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2018年12月 5日 (水)

『新聞通信調査会シンポジウム・人口急減社会で何が起きるのか―メディア報道のあり方を考える』における登壇者の発言

六月二十八日に開催された『新聞通信調査会シンポジウム・人口急減社会で何が起きるのか―メディア報道のあり方を考える』における登壇者の発言は次の通り。

 

河合雅司産経新聞論説委員(基調講演)「今我々の生きている時代は、劇的に変わってゆく。これまで経験したことがないことが起こる。しかし、メディアも政治もこの問題にきわめて愚鈍。自分の身近にところに変化がないので何とかなると思っている。十年後はかなり変わっていても、日々の変化が小さい故に、みんなが対応できない。危機感を共有できない。この先何が起こるのか。二〇一七年の出生数は過去最低。死亡数は過去最高。婚姻件数は戦後最少。四十万人の人がこの國から減っている。この数は岐阜市の人口。産業は成り立たなくなってゆく。これから好転することはない。出生数が減る事がこの國の一番の危機。少子化とは次の世代の子供を生める女の人が減っていること。この下り坂のツケを我々はこれから払ってゆく。出産期にある女性(二十五歳から三十九歳)は二〇四〇年には今の四分の三。二〇六五年には半減してしまう。多産社会に戻るのは難しい。少子化は百年くらいは続く。子供が減っていくことを前提にしてこの國を豊かにして行くことを考えるべし。出生率は上がっていると政府は言うが、人口は減っている。今後出生数の大幅回復は望み薄。このまま何もしないで行くと百年間で出生する子供の数は三十万になる。百年後には今の人口の半分になる。二〇四〇年まで高齢者が増え若い人は減る。人口減少は地域によって異なる。女性高齢者が増える。男女とも八〇歳以上が増える。女性の半数は九〇歳まで生きる。一人暮らしが増加。貧しい高齢者が増える。非正規雇用で結婚できなかった人が増え、年金がもらえない人、子供がいない人が増える。前期高齢者と後期高齢者が逆転する。八四歳以上が人口の一四%になる。二〇四二年が人口のピークを迎える。団塊の世代がお元気で、団塊ジュニア世代も七十代で高齢者になる。親と同居の未婚者は三十一万人。五十万人が全面的に親に依存。年金保険料も支払って来なかった老後をどうやって生きて行くのかの問題が出て来るのが二〇四二年。働き手不足対策の政府の四本柱は①外国人労働者の受け入れ。②AI・ロボットの実用化。③高齢者の社会参加。④女性の活躍推進。重要だが『切り札』とはならず」。

 

上林千恵子法政大学社会学部教授「外国人労働者は一貫して増えている。外国人労働者とは近隣諸国の人と日系が殆ど。もっと賃金が高い所に行きたい、もっと長く日本に滞在したいなどの理由で失踪する。入国管理法違反」。

 

岩本晃一経済産業研究所上席研究員「ケアワークを含めると労働時間は長い。高卒男性管理職が大卒の女性管理職より多い。旧態依然とした結婚観が少子化を促進。男性の家事・育児参加は重要。第二子が生まれる割合が高くなる。女性の離職理由は育児が三割。『雇用の未来』の問題は、人口減少・少子高齢化問題とよく似ている。日本の急速な人口減少・少子高齢化はかなりの高い精度で予測されていた。資金的に余裕のあるうちから手を打つべきだと良識派は主張。だがそうした声はかき消され、目の前に危機が来るまで、日本人は手を打たずにここまで来た。『雇用の未来』は、数多くの調査分析により、将来の姿はある程度予想され、必要な対策もほぼ明らかになった。今度こそ現実の危機に直面する前に、今から真剣に取り組まないと、日本という国はますます沈没すだろう」。

 

諏訪雄三共同通信社編集委員兼論説委員「人口の減少によって消防などの住民サービスが困難になる。道路や橋、上下水道、公共施設といった社会資本が老朽化。鉄道・バスといった地域の足が成り立たなくなっている。公共サービスをどう維持するのか。年金を貰っている人を巻き込んでいくかを考えるべし。行政サービスに住民とNPOを巻き込んでいく。東京二十三区に団塊の世代が百万から二百万住んでいる。そういう人をどう面倒を見るかが問題。あと二百万人介護士を増やさないといけない。優生保護法の堕胎OKで人口が急激に減った。団塊の世代の子供が子を産めない。第二のベビーブームが来なかった。バブルの崩壊で人口問題が発生」。

 

水無田気流(詩人・社会学者「九十年代以降、先進国の女性の雇用安定が子供を増やす。年収が増えれば子を産む。婚姻率が高くなる。相乗効果。首都機能移転とか分散によって、南海トラフ巨大地震や首都直下地震を視野に入れた被害を受けにくい国づくりの一環で進めるべし」。

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