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2019年5月14日 (火)

日本はロシアとの戦争も辞さない姿勢を示すべきである。

北方四島ビザなし交流の訪問団の一員として国後島を訪問した日本維新の会の丸山穂高衆院議員は五月十一日夜、滞在先の国後島古釜布(ふるかまっぷ)で元島民の男性に対し、北方領土問題について「戦争をしないとどうしようもなくないか」「(戦争をしないと)取り返せない」などと発言した。ところがメデイァなどから批判が起こると、十三日夜、自らの発言について「政治家という立場でありながら、不適切な発言だった。元島民に配慮を欠いた」と非を認め、「心から謝罪し、撤回させていただく」と表明した。おそらく党の意向に従わざるを得なかったのであろう。

 日本とソ連(ロシア)の間には昭和二十年(1946年)4月まで有効期間がある「日ソ中立条約」があった、しかしソ連は、同条約を踏みにじって昭和二十年8月8日深夜に日本に宣戦布告して、9日未明から満州・樺太・千島列島へ軍事侵略したのである。

 日本政府は8月14日深夜、「4国共同宣言」=「ポッダム宣言」を受諾する旨の米、英、ソ、支の4国政府宛ての電報を、米国政府宛で打ち(米政府から英、ソ、支の政府に伝えられた)、翌15日正午に、昭和天皇陛下が玉音放送で、4国共同宣言を受諾することを述べて、停戦に合意したのであった。米軍は15日早朝から停戦していた。日本のポッダム宣言受諾によって、8月15日に、実質的に終戦となったのである。

 しかしソ連は、領土獲得のために対日侵略を止めなかった。ソ連が南樺太に軍事侵攻したのは8月16日以後である。千島列島の軍事侵攻は8月18日以降であり、千島列島最南端の得撫島への侵攻は8月31日であった。非千島列島の択捉島侵攻は8月28日、国後島侵攻は9月1日である。北海道の一部である色丹島と歯舞郡島への侵攻も9月1日であった。

スターリンはトルーマン米国大統領に北海道の北半分(留萌と釧路を結ぶ線以北)をもソ連に占領させるよう要求したが(1945年8月16日)、トルーマン大統領に拒絶された(8月18日)。

 ソ連軍(ロシア軍)は満州で、約150万人の日本人の財産を全て奪い、多くの婦女子をレイプし、約20万人を殺害した。シベリアに約105万人の日本軍将兵と男子を強制連行した。 40万人以上を強制労働で殺害した(中川八洋筑波大学名誉教授『脱原発のウソと犯罪』 277頁、283頁参照。2012年2月刊)。

南樺太でも日本人婦女子をレイプし、殺害した。

 プーチン・ロシア政府は日本の北方領土について、「第2次大戦の結果、ロシア領になった。日本は第二次世界大戦の結果を否定してはならない」と言い続けている。だが日本の「北方領土」(4島だけでなく、千島列島も南樺太も)は、前記のとおり4国共同宣言受諾で実質的に終戦になった8月15日以降に、ソ連に国際法に違反して軍事侵略され占領されたのであり、現在もロシアが違法に占領しているのである。

 戦後の国際社会の国際法の原則のひとつは「領土不拡大」である。ルーズベルト、チャーチル、蒋介石の「カイロ宣言」(1943年11月27日)は、「自国のために何等の利得をも欲求するものに非ず。また領土拡張の何等の念をも有するものに非ず」とする。トルーマン、チャーチル、蒋介石の「ポッダム宣言」(1945年7月26日)も第八項で「カイロ宣言の条項は履行せらるべく」としている。つまり「領土不拡大」である。そしてソ連も8月8日日本に宣戦すると同時に「ポッダム宣言」に参加したのである。「ポッダム宣言」は、「4国共同宣言」となった。

 つまり、ソ連=ロシアの「北方領土」の占領そして今日繰り返されるプーチン・ロシアの「第2次大戦の結果だ」との主張は、「ポッダム宣言」の領土不拡大に違反するものなのである。に日本軍将兵ら105万人のシベリア拉致・強制労働も、同宣言第九項、十項違反である。

 米、英、支、ソなどの連合国側は昭和二十年(1945年)6月26日にサンフランシスコにおいて、「国連憲章」に署名した。ソ連=ロシアの日本の北方領土への武力行使(軍事侵略)は、国連憲章第2条の4項違反である。

 ソ連=ロシアは国家の本質が侵略国家なのだ。だから、プーチンロシアが日本の北方領土を返還することはあり得ない。そればかりかロシアは、北は南樺太、東は択捉島・国後島、西は沿海州で北海道を包囲して、北海道を軍事侵略占領することを狙っている。北海道を占領すれば、そこを出撃基地にして東日本の支配を狙う。ロシアと同盟関係の中共もそれに呼応して西側から日本を侵略占領することを狙う。

 だから日本は、侵略国家ロシアとの「平和条約」などを締結する必要は全くない。ロシアの日本侵略を糾弾し、満州における殺りくとレイプ、シベリアへの拉致と強制労働と殺害の謝罪を要求し、北方領土(南樺太全千島)の即時返還を要求し、対露防衛力強化に邁進していかなくてはならないのである。つまりロシアとの戦争も辞さない姿勢を示すべきなのである。

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