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2019年5月19日 (日)

昨年十一月十七日に開催された『アジア問題懇話会』における阿部純一霞山会常任理事・研究主幹の「中国『一帯一路』の軍事的側面を考える」と題する講演内容

昨年十一月十七日に開催された『アジア問題懇話会』における阿部純一霞山会常任理事・研究主幹の「中国『一帯一路』の軍事的側面を考える」と題する講演内容は次の通り。

「一体一路というのは曲者。時間と共に変化している。今は南米まで加わっている。氷山のシルクロードと言って北極航路の利用まで打ち出している。一帯一路は党規約に書き込まれた習近平の国家戦略。中国の野心はどんどん広がっている。その根本を決めるのは中国のエネルギー戦略。

やがて中国共産党結党から百年、中華人民共和国建国から百年を迎える。二〇一九年以降、中国経済の成長は鈍化している。鉄鋼やセメントの過剰がリーマンショックの影響で起こってしまった。過剰生産、外貨の過剰準備。二つの過剰を金儲けの手段に切り替えた。スリランカの港湾建設に大きな金を高利で貸し付けた。インドネシアの高速道路、ラオスの鉄道建設でも貸し付ける。中国側に有利な仕組みで中国の国有企業が儲かる。中国の影響力強化を図る。

一九九二年より、エネルギー・石油輸入国になった。国内経済の活発化で国内石油では足りなくなった。中国国内で消費されているエネルギーは石炭。大気汚染が深刻化。天然ガスに切り替えると習近平が命令したが、うまく進まなかった。民生用の石油利用はどんどん増えていく。中国の入ってくる石油供給源は中東アフリカ。日本の石油ルートとあまり変わらない。中国にとって脅威はマラッカ海峡封鎖。シンガポールの港にアメリカ海軍が定期的に寄港。マラッカ海峡封鎖の脅威を回避するためにパイプラインを作る。石油の中心とするエネルギー安全保障が中国の最大関心事。連結性強化を図る。

習近平は終身国家主席になった。二〇三五年、習近平は八二歳から八三歳。アメリカに追いつける意欲を見せている。そのために一帯一路は重要。海軍力を拡大しアメリカ海軍を西太平洋から駆逐する。二〇一三年の習近平の初訪米で、太平洋は広いから東西二分論を主張。ハワイから西を中国の影響下に置きたい。中央アジアで中国とロシアの覇権争いが起こる。リムランド(地政学の用語のひとつ。ニコラス・スパイクマンによる造語であり、北西ヨーロッパから中東、インドシナ半島までの東南アジア、中国大陸、ユーラシア大陸東部に至るユーラシアの沿岸地帯を指す)は中国にとって手ごわい地帯。インド日本という中国の言うことを聞かない国がある。ソマリア海賊退治は中国にとって天の助け。インド洋では中国の軍事拠点はジブジだけ。

南シナ海は中国のベースでどんどん軍事化が進んでいる。戦闘機は長持ちする。中国製の戦闘機は輸出できない。耐久性に劣る。アメリカに対抗できる力を中国は持っていない。実績を積む前に虎の尾を踏んだ。私はアジアにおける発火点としては北朝鮮より台湾の方がより大きくなりつつあると懸念している。中国は、『アメリカ艦船が高雄に寄港したらその時、台湾海峡で戦火が上がる』と脅している。台湾海峡での軍事バランスは極めて危うい。しかし中国の台湾上陸は難しい。アメリカは対応を取る。一九四九年以来のアメリカとオーストラリアとの同盟関係は強固。オーストラリアはアメリカのやる戰爭には必ず協力。中国は米豪関係を分断できない。パプアニューギニアはオーストラリアの影響下。中国軍は組織的作戦で戰爭に勝てる軍ではない。中国軍は腐敗している。経験の無い連中が軍の上にいる」。

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