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2018年3月 7日 (水)

昨年十一月七日に開催された『笹川日中友好基金主催 講演会 日中有識者対話・北朝鮮の核危機と北東アジア情勢の行方』における登壇者の発言

昨年十一月七日に開催された『笹川日中友好基金主催 講演会 日中有識者対話・北朝鮮の核危機と北東アジア情勢の行方』における登壇者の発言は次の通り。

 

沈志華氏(華東師範大学歴史学部教授、冷戦国際史研究センター主任、周辺国家研究院院長)「今年三月、大連で講演した時に私は『北朝鮮は中国の潜在的敵』と言った。すると売国奴と批判された。多くの中国人は中朝関係をよく分かっていない。中朝同盟は常に友好を謳っていたが内情は常に変化していた。中国の改革開放以来二十年間で中朝関係は大きな変化が起こった。毛沢東時代は特殊な時代。二〇〇〇年に金正日が江沢民に会った時、金正日は『東北(注・満州)に視察に来た』と言った。『訪問』と言うべきだった。金正日はウチのお父さん(注・金日成)は、毛沢東はかつて何回も『東北は朝鮮のもの』だと言っていたと語った。周恩来は『中国人の祖先があなたたちの祖先をいじめたことを謝る』と言った。毛沢東は、『北朝鮮は最前線にあり、東北は後方にある。一緒に管理しましょう』と言った。金日成は東北で訓練を受けた。特別な関係だった。毛沢東・周恩来死去の後、中国の指導者の考え方が変化。市場経済はすでに社会主義ではなくなった。イデオロギーでも中朝は一致性が無くなった冷戦の終了、東南アジアあるいは世界の構造変化、特に改革開放後の中国の基本的な利益の背離によって、中朝同盟の基盤はすでに事実上崩壊している。中国は安定した周辺環境を必要としており、世界も中国の安定を必要としている」。

 

平岩俊司氏(南山大学総合政策学部教授)「北朝鮮は、以前は中ソ論争・矛盾を利用して国益を確保。今日は米中の対立を巧みに利用して外交空間を確保しようとしている。中韓国交正常化が今の核問題の原点。北朝鮮は中国に裏切られたと思った。自分が核の脅威にさらされるというのが核保有正当化の理由。中韓国交正常化で、北朝鮮は中国の核の傘の下に入っていないという不安を持った」。

 

周永生氏(外交学院国際関係研究所教授)「中国は北朝鮮を完全に信頼していないわけではない。核兵器を中国に向けているとは考えないが、中国に向けているという意見もある。中国は日中関係の改善を望んでいるが、安倍首相は中国批判を続けている」。

 

牛軍氏(北京大学国際関係学院教授)「アジア太平洋地域には長い対立がある。一九七九年の中米国交樹立が対抗から協力への転換。八〇年代から今日まで安全秩序が保障されてきた。四〇年間の安定が続いて来た。朝鮮統一で七千万の人口を持ち核兵器を持つ国が出来る問題がある。核拡散の問題は我々一人一人の生活に関わる問題。この地域の人々全員に対する脅威。技術的故障で核物質が漏れ出した時どうするのか」。

 

李丹慧氏(華東師範大学冷戦国際史研究センター研究員)「中露は七千六百キロの国境を持っている。六十年代初め中ソのイデオロギー闘争が国境闘争にまで広がった。六四年の中ソ国境交渉が決裂。ソ連は核による威嚇を行った。一九六九年の珍宝島事件、文革での反ソの高まりで、一触即発の状態になった。東北アジアにおいて北朝鮮と最も密接な関係を持つ国はロシア。北朝鮮はロシアよりもロシアに傾いている。またロシアは北朝鮮を利用して朝鮮半島と東北アジアでの影響力を強めている。東北アジアから核の暗雲を晴らし、朝鮮半島の安定と平和を実現するためには、大国間の協調が必要。中露が米日韓に対峙して北朝鮮に漁夫の利を得させてはならない」。

 

小泉悠氏(公益財団法人未来工学研究所特別研究員)「ロシア軍はバイカル湖の東に八万人配備されている。人民解放軍が攻めて来ても、ロシア軍は見つからないのではないかという冗談を言う人がいる。NATOの脅威を書く人はいるが、東側で直面している中国の脅威について何も書いていない。この事を明確に言うとデメリットがあるから言わない方が良いという考え」。

 

周志興氏(米中新視角基金会長)「北朝鮮の核汚染の問題がジレンマ。解決できない。中国のメディア・世論は制限をかけられている。インターネットは管理されている。メディアは殆ど政府の立場を代弁している。北朝鮮の指導者を批判してはならないということ。批判すると北朝鮮から抗議が来る。官製メディアはトーンダウンして報道。しかし控えめに批判していいということ。今は反対だがアメリカが武力行使したら中国は変る」。

 

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