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2018年5月13日 (日)

「創刊記念『國華』130周年・特別展『名作誕生-つながる日本美術』展参観記

本日参観した「創刊記念『國華』130周年・特別展『名作誕生-つながる日本美術」は、「日本美術史上に輝く『名作』たちは、さまざまなドラマをもって生まれ、受け継がれ、次の名作の誕生へとつながってきました。本展では、作品同士の影響関係や共通する美意識に着目し、地域や時代を超えたさまざまな名作誕生のドラマを、国宝・重要文化財含む約130件を通してご紹介します」(案内書)との趣旨で開催された。

 

「国宝 薬師如来立像 奈良~平安時代89世紀奈良元興寺」「重要文化財 仙人掌群鶏図襖(部分) 伊藤若冲筆 江戸時代・18世紀 大阪・西福寺蔵」「国宝 普賢菩薩騎象像[ふげんぼさつきぞうぞう]平安時代・12世紀 東京・大倉集古館蔵」「雪梅雄鶏図[せつばいゆうけいず]伊藤若冲筆 江戸時代・18世紀 京都・両足院蔵」「国宝 八橋蒔絵螺鈿硯箱[やつはしまきえらでんすずりばこ]尾形光琳作 江戸時代・18世紀  東京国立博物館蔵」「重要文化財 初音蒔絵火取母[はつねまきえひとりも]室町時代・15世紀 神奈川・東慶寺蔵」「国宝 松林図屛風[しょうりんずびょうぶ]長谷川等伯筆 安土桃山時代・16世紀 東京国立博物館蔵」重要文化財 蓮池水禽[れんちすいきんず]於子明筆 中国・南宋時代・13世紀京都・知恩院蔵」「重要文化財 湯女図[ゆなず]江戸時代・17世紀 静岡・MOA美術館蔵」「くだんうしがふち 葛飾北斎筆 江戸時代・19 世紀 東京国立博物館蔵」「重要文化財 色絵竜田川透彫反鉢 尾形乾山 江戸時代・18世紀4神奈川・岡田美術館蔵」「道路と土手と塀 岸田劉生筆 大正四年 東京国立博物館蔵」などを参観。

 

仏像は、鑑真和尚が来日した時に連れて来た仏師が造り出したという。その後、日本人の仏師によって木造の仏像が多く造られるようになったという。観世音菩薩像、普賢菩薩像、薬師如来像が多い。今日展示連れていた国宝の「薬師如来像」は後姿が堂々としていて良かった。寺院など安置されている仏像は礼拝の対象であるから、後姿や横顔はなかなか拝することができにくいが、美術館に展示されている時はどの角度からも拝することができる。何故か平安時代の仏像は普賢菩薩・薬師如来が多かった。普賢菩薩と共に描かれている「十羅刹女」は鎌倉時代の作品になると十二単を着た女性になっていた。仏教画が日本に定着し融合したということか。尾形乾山の「色絵竜田川透彫反鉢」は現代の作品かと思われるくらいに新鮮であり色彩が美しかった。葛飾北斎筆の「くだんうしがふち」は、江戸時代の九段坂と牛が淵とが描かれている。今日の九段坂とは全く異なる風景である。小生が二松学舎に通っていた約十年間上り下りし、今日も靖國神社にお参りする時に上り下りする坂なので格別親しみを感じた。伊藤若冲筆の「仙人掌群鶏図襖」は鶏の表情が実に面白い。紅の色彩が印象的であった。模写した作品も言わば模倣であろうが、美の継承ということでもある。「美の継承」という意味では、岸田劉生筆「道路と土手と塀」は、葛飾北斎筆「くだんうしがふち」の美を継承した作品である。そしてそこには新しき美が生まれている。近代以前の日本の彫刻美、絵画美は、やはり仏像と仏画と切っても切れない関係がある。藝術は洋の東西にかかわらず宗教と不離一体の関係にあったという事であろう。また藝術は継承と創造の世界であるをあらためて認識した展覧会であった。多くの外国人が参観に来ていて賛嘆の声をあげていた。日本の美術はやはり素晴らしい。

 

 

 

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