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2018年8月 6日 (月)

亀山上皇御製を拝し奉りて

 

亀山天皇御製

 

「春(弘安御百首)

よもの海 浪をさまりて 長閑(のどか)なる 我が日の本に 春は來にけり

 

世のためも 風をさまれと 思ふかな 花のみやこの 春のあけぼの」

 

「石清水の社に御幸ありし時よませ給うける

石清水 たえぬながれは 身にうけて 吾が世の末を 神にまかせむ」

 

「神祇の心を詠ませ給うける

今もなほ 久しく守れ ちはやぶる 神の瑞垣(みづがき) 世々をかさねて」

 

「神祇

ゆくすゑも さぞなさかえむ 誓あれば 神の國なる 我が國ぞかし」

 

 

第九十代亀山天皇は、第八十八代・後嵯峨天皇の第七皇子、御名は恒仁。正元元年十一月二十六日(一二六〇年一月九日)御即位。文永十一年一月二六日(一二七四年三月六日)に皇子・後宇多天皇に譲位し、院政を始められた。『続拾遺集』の選進を命じられるなど和歌・漢詩文の興隆に御心を尽くされた。嘉元三年(一三〇五)に御年五十七歳で崩御された。

 

鎌倉時代には、二回の元寇・蒙古襲来が起こった。第一回の「文永の役」に際して、後深草上皇は、文永八年十月二五日に石清水八幡宮へ行幸されて異國調伏(ちょうぶく・内外の悪を打破すること。特に怨敵・魔物を降伏すること)を祈願された。十一月六日に蒙古軍撤退の知らせがもたらされると、八日に、亀山上皇は石清水八幡宮へ御自ら行幸され徹夜して勝利と國土安穏の感謝の祈りを捧げられた。翌九日には賀茂・北野両社へも行幸された。

 

二度目の「弘安の役」においても、朝廷から全國の二十二社への奉幣と異國調伏の祈祷の命令が発せられ、後深草上皇、亀山上皇の御所において公卿殿上人、北面武士による「般若心経」三十萬巻の転讀などの祈祷が行はれた。亀山上皇はさらに、弘安四年六月石清水八幡宮に参籠され、六月四日には、「不断最勝王経」等を修して敵國調伏を祈祷され、七月一日には「仁王経」等を転讀され、七月四日には「一切経」を転讀され、敵國降伏を祈願あそばされた。

 

さらに、亀山上皇は、弘安四年六月、異國降伏御祈願のために勅使を伊勢大神宮に発遣せられ、宸筆の御願文を奉られた。

 

『増鏡』巻十二「老のなみ」には次のやうに記されてゐる。「伊勢の勅使に経任大納言まいる。新院も八幡へ御幸なりて、西大寺の長老召されて、眞讀(注・しんどく。経典を省略しないで全部讀むこと)の大般若供養せらる。大神宮へ御願に、『我御代にしもかゝる亂出で來て、まことにこの日本のそこなはるべくは、御命を召すべき』よし、御手づから書かせ給ひける…七月一日(注・閏)おびたゞしき大風吹きて、異國の船六萬艘、つは物のりて筑紫へよりたる、みな吹破()られぬれば、或は水に沈み、をのづから殘れるも、泣く泣く本國へ歸にけり。…さて為氏の大納言、伊勢の勅使にてのぼる道より申をくりける。

 

勅として祈しるしの神かぜによせくる浪はかつくだけつつ 

 

かくて静まりぬれば、京にも東(あづま)にも、御心どもおちゐて、めでたさかぎりなし」

 

当時の日本國民は、亀山上皇の命懸けの御祈願を神仏が嘉され蒙古軍が玄界灘の底の藻屑と消えたと信じた。

 

元寇に際して、日本天皇の御命懸けの御祈祷を拝し奉り、日本國は「現御神日本天皇を君主と仰ぎ天地の神々が護り給ふ神の國」であるといふ「神國思想」が勃興し、まさに挙國一致で戦ひ、蒙古軍を二度にわたって撃退した。元寇は、まさに有史以来未曽有の國難であった。そしてその大國難を打開したのは、上御一人日本天皇の深い祈りと、日本國民の尊皇精神・神國思想であった。

 

國民唱歌『元寇』

「四百余州(しひゃくよしゅう)を挙(こぞ)る/十萬余騎の敵 /國難ここに見る /弘安四年夏の頃」「天は怒りて海は /逆巻く大浪に /國に仇をなす /十余萬の蒙古勢は /底の藻屑と消えて /残るは唯三人(ただみたり) /いつしか雲はれて /玄界灘 月清し」

 

内憂外患交々来たるといった状況の今こそ、日本國民はこの唱歌の心意気を発揮しなければならない。

 亀山上皇の御徳をお慕ひして、福岡市の東公園には、亀山上皇の御尊像が建てられてゐる。また福岡の筥崎宮には、亀山上皇御宸筆と云はれる勅額「敵國降伏)の御文字が掲げられてゐる。

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