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2018年1月27日 (土)

デニス・C・ブレア氏(元米国太平洋軍司令官 米国第3代国家情報長官)による講演内容

昨年十月三十日に開催された笹川平和財団主催「第3回サイバーセキュリティ月例セミナー」におけるデニス・C・ブレア氏(元米国太平洋軍司令官 米国第3代国家情報長官)による講演内容は次の通り。

 

「日本のセキュリティは脅威に見合う軍事的対応の立法化が進んでいない。情報共有についての連携が義務化されていない。多くの官庁企業の協力が必要。インフラ防護の調整と協力は企業の利害が一致していればうまくいく。官僚間のライバル意識が阻んでいる。

 

犯罪グループや北朝鮮が攻撃を仕掛けてくる。日本はサイバーセキュリティの専門家が不足している。アメリカよりも深刻。経産省・総務省・防衛省は訓練プログラムを持っている。担当職員を増している。世界第三位の経済大国日本においてはサイバーセキュリティ企業と利用者企業の適正な比率はない。強い部署を自社の中で持っているべし。

 

官民協力・法律と規制を作ることで國民をサイバー犯罪から守る。官は民の声を聞くべきだが、民間に決めさせてはならない。ⅠOT(注・Internet of Thingsの略で、『モノのインターネット』と訳される。パソコンやスマホなどの情報通信機器に限らず、すべての『モノ』がインターネットにつながることで、生活やビジネスが根底から変わるという)が最近の事例。インターネットに多くの製品をつないでいる。ハッカーによる攻撃の面積が拡大している。日本とドイツはIOTスタンダードを設定しようとしている。

 

日本における官民協力は発展途上。秘密主義的文化が日本は強いので官民協力が阻害されている。スキルを持った人材が不足。サイバー犯罪抑止の結果が出ていない。サイバー攻撃の数は増えている。検挙数は横ばい。日本においてはサイバー犯罪がしやすくなっている。ハッカーは脅威を感じていない。警察庁の持つ権限、セキュリティ組織の持つ権限が限られている。FBIは裁判所の許可があればコントローラーをハッキングすることが出来る。日本は権限を法執行機関に与えるべし。国民のプライバシーの権利を保護するためにもそれは必要。IGCT(国際刑事機構のサイバー捜査部門)の初代局長に日本の警察庁の官僚がなった。

 

サイバー保険は日本では大きなトピックにはなっていない。日本はこの数年サイバーセキュリティの能力は高まっている。技術者と経営幹部のコミュニケーションが大切。サイバー技術専門家と経営者の共通言語を作らねばならない。

 

日本のレガシーは質の高いモノづくりの長けた品物を売ること。知的財産の保護・インターネットのコントロールは、通常の外交とは異なる。どこの国の外交官も迷っている。アメリカの優位性はFBIや州警察で体験した人が企業の専門家になること。日本は才能の民間と官の回転ドアが無いので信頼関係が無い。態勢が整っていない。中小企業をサイバーセキュリティにどう巻き込むことが出来るかが問題。ハッカー侵入を防ぐシステムが大切。いずれにしても人材が不足している。何万人という専門家を集めねばならない。脅威の情報を収集すべし。

 

ハッキングは少人数で出来る。それほど経験も要らない。だから北朝鮮を過小評価してはいけない。北朝鮮・中国・ロシア在住の人に攻撃的存在がある。もっとも良いサイバー防衛は、ハッカーの立場に立って考えること。そして自分の防衛に組み込むこと。それが実効性が高い」。

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