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2018年2月 3日 (土)

『笹川平和財団主催セミナー・独裁主義体制の挑戦:中国、ロシアとリベラルな国際秩序への脅威』におけるアーロン・フリードバーグ氏(プリンストン大学ウッドロー・ウィルソン・スクール教授)の講演内容

昨年十一月一日に開催された『笹川平和財団主催セミナー・独裁主義体制の挑戦:中国、ロシアとリベラルな国際秩序への脅威』におけるアーロン・フリードバーグ氏(プリンストン大学ウッドロー・ウィルソン・スクール教授)の講演内容は次の通り。

 

「リベラルな国際秩序は、とりわけ個人の自由が大事。個人の権利は神聖である。アメリカの『独立宣言』はこれを端的に表現している。理想的な国際秩序はリベラルな民主国家から形成される。二十世紀になってアメリカのビジョンが台頭。リベラルな国際秩序作りをした。概ね西側と言われる自由な国家、軍事、経済の枠組みが出来た。ロシア・中国は条件を満たしていなかった。自由民主主義体制ではなかった。これによって今の危機に至っている。

 

ロシア・中国の国内は自由化していない。中国は自由化など全く考えていない。政治的コントロールの縛りを強くした。ロシアは改革の第一歩から駄目であった。中国とロシアは重要な部分が似ている。独裁体制であり、自由な選挙もない。市民の自由を保護することはない。両国とも勢力圏を確立しようと思っている。ロシア・中国共にグローバルな野心がある。アメリカと同等であると主張し始めている。ロシアは西側同盟を分断しようとしている。

 

『中国は経済発展すれば自由化する』と思われていたが、そうはならなかった。中国は豊かになったが、以前よりも抑圧的になっている。中國ロシア共に今の道を続けることが出来ると思っている。それが我々にとって大変な挑戦になっている。新しい技術ができることが政治の自由化につながらないということである。希望的観測を持ってはいけない。中国が主導してグローバルな秩序が作られるという事は少なくとも近い将来にはない。

 

中国の経済成長がこのまま続くと考えるのは間違い。先進国の経済力を合算した国力は中国の国力に勝っている。地域で中国がどういう行動をとるかを注視すべし。アメリカの役割は非常に大事。ユーラシア大陸に『一帯一路』という大規模投資をしている。これがうまくいくが疑問があるが、深い野望がある。日米がその中に入ってコントロールできると考えるのは誤り。日米は代りのプロジェクトを推進し、透明性を確保し、効率を高めるべし。我々のプロジェクトを進めるべし。

 

優れたバランスオブパワーを維持するために日米同盟は重要。日本が防衛力を高めているのは前進。他の民主国家・インド・オーストラリアを含めて多国間の防衛協力を強化すべし。アメリカがイラクと戦争したのはワーストであった。戦争しない方が良かった。アメリカのビジョンを弱めた」。

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