2017年4月11日 (火)

この頃詠みし歌

若かりし母と共にぞ神保町の古書店街を歩みし思ひ出

 

百歳までは生きたまふと信じゐし母がこの世を去りし悲しさ

 

日本の激動の歴史と共に生きしわが父母を偲びまつれり

 

わが父の征きませし大陸での戦ひを偲びつつ讀む宮柊二氏の歌

 

生死かけし戦ひに征きしわが父を偲ぶ心に写し絵を仰ぐ

 

夜となれば父母の位牌の前に座し經を誦しゐる静かなる時

 

父母と共に暮らせし日々のこと思ひ出しつつ涙さしぐむ

 

母を送りさみしき日々の続きゐる我に眩しき満開の桜

 

新しき仏壇を安置し父母よ安らかに眠りませと祈り捧げる

 

わが父とわが母の遺影に手を合はせ今日のひと日を終はらむとする

 

般若心経誦しまつりつつわが家の先祖の御霊に祈り捧げる

 

 

             〇

 

 

強く強く生きゆくべしと自らに言ひ聞かせをり神に祈りつつ

 

命の炎燃え立たしめて日々(にちにち)を生きてゆくべし神に祈りつつ

 

大いなる歌を讀みつつわが魂(たま)は力強くぞなりてうれしき(斎藤茂吉歌集)

 

つまらなき歌並びゐる短歌雑誌放り出した後に歌を詠むなり

 

プーチンだかウラジミールだか知らないがわが国の領土を早く返せよ

 

諏訪台の桜咲きたり窓辺より眺むれば心浮き立ちにけり

 

春四月花が開けば参り来る谷中天王寺の釈迦牟尼仏像

 

墓の上に桜咲き満つわが此の土安穏なりとの経文の如く(谷中霊園)

 

大き声で鳴くカラス頭上に飛びをれば何故鳴くのかと問ひかけにけり()

 

誰も参りに来し様子無き大き墓 古びてをればなほあはれなり()

 

鳥が鳴く東(あづま)の国の霊園の木々に止れる鳥が鳴きをり()

 

墓石を渡り走れる猫たちは霊園を棲家に生きてゐるなり()

 

櫻花満開の下で子供らが嬉々として遊ぶ春の夕暮(たぬき山公園)

 

流れゆく川面に桜の花びらが浮きて流るる帯の如くに(江戸川公園)

 

新しく建て替へられし家多く見知らぬ街に来たりし如し

 

客を置きて外に出て行き帰らざる老いし主(あるじ)を待ちつつ酒呑む

 

老いし主の焼きし焼き鳥焦げつきてをれども美味し老練の味

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2017年2月27日 (月)

この頃詠みし歌

 

母と子の姿尊し 人は皆親に育てられこの世を生きる

 

病癒え店に戻りしご主人が明るき笑顔を見せる食堂

 

部屋内に積みあげられし雑誌新聞如何にせんかと溜息をつく

 

静かなる街歩み来て風に動く暖簾を分けて酒房に入りぬ

 

幼き日ポンポン蒸気で隅田川を下り行きたる遠き思ひ出

 

寒き夜は友らと三人でうまきもの食しつつ語らへば楽しくもあるか

              ○

 

九十六歳の母が高熱を発すれば胸に手を当てて祈るほかなし

 

熱が下がりやすらひてゐる母上は我の手の平を離さうとせず

 

母上はわが手握りつつ眠りたまふ 如何に愛しきその寝顔かな

 

今日もまた坂道のぼり施設へと辿り着きたり母に会ふため

 

一日でも長くこの世に生きませとひたすらに祈る生みの子われは

 

百歳まではどうか生きませと祈るなり痩せ衰へし母の手を取り

 

医療施設介護施設の無情なる対処に憤る今宵なるかも

 

苦しめる母の頬をさすりつつ如何ともし難き我の無力さ

 

九十七歳を目前にしてわが母は衰へし体て横たはりたまふ

 

うっすらと眼を開け我を見つめつつおじいちゃんと呼びたまひたり

 

明るく気強く生きたまひたるわが母は我をのこして逝きたまひたり

 

冷たくなりし母の額に手を当てて安らかに眠れとただに祈れり

 

