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2018年10月12日 (金)

小堀邦夫氏の発言について

小堀邦夫氏は、神社神道の教学に相当造詣が深い人であろう。また神職としても位の高い人であろう。そういう人が「陛下が一生懸命、慰霊の旅をすればするほど靖国神社は遠ざかっていくんだよ。そう思わん? どこを慰霊の旅で訪れようが、そこには御霊はないだろう? 遺骨はあっても。違う? そういうことを真剣に議論し、結論をもち、発表をすることが重要やと言ってるの。はっきり言えば、今上陛下は靖国神社を潰そうとしてるんだよ。わかるか?」と言われたことに大きな驚きを覚えた。

 

「靖国神社は遠ざかって行く」と言うのは一体どういう意味か。天皇陛下が靖国神社から遠ざかって行かれるという意味なのか。「今上陛下は靖国神社を潰そうとしてるんだよ」という発言はもっと重大だ。神職にはこういう考え方を持っている人は多いのであろうか。

 

靖国神社で最も重要な祭事は、春秋に執り行われる例大祭である。この日には、勅使が参向になり、天皇陛下よりの幣物が献じられ、御祭文が奏上されると承る。

 

「今上陛下が靖國神社か遠ざかっていく、今上陛下は靖国神社を潰そうとしている」などということは全くあり得ないことである。

 

「どこを慰霊の旅で訪れようが、そこには御霊はないだろう? 遺骨はあっても」という発言も理解に苦しむ。戦跡には、遺骨があっても無くても、やはり御霊がおられると私は信じる。パラオなどに慰霊に行った同志が神秘的体験をして御霊がおられるということを実感したという話を何回も聴いた。遺骨は祖国に帰っている場合も多い。しかし、戦跡にはとどまっている英霊はおられるのではないであろうか。そして慰霊に行った人々に「よく来てくれました」とお礼を言って下さるのではないだろうか。

 

それは我々日常生活でお墓参りをするのと同じである。先祖の御霊は、各家の仏壇などに安置されている位牌に鎮まって居られても、菩提寺・霊園などの墓所にも鎮まっておられるのと同じであろう。これは理屈ではなく、まさに心の問題である。小堀氏は、墓所には御霊はいないと考えているのであろうか。それが神社神道の教学なのであろうか。

 

両陛下が各地に赴き、慰霊をされ、御霊に拝礼される御姿を見て、「今上陛下が靖國神社か遠ざかっていく、今上陛下は靖国神社を潰そうとしている」などと考えるのは私にとって全く理解の外である。

両陛下が慰霊されるお姿を拝した人々の中には、自分たちも戦没者を慰霊するために、現地には行けないまでも、靖国神社や地元の護国神社に参拝するようになった人々も多いのではなかろうか。

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