« 八月四日に開催された『第109回東京財団フォーラム トランプはどこまで変えられるのか-アメリカ大統領権限に見る可能性と限界』における登壇者の発言 | トップページ | 千駄木庵日乗十二月二日 »

2017年12月 2日 (土)

『笹川平和財団主催・イランイスラム共和国外務省事務次官来日記念講演会「中東情勢とイランの新たな役割」』におけるセイエッド・アッバス・アラグチ外務省事務次官(法務・国際問題担当)による講演内容

八月八日に開催された『笹川平和財団主催・イランイスラム共和国外務省事務次官来日記念講演会「中東情勢とイランの新たな役割」』におけるセイエッド・アッバス・アラグチ外務省事務次官(法務・国際問題担当)による講演内容は次の通り。

 

「二〇一一年に日本に来て、四年間滞在した。多くの友人を得た。日本風の名前のアラグチです。中東は三つの大陸が接する所。三つの宗教が生まれた所。多くの始源が眠っている地。過去四十年間戰爭とテロが続いた。革命もあった。アラブの春は冬に変ってしまった。アラブは世界全体に影響を与えている。深刻な課題に直面。国内紛争が存在する。民主的でない政権がある一方、人々に政治的意識が高まっている。経済的課題・貧困・格差問題がある。外国の介入もある。

 

テロリズムは古くて新しい問題。パレスチナ問題も継続している。イランとトルコが勢力を増している。ハマスとヒズボラは正義のために戦っている。市民社会が新しい主体として形成されつつある。中東は深遠なる変化を経験し、進化している。正しい方向に向かっているかどうかは分からない。混乱と不確定性を伴う移行期である。

 

その中東の大国としてイランは抬頭しつつある。大統領選挙が行われ、現職のロウハーニー氏が再選された。この選挙では有権者の七三%が投票した。民主主義が力の源泉。イランの国民が力の源泉。イランは安全保障を自分で生み出している。民主主義体制を自ら作り出した。

 

イランは地域のテロと戦っている。現在のテロの形は世界の全ての人にとって脅威。何の罪もない人を殺している。グローバルにテロが行われている。我々はテロに対して戦わねばならない。

 

イラン経済は良い方向に向かっている。石油の輸出も増えた。インフレ率は一ケタに戻った。アメリカは建設的雰囲気を壊しつつある。イランの核問題に関する包括的共同作業計画(JCPOAJoint Comprehensive Plan of Action)全体としては力強い状況にある。ヨーロッパの国々はアメリカの新しい政策がどうあれイランと関係を持ち続けると言っている。イランは国際社会で大きな位置を占めている。

 

JCPOAで学んだことは、あきらめることがソリューション(解決)ではないということ。わが国のミサイルは防衛のためのみに使われる。われわれの安保はフセインのような誤算をしないためにミサイルに依存している。八年間のサダムフセインとの戦争のようなことを繰り返さないようにするために核を持っている。正当な防衛システム。地域の安定に確実に貢献している。

 

シーアとスンニの対立は危険。イランはシーア派のムスリム国として理解を求めていきたい。スンニ派の国とも連携している。宗派による対立に反対している。サウジとも対話を持っている。

 

テロリズムとは対決する以外にない。これが国際社会全体の結論。イランはパレスチナを正義のために支持している。イスラエルはパレスチナを抑圧し、領土を占領している。パレスチナ人は難民キャンプに生活している。イスラエルの国家によるテロを我々は批判する。われわれはパレスチナ人の正当な権利を支持する。軍事的抑圧に抵抗することは必要。しかし軍事的にイスラエル人を海に突き落とそうというのではない。政治的解決が必要。

 

イランと日本の関係は良好であり続けた。第三国が関わった時に問題が起こる。日本がアメリカと同盟関係にあることは理解する。安倍さんのイラン訪問を実現したい。日本の経済界はゆっくりしている。リスクのない経済関係は無い。ビジネスチャンスが無くなってしまう。ヨーロッパはアメリカと関係なくイランと関わりたい。日本も同じ結論を出してもらいたい。日本とサウジの関係に異論をはさまない。サウジの繁栄は我々の繁栄。

 

人権を守らない民主主義は民主主義ではない。報道の自由・言論の自由はイランの憲法に明確に書かれている。イスラム共和国では人権をどう見るかは他国とは違うところがある。同性愛者の権利は認めない。同性愛は人間のすることではない。宗教・文化・価値の違いは尊重し合うべきだ」。

|

« 八月四日に開催された『第109回東京財団フォーラム トランプはどこまで変えられるのか-アメリカ大統領権限に見る可能性と限界』における登壇者の発言 | トップページ | 千駄木庵日乗十二月二日 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121949/66110738

この記事へのトラックバック一覧です: 『笹川平和財団主催・イランイスラム共和国外務省事務次官来日記念講演会「中東情勢とイランの新たな役割」』におけるセイエッド・アッバス・アラグチ外務省事務次官(法務・国際問題担当)による講演内容:

« 八月四日に開催された『第109回東京財団フォーラム トランプはどこまで変えられるのか-アメリカ大統領権限に見る可能性と限界』における登壇者の発言 | トップページ | 千駄木庵日乗十二月二日 »