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2018年5月18日 (金)

この頃詠みし歌

 

御先祖と父母の御霊に拝礼する朝の勤めを今日も終へたり

 

萎れんとする生け花に水注ぐ春の朝(あした)の静かなる時

 

ベランダに自生せし草に水注ぐ枯れること無きを祈る心で

 

大観の富嶽の絵をば仰ぎ見て大いなる力我に迫り来

 

父母が老と病と闘いし日々思ひ出すことの悲しさ

 

魂は永遠なりと信ずれど父母がこの世にゐまさぬはさみし

 

衣冠束帯の天照大神のお姿をはじめて見たり等伯の絵で(能登の旅)

 

不立文字禅宗の寺の御住職の楽しき話を喜びて聞く()

 

戦乱の世に建てられし寺々は砦の役目も果たせしと言ふ()

 

山道を登り行きなば古き寺に静かにおはす御仏の像()

 

忘れ得ぬ顔となりたり余命いくばくも無き老僧の法話聞きつつ()

 

古き寺の老いたる僧は訥々と佛の道を語りたまへり()

 

かしましき女性の声が聞こえ来ぬ山寺に一人佇みをれば()

 

能登の海白波立てて寄せ来るを一人眺むる旅の果たてに()

 

夕焼けを眺めてをれば遠くより吾を呼ぶ声を幻に聴く

 

初夏の陽の光優しく満ち満つる林の中を歩み行く幸

 

初夏の空晴れわたりたる上野山 巨木の新しき緑耀よふ

 

若葉する上野の山を歩み行き我の命も力湧き来る

 

上野山歩み行きなば鐘の声いにしへの如く聞こえ来るなり

 

若き命あまた斃れしみいくさのことを思へば胸迫るなり

 

ボールペンを握りつつ文を校正する時にわが存念を確かめてゐる

 

真面目なる友の面影浮かび来てもその生きざまを我は羨(とも)しむ

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