮の神域に立ち(平安神宮)

 

              〇

 

黒きコートまとひて歩く冬の街 魔法使ひか怪盗ルパンか

 

見事にも壊れし眼鏡わが足に踏みつけられし後の惨さよ

 

やがて来る春といふ季節 桜花爛漫咲き盛る景色眼に浮かび来る

 

佳き友が傍らにゐて酌み交はす酒は佳き酒酔ひも佳き酔ひ

 

目的を果たし得ずしてすごすごと家に帰り来し今日の悲しみ

 

討論の途中で一杯のコーヒーをすすればややに心やすらぐ

 

過去の日々に悔い多けれど仰ぎたる空にきらめく星は美し

 

老いて太りし猫がゆっくりと歩み行くわが町千駄木の路地裏風景

 

墓所への道花を抱へて歩めれば冬の日の午後の日影柔らか

 

幼馴染みと挨拶交はしお互ひの親の安否を尋ね合ひたり

 

一杯のコーヒーを飲み霧島昇の歌口ずさみやすらひてをり

 

つまらなき歌並びゐる短歌雑誌やまと歌の道衰へ行くか

 

何時も無口な人が突然喋り出す酒といふものを呑み出せし後

 

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2017年2月 6日 (月)

この頃詠みし歌

天津祝詞唱へて今日を恙なく生かしめたまへと神に祈れり

 

窓開けて朝風入れるすがしさよ 今日の一日(ひとひ)の始まりの時

 

大きなる樹木を仰ぎ 生命の力強さをわれも生きゆかん

 

空海のその名のごとく大らかな文字で書かれし墨跡を観る

 

閉じられし酒房の前を通り過ぎあるじ夫妻のことを思へり

 

老いといふ事を拒絶して生きゆかん そんな不埒は許されざるや

 

不慮の死といふ言葉は深く胸を打つ 懐かしき友の写真を見つつ

 

悲しみの深きしらべの歌を読み こみ上げてくる涙なりけり

 

あれもこれも読むべき本が並びゐる書棚を見つつ溜息をつく

 

眼鏡とは体の一部といはるるに置き忘れること多きこの頃

 

飼ひ主に従ひにつつ愛らしき仕草で犬はわが前を行く

 

カランカランとニコライの鐘の聞こえ来る昔と変わらぬお茶の水の駅

 

半世紀近き昔の三番町 木造校舎で『史記』を学べり(二松学舎の思ひ出)

 

赤きシャツ着て学校に行きしかば漢学の師にひどく叱らる(同)

 

『土佐日記』を講ずる萩谷朴先生その面影は今も眼裏にあり(同)

 

をのこゆゑお化粧をすることはなし 人前にさらす顔はこの顔

 

四十年前若妻たりし人は今日 孫の手をひき摺れ違ひたり

 

一人して夕空仰げば今日といふ日は暮れてゆく我は生きゆく

 

三日月がぼんやり浮かぶ空の下 歩み行きなばやすらぐ心

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2017年1月28日 (土)

この頃詠みし歌

 

旅行きし越前の國の酒を酌み真青き海を思ひ出しをり

 

暗き野に燃ゆる炎を眺めつつ生き行くことを肯ひにけり

 

蛍飛ぶ川辺に遊びし遠き日を思ひ出しをり夢みる如く

 

歩み来しをみなは疲れたる顔を向け我に礼する夕暮の道

 

神々しきすめらみことのお姿をテレビにて拝する今日の喜び(御歌会始)

 

大君は生きたまふ神なりとしみじみと思ふ御姿を拝し()

 

日本人を貶める言葉を吐く人を嫌悪しつつ真向ふ今日の會合

 

書を讀みてもの学ぶことの有難さ日々(にちにち)のわが歩みなりけり

 

常に笑顔で母の世話をする介護の人有難きかなと手を合はすなり

 

煌々と冴えかえりゐる満月はとことはの命を誇りゐる如し

 

強き光放ちて浮かぶ満月を仰げはわが命に新たなる力

 

ただただに月は美し寒空に煌々と照るをうち眺めつつ

 

自分の人生楽しげに語る若き友その幸せのとことはなれよ

 

君の笑み見ては嬉しき今宵かも尽きせぬ思ひにわが魂は燃ゆ

 

登り行きし山の上なる八幡宮 友と拝ろがみし旅思ひ出す

 

この国を守りたまへる武の神を拝みまつりし石清水の宮

 

ひび割れし指見つめつつこの冬は寒さ厳しきとしみじみと思ふ

 

亀がゐると子供らが覗く濁り川 命生きゐることの尊さ

 

通ひ路は常に新しき心持ち歩み行くべし明日はまた来る

 

かそかにも浮かびゐる昼の月を見てわが心淡淡となりにけるかも

 

寒き夜に家から出で来て煎餅買ふ団子坂下は人影まばら

 

國の基危うくなりゆくことをしもしみじみと知る今日の語らひ

 

真向へる女人の能面かそかにも生きゐる如くに見えにけるかも(能面面影)

 

 

 

 

 

すめらみことの御霊鎮まる泉涌寺今日も静かに清らけきかな(孝明天皇御陵)

 

 

月輪陵を拝ろがみまつる冬の朝 皇御国(すめらみくに)に生れし喜び()

 

 

孝明天皇みささぎの御前に佇みて皇国彌榮を祈りまつれり()

 

 

手を合はせ拝ろがみまつるみささきに孝明天皇は鎮まりまします()

 

 

 

登り来し山に鎮まりましませるすめらみことの御霊拝ろがむ()

 

 

とことはに日の本の國を護りませとただに祈れりみささぎの御前(月輪陵)

 

 

討たれたる人々の名が刻まれし墓を拝めば悲しかりけり(霊山墳墓)

 

 

皇国に命捧げし人々の御墓並べる尊きこの山()

 

 

霊山に登りて拝む志士の御霊 維新回天の大いなる歴史()

 

 

清々しき思ひするかも広らなる平安神宮の神域に立ち(平安神宮)

 

 

大空の澄みわたる下いにしへのすめらみことの御霊拝ろがむ()

 

 

 

 

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