« 千駄木庵日乗八月十九日 | トップページ | 水本達也時事通信外信部編集委員の「米朝会談の行方」と題する講演の内容 »

2018年8月19日 (日)

田久保忠衛氏による「急展開する北東アジア情勢」と題する講演の内容

四月二十八日午後二時より、内幸町の日本プレスセンターにて開催された『アジア問題懇話会』における杏林大学名誉教授・田久保忠衛氏による「急展開する北東アジア情勢」と題する講演の内容は次の通り。

 

「三月から四月にかけて相次いで色々な事件が起った。ワシントン・ソウル・ピョンヤン・北京の何処に観測地を置いているかによって見方が異なる。非核化は北朝鮮がこれまで言って来たこと。新しいものは何もない。テレビその他のパフォーマンスは安っぽい劇を見せられている。妹にカメラが当たっただけで、金正恩は非情な殺人鬼というイメージが薄れている。どんどん北朝鮮のトリックに巻き込まれる。その背後に中国がいる。

 

ロシア・中国が最近の二つの決議に参加したのはトランプ外交の成果。アメリカの極東における軍事的プレゼンス大きくなっている。国家安全保障問題担当大統領補佐官にジョン・ボルトンがなった。共和党のタカ派中のタカ派。『救う會』の西岡力に六回会っている。『まかしてくれ』と言って胸をたたいた。拉致問題を世界的人権問題としてとり上げようと言う人。マイク・ポンペオ国務長官はボルトンと同じタカ派。アメリカの雰囲気も変わった。トランプ・ボルトン・ポンぺオの三人のトリオで金正恩は大きなプレッシャーを受けた。

 

中国はもう一回北朝鮮と関係を緊密化する。中朝は、本当は仲が悪い。金正恩にくっついて当事者になりすまし、仲介者だとする巧妙な策略。仲介者の役割に入り込んでしまった。中国は金正恩を意のままに動かして四者会談に入り込んだ。

 

昨日(四月二十七日)の南北首脳会談は大きなニュースではなかった。ニクソン訪中以来の対中外交は、中国の民主化を期待している。ニクソンはブレジネフを締め上げるために徹底的に毛沢東を利用した。その後はそうではなくなっている。二〇〇五年以降、危険な兆候。中国は完全な膨張主義になった。アメリカの親中研究者が少なくなっている。アメリカは中国に何ら期待を持っていない。対中警戒論に収斂しつつある。軍事的展開が強くなった。

 

オバマは軸足を中東からアジアに移したが、何もやらなかった。私は、アジアでトランプがやっていることはなかなかなものと思っている。中国は対米軍事的デモンストレーションを行った。米中貿易戦争は深刻になりそう。この二月に『台湾旅行法』がアメリカ合衆国連邦議会を通過し、三月一六日にアメリカ合衆国大統領の署名を受け成立した。アメリカ合衆国および台湾の高級官僚の相互の訪問を促進する法律である。中国伸張の真っただ中でこの法律ができたことは意義がある。

 

米朝会談は事実上、米中の駆け引きになる。最近トランプは在韓米軍はアメリカのふたんになっていると言い出した。今の国際情勢は大きく変化。この際、拉致被害者を救わないとチャンスはなくなる。金正恩は殺人鬼。文在寅は二人の大統領を監獄に入れた」。

この後、活発な討論か行われた。元自衛隊高官は、「北朝鮮の非核化だけで良いのか。中国はどうする。中国も参加させて北東アジアで『INF条約』(中距離核戦力全廃条約)を作れないのか。北朝鮮の核がテロリストに渡ったらどうするのか。日米同盟しかオプション無し。トランプに頑張ってもらって、その間に日本がどんどん強国になる」。

 

|

« 千駄木庵日乗八月十九日 | トップページ | 水本達也時事通信外信部編集委員の「米朝会談の行方」と題する講演の内容 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121949/67075527

この記事へのトラックバック一覧です: 田久保忠衛氏による「急展開する北東アジア情勢」と題する講演の内容:

« 千駄木庵日乗八月十九日 | トップページ | 水本達也時事通信外信部編集委員の「米朝会談の行方」と題する講演の内容 »