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2018年10月22日 (月)

六月十一日に開催された「平成の大演説会」における冨澤暉第二三代陸上幕僚長、偕行社理事長の講演内容

六月十一日に開催された「平成の大演説会」における冨澤暉第二三代陸上幕僚長、偕行社理事長の講演内容は次の通り。

 

「國の形について国民のコンセンサスがない。公務員は憲法を擁護し批判してはならないとされ、自衛隊の職務をしていて何かというと憲法が引っ掛かった。国家主権は国民の権利を守るためにある。一国平和主義は国際的に通らない。自衛隊という言葉は世界に通用しない。

 

米国ではSelf-defenseとは自分(個人)をまもることで、Self-defense-forceとは『護身隊』『正当防衛隊』と聞こえるらしい、昭和三十年代、ある自衛隊幹部が留学先の米・軍学校で、クラスメートたちに「私たちは陸軍(army)ではなく陸上自衛隊(ground-self-defense-force)であると説明したら、爆笑が起きたという事例がある。その人ははじめその嗤いがなぜ起きたのか分からなかったそうだが、それが侮蔑の嗤いだったと知り、帰国後自衛隊を辞職した。

 

一番欲しいのは国民からの認知。シラー(ドイツの詩人、歴史学者)は『大いなる青春は忍耐する事にある』と言った。安倍首相は『自衛隊が違憲では自衛隊員が可哀想』と言った。統幕議長は『有難い』と言った。しかし自衛軍はまずい。外国から嗤われる。誤解されない言葉が良い。国防軍か防衛隊という名稱が可。selfだけは不可。今の憲法に『自衛隊』という言葉がないのは救い。自衛隊法を防衛隊法にした方がまだいい。

 

『自衛隊は違憲だ』という話は、一九九四年の自衛隊観閲式における村山首相訓示で終わっている。村山総理は『今の自衛隊は憲法違反ではない』と言った。その時の、陸上幕僚長は私。村山さんは食堂で『今日言ったことを一番喜んだのは社会党の仲間たちなんだ』と言った。

 

改憲が成立しても憲法学者たちが黙るとは言えない。憲法違反でないものを何故憲法に書かねばならないのか。また国民投票で国民に拒否されたらどうしようもなくなる。私ども自衛隊OBは憲法学者の批判に慣れており、それよりも、外国軍人たちに嗤われることだけは避けたい。

 

九条第一項は国連憲章戦争放棄条約と同じものなので変更の必要なし。交戦権という言葉は無用。世界の何処にもない。武力行使は①自衛権発動(領域警備を含む)にあたってのもののみならず②集団安全保障(PKO、多国籍軍、有志連合軍を含む)における武力行使だけは認めるようにする必要がある。日本国憲法、日米安保条約、国連憲章は英米法で出来ている。それゆえ英米法らしく成文は変更せず、判例・事例により憲法解釈で逐次変更していくべきである。自衛隊法は防衛隊法にすればいい。

 

新しい國軍は外国から世界の常識で一緒にやっていけると思われる事か重要。国際法からものを考えねばならない。国際法、条約などに基づき国際情勢に適合する部隊運用ができるようにしてほしい。現に日本は北朝鮮に対して集団安全保障措置を取っており、『国連郡地位協定』による基地提供は明らかに軍事的措置である」。

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