やさしき言葉明るき笑顔再びは聞くことも見ることも出来ぬさみしさ

 

さっきまで静かに眠りゐしわが母はついにこの世を去りたまひたり

 

父のもとへ行きて楽しく暮らしませ 九十六年生きたまひたる母よ

 

安らかに眠りたまへよ我を生み育てたまひしわが母上よ

 

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2017年2月14日 (火)

この頃詠みし歌

愛らしき 幼児(をさなご)の笑顔の 汚れなさ わが腹を叩き 喜びてゐる

 

小さき手で わが腹を叩き 喜べる 幼児の眼の 汚れなさかな

 

幼き命 これからこの世を 生きてゆく 幸多かれと ただに祈れり

 

ぼそぼそと 話しゐるなる 政治家は 自由民主党 幹事長とぞ

 

キャンキャンと 声はりあげる 女あり レンホーといふ厭はしきかな

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2017年2月10日 (金)

この頃詠みし歌

 

とことはに日の本の國を護りませとただに祈れりみささぎの御前(月輪陵)

 

月輪陵を拝ろがみまつる冬の朝 皇御國(すめらみくに)に生れし喜び()

 

清らなる御寺泉涌寺の参道を歩み行く時に心かしこまる

 

御歴代のすめらみことの神霊が鎮まりまします御寺尊し

 

すめらみことの御霊鎮まる泉涌寺今日も静かに清らけきかな

 

孝明天皇みささぎの御前に佇みて皇國彌榮を祈りまつれり(孝明天皇御陵)

 

手を合はせ拝ろがみまつるみささきに孝明天皇は鎮まりまします()

 

國難を打開せんとてひたすらに祈りたまひし大君を偲ぶ()

 

大空の澄みわたる下いにしへのすめらみことの御霊拝ろがむ()

 

登り来し山に鎮まりましませるすめらみことの御霊拝ろがむ()

 

國のため命捧げし志士達の御墓辺に立つ時のかしこさ(霊山官修墳墓)

 

討たれたる志士達の名が刻まれし御墓拝めば悲しかりけり()

 

霊山に登りて拝む志士の御霊 維新回天の大いなる歴史()

 

清々しき思ひするかも広らなる平安神宮の神域に立ち(平安神宮)

 

              〇

 

黒きコートまとひて歩く冬の街 魔法使ひか怪盗ルパンか

 

見事にも壊れし眼鏡わが足に踏みつけられし後の惨さよ

 

やがて来る春といふ季節 桜花爛漫咲き盛る景色眼に浮かび来る

 

佳き友が傍らにゐて酌み交はす酒は佳き酒酔ひも佳き酔ひ

 

目的を果たし得ずしてすごすごと家に帰り来し今日の悲しみ

 

討論の途中で一杯のコーヒーをすすればややに心やすらぐ

 

過去の日々に悔い多けれど仰ぎたる空にきらめく星は美し

 

老いて太りし猫がゆっくりと歩み行くわが町千駄木の路地裏風景

 

墓所への道花を抱へて歩めれば冬の日の午後の日影柔らか

 

幼馴染みと挨拶交はしお互ひの親の安否を尋ね合ひたり

 

一杯のコーヒーを飲み霧島昇の歌口ずさみやすらひてをり

 

つまらなき歌並びゐる短歌雑誌やまと歌の道衰へ行くか

 

何時も無口な人が突然喋り出す酒といふものを呑み出せし後

 

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2017年2月 6日 (月)

この頃詠みし歌

天津祝詞唱へて今日を恙なく生かしめたまへと神に祈れり

 

窓開けて朝風入れるすがしさよ 今日の一日(ひとひ)の始まりの時

 

大きなる樹木を仰ぎ 生命の力強さをわれも生きゆかん

 

空海のその名のごとく大らかな文字で書かれし墨跡を観る

 

閉じられし酒房の前を通り過ぎあるじ夫妻のことを思へり

 

老いといふ事を拒絶して生きゆかん そんな不埒は許されざるや

 

不慮の死といふ言葉は深く胸を打つ 懐かしき友の写真を見つつ

 

悲しみの深きしらべの歌を読み こみ上げてくる涙なりけり

 

