« 千駄木庵日乗十二月一日 | トップページ | 千駄木庵日乗十二月二日 »

2018年12月 2日 (日)

天皇を祭祀主・君主と仰ぐ日本國體について


 

三島由紀夫氏は、祭祀國家と政治機構としての國家について次のように論じている。

「ネーションというものは祭祀國家というものが本源的にあって、これは管理機能あるいは統治機能と全然関係がないものだ。ここにネーションというものの根拠を求めなければ、私は将来守ることはできないのだという考えを持っている。……ラショナル(四宮注・合理的)な機能を統治國家が代表して、イラショナル(非合理的)なイロジカル(非論理的)な機能はこの祭祀國家が代表している。ぼくの考えるよき國家というのは、この二つのイロジカルな國家とロジカル(論理的)な國家が表裏一體になることがぼくの考えるいい國家なんです。…天皇でなければだめなんです。どうしても祭祀國家の大神官がいなくちゃならんですね。」(『尚武の心』所収・村上一郎氏との対談「尚武の心と憤怒の抒情」)

 

「統治國家は遠心力とすれば祭祀國家は求心力であり、前者を空間的國家とすれば、後者は時間的國家であり、私の理想とする國家はこのやうな二元性の調和、緊張のはらんだ生ける均衡にほかならない」「祭祀的國家はふだんは目に見えない。ここでは象徴的行爲としての祭祀が、國家の永遠の時間的連續性を保障し、歴史・傳統・文化などが繼承され、反理性的なもの、情感的情緒的にものの源泉が保持され、文化はここにのみ根を見いだし、眞のエロティシズムはここにのみ存在する。このエートス(四宮注・民族社會に共通な精神)の國家の首長が天皇である。」(「『變革の思想』とはー道理の實現」)

 

日本國の素晴らしさは、古代に生成した天皇を祭祀主と仰ぐ祭祀國家が今日に至るまで解體したり断絶したりすることなく今日まで連綿として続いていることである。わが國は神話の時代のままに、高天原から天降られた天照大御神の「生みの御子」の使命を現身の形でそのまま受け継がれる天皇を現實に日本國の元首・君主と仰いでいることである。こういう貴い國は世界の何処を探しても見当たらない。

 

そしてその信仰共同體・祭祀國家は、単に理念的な存在もっと言えば架空にして抽象的な存在ではなく、山紫水明麗しい大自然に恵まれ稲作を中心とする農耕そして漁業などを営み、村落共同體から民族共同體へと生成発展してきたのである。

 

日本神話は天皇中心の日本國體を、「豊葦原千百秋之瑞穂國は、天照大御神生みの御子すなわち日本天皇の統治される國」と表現したのである。

 

天皇を祭祀主と仰ぐ祭祀國家・信仰共同體國家であってこそ、國家への忠誠心も持つことが出来るし、國民としての道義精神と真の遵法精神を持つことができるのである。

 

ゆえに、神代以来連綿として続いてきた天皇國日本というわが國體の尊厳性を守るというのがわが国に於ける最高の遵法精神なのである。日本國立國の基礎であり成文法の基盤である天皇および天皇中心の國體の尊厳性をお護りする精神が最も大切である。

 

憲法をはじめとした成文法及び國家機関の正統性は、天皇を中心とする日本國體の上に立脚しているところにある。天皇の正統性は成文憲法に立脚するのではない。

 

また「現行占領憲法」において、天皇は「政治的権能を有しない」と規定されている。天皇陛下は「権力者」ではあらせられないということである。であるならば、天皇陛下に対し奉り、「権力の制限規範」とされる「成文憲法」が掣肘する事があってはならないのである。

 

天皇に対する尊崇の心・國體を護持しようという精神を國民が喪失すると、日本は日本でなくなり、日本國民は日本國民でなくなり、國は解體し、精神的に荒廃して行く。今日の日本はまさにそういう状況になってきつつある。日本の道義の頽廃は國民の尊皇精神が希薄になっているところにその原因がある。

 

わが國においては、國家への忠誠心と天皇尊崇の心は一體である。道義の回復も國防體制の確立も政治の安定も経済の再建も、天皇尊崇の精神が正しく回復されなければ不可能である。

 

悠久の太古から自然に生成されてきた天皇を中心とする麗しい信仰共同体である祖國日本が破壊され隠蔽され、人工的・人為的な利益國家・契約國家・権力國家にわが國が成り果ててしまうことは何としても阻止しなければならない。そのためには、天皇を祭祀主・君主と仰ぐ日本國體を隠蔽する一切の事象を祓い清めねばならないのである。

|

« 千駄木庵日乗十二月一日 | トップページ | 千駄木庵日乗十二月二日 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121949/67440356

この記事へのトラックバック一覧です: 天皇を祭祀主・君主と仰ぐ日本國體について:

« 千駄木庵日乗十二月一日 | トップページ | 千駄木庵日乗十二月二日 »