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2019年5月 1日 (水)

公益社団法人・日本弘道会主催「弘道シンポジウム2018ー日本の皇室を考える-天皇陛下の御退位を目前にして」における登壇者の発言

十月二十三日に開催された公益社団法人・日本弘道会主催「弘道シンポジウム2018ー日本の皇室を考える-天皇陛下の御退位を目前にして」における登壇者の発言は次の通り。
所功京都産業大学名誉教授「日本の皇室は天照大神を皇祖と仰ぐ。天皇皇室は国民大多数から敬われてきた。天照大御神は皇祖神であり、歴代天皇の御尊称はスメラミコト、スメミマノミコトである。神々を祭り、人心を清らかにし統一するミコトであらせられる。皇族が消滅する恐れがある。『皇室典範』の総合的見直しに努めるべし。日本皇室が続いて来たのは、血統が極めて重要。そのためにも君徳の涵養が大事。この会場に来ている人は、日本に皇室が末永く続くことを祈ることで共通している。今上陛下の御心と歴代天皇の御心とは違うかどうか。一昨年のお言葉は今上天皇個人の思い込みで仰ったとは思わない。原則原理には例外はある。譲位も例外。原則は重要だが状況が変化したら変えることによって本質が守られる。養子・猶子で正統性をつないだ。側室を認めることは不可能。旧皇族の御子孫を養子・猶子にする可能性を探るべし。男系か女系かの議論に疑問を持つ。平成二十二年の参与会議で譲位のご意向を示され、政府に伝わっていた。しかし民主党政権だったので十分な対応が出来なかった。もっと早く真剣に対応すべきだった。天皇制の存続を願ってのご放送であった。譲位という言葉を政府が使わないのは頑なな考え。譲位と言うべし」。
古川隆久氏日本大学教授「日本国憲法制定までの状況を見ると、戦争への反省があった。国民主権という国の在り方や象徴天皇という考え方は、日本の軍部官僚が神格化された天皇の権威を乱用して失敗を隠蔽し、その結果戰爭で甚大な被害を出してしまった事実を踏まえ、占領軍に先立って日本側から提起されたものだった。天皇のテレビメッセージはぎりぎり合法。天皇のご訪問によって被災地の救済が進むのであれば、国民主権と議会制民主主義が空洞化してしまう。天皇がリードしたり牽引するのは、現行憲法考え方に照らすと適切ではない。天皇の問題提起を受ける形で、国民の間で開かれた自由な論議が半年以上にわたって行われた。この事は国民主権下における象徴天皇制の定着が進んできたことを示しており、大変喜ばしい。女性天皇・女系天皇について自由な議論で、議会制民主主義で決めるべし。天皇制と議会制民主主義が共存する。皇族以外も含めて猶子を考えるべし」。

八木 秀次氏麗澤大学教授「現行『皇室典範』には退位の規定はない。政府国会は終身在位制を維持しつつ特例法を制定した。一代限りの退位という特例を作った。特例制定は先例となったので、皇位は不安定になったと言わざるを得ない。天皇の自由意志によって退位できる。即位も否定できる。国家の道徳的中心は天皇にある。天皇を戴くことが日本国を道徳的にする。日本には老舗が多い。日本人は努力勤勉を尊ぶ。男系継承で来たので安定している。天皇に徳を求めすぎると争いになる。天皇が政治に関わらないのは重要。象徴という言葉の出典は英国のウォルター・バジョットの『イギリス憲政論』を参照した。バジョットの本の中に『君主は党派を超越、統合の象徴』とある。バジョットの本こそ福澤諭吉の『帝室論』の種本。福澤は『我帝室は政治社外にあるものなり』と言った。男系継承は確立した原理。一度も例外はない。天皇の正統性の直結。柔軟に考えてはいけない。最早十年もこうした議論をしている。政治の決断が必要」。


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