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2019年1月 9日 (水)

萬邦無比の日本國體

「國體」と言ふ語は、『出雲國國造神賀詞』に「高天(たかま)の神王髙御魂(かむみおやたかみふすび)の命の、皇御孫(すめみま)の命に天の下大八島國を事避(ことよ)さしまつりし時に、出雲の臣らが遠つ神天のほひの命を、國體(くにがた)見に遣はしし時に、天の八重雲をおし分けて、天翔り國翔りて、天の下を見廻りて返事(かへりごと)申したまはく…」と記されてゐるのが、最も古いとされる。

 

「国柄」といふ言葉は、『萬葉集』巻二に「玉もよしさぬきの國は、國がらか、みれどもあかぬ…」とあるのが最も古いかもしれない。

 

日本は、天皇=現御神を祭祀主とする神国であるといふのが我が国の國體精神である。

 

村岡典嗣氏は、「日本の國家を形成せる國土(即ち大八洲)と元首(天照大神)と、而してまた國民(諸神)とが、同じ祖神からの神的また血的起源であるといふことである。」(『日本思想史研究・四』)

 

さらに村岡典嗣氏は、「(日本国家の神的起源思想の特色として・注)國家成立の要素たる國土、主權者及び人民に對する血族的起源の思想が存する。即ち皇祖神たる天照大神や青人草の祖たる八百萬神はもとより、大八洲の國土そのものまでも、同じ諾冉二神(伊弉諾尊・伊弉冉尊)から生れ出たはらからであるとの考へである」(同書)

 

国家成立の三要素は「領土、国民、主権」とされる。しかし、わが国の場合、「國土・國民・君主(統治者)」である。この三要素が伊耶那岐命・伊耶那美命の「国生み」によって生まれた「はらから」とされる。国土も君主(天照大神)も国民も諾冉二神の「むすび」によって生まれた関係にあるのである。

 

つまりわが国は肇国以来、国土・君主・国民は神において一体の関係であり、決して対立関係にあるのではないのである。これを「萬邦無比の日本國體」と言ふ。

 

世界各地の神話は、人類最初の男女神は、人間を生んでいる。ところが日本神話では、國を生んでゐる。これが日本神話の特質である。

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