あれもこれも読むべき本が並びゐる書棚を見つつ溜息をつく

 

眼鏡とは体の一部といはるるに置き忘れること多きこの頃

 

飼ひ主に従ひにつつ愛らしき仕草で犬はわが前を行く

 

カランカランとニコライの鐘の聞こえ来る昔と変わらぬお茶の水の駅

 

半世紀近き昔の三番町 木造校舎で『史記』を学べり(二松学舎の思ひ出)

 

赤きシャツ着て学校に行きしかば漢学の師にひどく叱らる(同)

 

『土佐日記』を講ずる萩谷朴先生その面影は今も眼裏にあり(同)

 

をのこゆゑお化粧をすることはなし 人前にさらす顔はこの顔

 

四十年前若妻たりし人は今日 孫の手をひき摺れ違ひたり

 

一人して夕空仰げば今日といふ日は暮れてゆく我は生きゆく

 

三日月がぼんやり浮かぶ空の下 歩み行きなばやすらぐ心

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2017年1月28日 (土)

この頃詠みし歌

 

旅行きし越前の國の酒を酌み真青き海を思ひ出しをり

 

暗き野に燃ゆる炎を眺めつつ生き行くことを肯ひにけり

 

蛍飛ぶ川辺に遊びし遠き日を思ひ出しをり夢みる如く

 

歩み来しをみなは疲れたる顔を向け我に礼する夕暮の道

 

神々しきすめらみことのお姿をテレビにて拝する今日の喜び(御歌会始)

 

大君は生きたまふ神なりとしみじみと思ふ御姿を拝し()

 

日本人を貶める言葉を吐く人を嫌悪しつつ真向ふ今日の會合

 

書を讀みてもの学ぶことの有難さ日々(にちにち)のわが歩みなりけり

 

常に笑顔で母の世話をする介護の人有難きかなと手を合はすなり

 

煌々と冴えかえりゐる満月はとことはの命を誇りゐる如し

 

強き光放ちて浮かぶ満月を仰げはわが命に新たなる力

 

ただただに月は美し寒空に煌々と照るをうち眺めつつ

 

自分の人生楽しげに語る若き友その幸せのとことはなれよ

 

君の笑み見ては嬉しき今宵かも尽きせぬ思ひにわが魂は燃ゆ

 

登り行きし山の上なる八幡宮 友と拝ろがみし旅思ひ出す

 

この国を守りたまへる武の神を拝みまつりし石清水の宮

 

ひび割れし指見つめつつこの冬は寒さ厳しきとしみじみと思ふ

 

亀がゐると子供らが覗く濁り川 命生きゐることの尊さ

 

通ひ路は常に新しき心持ち歩み行くべし明日はまた来る

 

かそかにも浮かびゐる昼の月を見てわが心淡淡となりにけるかも

 

寒き夜に家から出で来て煎餅買ふ団子坂下は人影まばら

 

國の基危うくなりゆくことをしもしみじみと知る今日の語らひ

 

真向へる女人の能面かそかにも生きゐる如くに見えにけるかも(能面面影)

 

 

 

 

 

すめらみことの御霊鎮まる泉涌寺今日も静かに清らけきかな(孝明天皇御陵)

 

 

月輪陵を拝ろがみまつる冬の朝 皇御国(すめらみくに)に生れし喜び()

 

 

孝明天皇みささぎの御前に佇みて皇国彌榮を祈りまつれり()

 

 

手を合はせ拝ろがみまつるみささきに孝明天皇は鎮まりまします()

 

 

 

登り来し山に鎮まりましませるすめらみことの御霊拝ろがむ()

 

 

とことはに日の本の國を護りませとただに祈れりみささぎの御前(月輪陵)

 

 

討たれたる人々の名が刻まれし墓を拝めば悲しかりけり(霊山墳墓)

 

 

皇国に命捧げし人々の御墓並べる尊きこの山()

 

 

霊山に登りて拝む志士の御霊 維新回天の大いなる歴史()

 

 

清々しき思ひするかも広らなる平安神宮の神域に立ち(平安神宮)

 

 

大空の澄みわたる下いにしへのすめらみことの御霊拝ろがむ()

 

 

 

 

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