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2018年12月11日 (火)

この頃詠みし歌

黄色に染まりし銀杏の街路樹を眺めつつまたこの一年の過ぎゆくを惜しむ

 

人ら多く支払ひを待つ病院に我も一人で座りゐるなり

 

病む人が数多きことに驚きぬ大病院の待合室に座し

 

老人と病人が多くゐるこの國に我もその一人と思ひつつゐる

 

下り行く無縁坂は静かにて銀杏の枯葉が舞ひ落つるかも

 

岩崎邸の高き塀に沿ひ歩み行く師走の午後に舞ひ落ちる落ち葉

 

受診終へて下り来たれる無縁坂に落ち葉は繁く舞ひ落ちるかも

 

人間の体は必ず弱り行くこの必然をかみしめてゐる

 

急ぎ足は心臓に悪し日々(にちにち)の歩みは常にゆったりとする

 

ゆっくりと歩くことにつとめなば心も何となくゆったりとする

 

自転車に乗りし知り人が声をかける師走の町は忙しなきかな

 

古き友が病と闘ふといふ文章を讀みてわが胸も痛むなりけり(鈴木邦男兄)

 

あれほどの喧嘩の強き人なりしに七十代にして老いと戦ふ()

 

杖をつきて歩むと聞きぬそんなことがあり得ることかと切なかりけり()

 

すっかりと老いにけるかなと思ひつつ友の姿をテレビにて見る()

 

一仕事終へて安らげる時にしも懐かしき友をテレビにて見る()

 

主義者は嫌ひと言ふ人こそは主義者ならずやと思ふ時あり

 

大日本男児としてこの國に生()れし我は日本酒をこそ呑みて喜ぶ

 

美味きもの食して佳き酒呑むことがこの世に生まれし甲斐にこそある

 

幾十年通ひ来たれる居酒屋の煮込みは美味し今日も食せり

 

一回り上の人からの葉書を讀みすこやかにをはすことの嬉しさ

 

来年もまた新たなる魂を奮ひ立たせて生きゆかんかな

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