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2018年4月18日 (水)

『憲法懇話会』における慶野義雄平成国際大学名誉教授による「帝国憲法軍事安全保障関係条項」と題する報告内容

昨年十二月十六日に開催された『憲法懇話会』における慶野義雄平成国際大学名誉教授による「帝国憲法軍事安全保障関係条項」と題する報告内容は次の通り。

「憲法に軍を保有すると書くなら良いが、一項・二項を残して自衛隊保有を書くのはおかしい。『帝国憲法』は軍の保有は当然のこととして構成されている。

 

『帝国憲法』には、『第10条天皇ハ行政各部ノ官制及文武官ノ俸給ヲ定メ及文武官ヲ任免ス但シ此ノ憲法又ハ他ノ法律ニ特例ヲ掲ケタルモノハ各々其ノ条項ニ依ル。第11条天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス。第12条天皇ハ陸海軍ノ編制及常備兵額ヲ定ム。第13条天皇ハ戦ヲ宣シ和ヲ講シ及諸般ノ条約ヲ締結ス。第14条天皇ハ戒厳ヲ宣告ス。第19条日本臣民ハ法律命令ノ定ムル所ノ資格ニ応シ均ク文武官ニ任セラレ及其ノ他ノ公務ニ就クコトヲ得。第20条日本臣民ハ法律ノ定ムル所ニ従ヒ兵役ノ義務ヲ有ス』と書かれている。

 

『帝国憲法』には何故『軍を保有する』と書いていないのか。『帝国憲法』制定時には、軍はすでにあったから敢て憲法に書く必要はなかった。国家があって憲法が作られるのであり憲法が先にあって国家が作られたことは歴史上一度もない。自衛隊を憲法に規定すると、自衛隊を軍に改組するときは再度憲法改正の手続きをしなければならない。再改正は現実的には不可能に近い。一項、二項削除なら法律制定のみで軍に転換できる。自衛隊を明記するなら自衛隊が戦力であり、交戦権を持つことを明示しなければならない。

 

対外的には自衛隊は軍であり戦力。国内的には實力。これはダブルスタンダード。戦後日本は国家の存在の有を否定した奇妙な日国家団体・アナーキズム社会であった。政府・軍の行動を制約することを第一義とするなら非武装・軍を持たなければ良いだけ。軍を持つ以上、少ない軍事費でいかに最大限の国防効果をあげるかが最重要。

 

国防軍ではなく自衛隊を書き加えるのは、今の自衛隊を固定化することになる。現状追認になる。今と変わらないのなら殊更自衛隊を憲法に書く必要なし。戦力とは軍。自衛隊は軍としなければならない。しかし第二項を残すと軍にはならない。一項・二項に違反するという状況が続く。一項・二項単純削除なら軍が再建される。文民統制は必要。軍の保有は、憲法の条文ではなく国家の存在理由に由来する。軍を憲法で規定するから合法合憲というのではなく、主権国家があるからそこに軍があるという発想に転換すべし」。

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