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2020年6月 3日 (水)

この頃詠みし歌

酔ひし友より電話かかり来ぬ静かなる夜に霹靂の如く

 

あと三十年は生きねばならぬと思ひつつひと日ひと日を大切にする

 

父母(ちちはは)は一体何処(いづこ)におはします逢ひたけれども逢へぬ悲しさ

 

父にも母にも会ひ得ざる悲しみは深くわが心に刻まれてゆく

 

味の素を使ふ人はほとんどいなくなり化学調味料といふ言葉もなし

 

吉井勇の祇園を歌ひし歌読みて過ぎにし旅を思ひ出しをり

 

今日よりは平常営業と居酒屋の主人は嬉しげに言ふ初夏の夕暮れ

 

容保公の悲劇の生涯を偲びつつ會津中将といふ酒を酌む

 

朝敵と断じられたる悔しさを万斛の思ひと言ふべかりけり

 

孝明帝の下したまへる感状を抱きつつ生涯を終へし松平容保

 

生涯に一度はあるべしあの世への道歩み行く旅に立つこと

 

我はまだ若き命をみなぎらせ今日のひと日を健やかに生きん

 

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