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2017年10月21日 (土)

今上陛下の御製を拝し奉りて

 

昭和三十四年四月十日、当時中学一年生であった私は、テレビで中継されていた宮中三殿賢所において執行された「結婚の儀」を拝した。その荘重さ、神々しさに感激したことを覚えている。

 

今上天皇が「祭」について詠ませられた御製を掲げさせていただく。

 

昭和三十二年

歌会始御題 ともしび

ともしびの 静かにもゆる 神嘉殿 琴はじきうたふ 声ひくくひびく

 

昭和四十五年

新嘗祭

松明の 火に照らされて すのこの上 歩を進め行く 古思ひて

新嘗の 祭始まりぬ 神嘉殿 ひちきりの音 静かに流る

ひちきりの 音と合せて 歌ふ声 しじまの中に 低くたゆたふ

歌ふ声 静まりて聞ゆ この時に 告文読ます おほどかなる御声

 

昭和四十九年

歌会始御題 朝
神殿へ すのこの上を すすみ行く 年の始の 空白み初む   

 

昭和五十年

歌会始御題 祭り

神あそびの 歌流るるなか 告文の御声聞え来 新嘗の夜

 

平成二年

大嘗祭

父君の にひなめまつり しのびつつ 我がおほにへの まつり行なふ 

 

平成十七年

歳旦祭
明け初むる 賢所の 庭の面は 雪積む中に かがり火赤し

          ○

これらの御製は全て、皇居のおける祭祀の御事を詠ませられている。宮中三殿において、天皇のみ祭りが行われている。皇居は、明治維新前までは、徳川将軍家の居城であったとしても、今日は、まことに以て神聖不可侵の聖域である。

 

日本は、二十一世紀を迎えた今日においても、神話の世界のままに、天の神の祭り主の神聖なる御資格を受け継ぎ給う天皇を、現實の國家元首と仰ぎ、國家と民族の統一の中心として仰いでいる。これは日本の麗しい自然と稲作生活が完全に滅びない限り続くであろう。こうした事實が、西洋諸國やシナと日本國との決定的違いである。わが國が、長い歴史を通して様々な変化や混乱などを経験しつつも國が滅びることなく統一を保ち続けたのは、天皇という神聖権威を中心とする共同體精神があったからである。日本という國は太古以来の傳統を保持する世界で最も保守的な國でありながら、激しい変革を繰り返して来た國なのである。その不動の核が天皇である。

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