« 千駄木庵日乗一月三十一日 | トップページ | 千駄木庵日乗二月一日 »

2018年2月 1日 (木)

『特別展 仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―』参観記

本日参観した『特別展 仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―』は、「御室桜で知られる仁和寺は、光孝(こうこう)天皇が仁和2(886)に建立を発願し、次代の宇多天皇が仁和4(888)に完成させた真言密教の寺院です。歴代天皇の厚い帰依を受けたことから、すぐれた絵画、書跡、彫刻、工芸品が伝わります。創建時の本尊である阿弥陀如来像(国宝)は、当時もっともすぐれた工房の作品です。また、高倉天皇宸翰消息(国宝)は皇室との深いかかわりを物語るものです。本展覧会では、仁和寺の寺宝のほか、仁和寺を総本山とする御室派寺院が所蔵する名宝の数々を一堂に紹介します」(案内書)との趣旨で開催された。

 

「国宝 阿弥陀如来坐像 平安時代・仁和4年(888)」「宇多法皇像 江戸時代・慶長十九年(一六一四)」「秘仏本尊国宝 薬師如来坐像 円勢・長円作 平安時代・康和五年(一一〇三)」「国宝高倉天皇宸翰消息 平安時代・治承二年(一一七八)「国宝 三十帖冊子(さんじゅうじょうさっし)空海ほか筆 平安時代・九世紀」「国宝 孔雀明王像 支那 北宋時代・十~十一世紀」「重要文化財 金銅火焰宝珠形舎利塔(こんどうかえんほうじゅがたしゃりとう)鎌倉時代・十三世紀」「重要文化財 僧形八幡神影向図(そうぎょうはちまんしんようごうず)鎌倉時代・十三世紀」「秘仏本尊国宝 十一面観音菩薩立像 平安時代・八~九世紀 大阪・道明寺蔵」「秘仏本尊 重要文化財 如意輪観音菩薩坐像 平安時代・十世紀 兵庫・神呪寺蔵」「後嵯峨天皇宸翰消息 鎌倉時代寛元四年(一二四六)」「後宇多天皇宸翰消息 鎌倉時代 徳治二年(一三〇七)」「「後醍醐天皇宸翰消息 鎌倉時代 元徳元年(一三二九)」「伏見天皇宸翰唯識三十頌 鎌倉時代 十四世紀」「後光厳天皇宸翰消息 南北朝時代 応安三年(一三七〇)」「後陽成天皇宸翰一行書 安土桃山時代~江戸時代」「桜町天皇宸翰般若心経 江戸時代 寛保三年(一七四三)」「光格天皇宸翰和歌懐紙 江戸時代 文政六年(一八に三)」「彦火々出見尊絵 狩野種泰筆 江戸時代 十七世紀」などを拝観。

 

仁和寺の仏像をはじめ全国の御室派(おむろは)寺院の普段は公開されてゐない数多くの「秘仏」、そして、歴代天皇の宸翰、弘法大師空海の書などを拝観することが出来た。仏像はやはり観世音菩薩像が多かった。これほど多くの宸翰を拝観し、且つ国宝・重要文化財の仏像を一度に拝観したのは初めてのことで大変有難かった。

 

「宇多法皇像」は、右手に倶利伽羅龍剣(くりからりゅうけん・不動明王を象徴する持物)を持たれている。れは法皇が真言密教の行者であられることを表わしている

 

仁和寺は光孝天皇の発願で建立され、光孝天皇の第七皇子・宇多天皇により完成された真言密教の寺院である。天皇の住まわれる室は御室と呼ばれ、やがて仁和寺の別称となった。「国宝 阿弥陀如来坐像」という創建当時の仏像が今も伝わっている。その後、皇族が門跡(皇族の住職)を務めるなど、皇室と深い関わりがある寺院である。そのため、天皇・皇族の御直筆の書が数多くのこされている。

 

「桜町天皇宸翰般若心経」の末尾には「大日本國天子昭仁敬書」と記されている。桜町天皇は江戸時代中期(徳川吉宗が将軍であった頃)の天皇であらせられ、大日本国の上御一人・天子としての御自覚を強く持ってられた天皇であらせられる。御幼少の頃から厩戸皇子(聖徳太子)の再誕と讃えられるほどの英明な天皇であらせられた。朝廷の儀式再興に力を尽くされ、大嘗祭を復活された。

 

仁和寺は、応仁の乱(1467-1477年)で伽藍は全焼したが本尊の阿弥陀三尊は持ち出され、焼失を免れた。寛永年間、仁和寺第二十一世覚深法親王(後陽成天皇の第一皇子)の申し入れにより、德川幕府三代将軍・徳川家光によって伽藍が整備された。そして、寛永年間の御所建て替えに伴い御所の紫宸殿、清涼殿、常御殿などが仁和寺に下賜され、境内に移築された。このように、仁和寺は、朝廷の尊崇が極めて篤かった。

             ○

『やまと新聞』に、桃園天皇御製について書かせていただきました。

 

 

 

 

|

« 千駄木庵日乗一月三十一日 | トップページ | 千駄木庵日乗二月一日 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121949/66344044

この記事へのトラックバック一覧です: 『特別展 仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―』参観記:

« 千駄木庵日乗一月三十一日 | トップページ | 千駄木庵日乗二月一日 »