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2017年10月 9日 (月)

丹羽文生拓殖大学海外事情研究所准教授による「台湾蔡英文政権の対日政策―緊密化する日台関係―」と題する講演内容

六月十七日に開催された『アジア問題懇話会』における丹羽文生拓殖大学海外事情研究所准教授による「台湾蔡英文政権の対日政策―緊密化する日台関係―」と題する講演内容。

 

「一九九九年九月二十一日台湾南投県を震源とするマグニチュード七・六の大地震発生。私が国士舘大學二年生の時。発生から十日後の十月一日、台湾に飛んだ。六十人の仲間と共に十日間ボランティアとして救援活動を行った。台湾の親日に触れた。日本語が流暢な老人が『ふるさと』を涙を流しながら歌ってくれた。その老人に『君は教育勅語を知っているか』と言われた。私は祖父母と暮らしていて『教育勅語』を憶えていたので朗誦したら、老人は手をたたいて喜んでくれた。

 

十年後、拓殖大学に奉職。拓殖大学は台湾協会学校として発足。台湾統治を進めるための台湾研究と日本人への啓発を行った。第二代台湾総督の桂太郎が初代校長となり、台湾近代化に役立つ人材を育てた。三代目学長は後藤新平。二代目學監は新渡戸稲造。『拓殖』とは開拓殖民の略。拓殖大学のアイデンティティの源は台湾。平成二十八年四月台湾研究センター創設。

 

蔡英文政権で日台関係は成果が出ている。台湾駐日代表に知日派大物を起用。謝長廷代表は元行政院長。行政のトップだった人が大使になるのは異例。亜東という言葉は日本人にはなじみがない。中華民国という言葉は稀薄化している。実務機関の名稱は『交流協会』から『日本台湾交流協会』に、『亜東関係協会』から『台湾日本関係協会』に変更した。二〇〇一年三月、赤間二郎総務副大臣が公務で訪台。二〇〇二年一月、古屋圭司経済産業副大臣が私的に訪台。二〇〇六年八月、宮腰光寛農林水産副大臣が私的に訪台。

 

安倍再登板後、二〇一二年に『日台漁業協定』締結。一三年に李嘉進亜東関係協会会長が首相官邸で菅義偉官房長官と面会。一五年七月に安倍総理が李登輝元総統と面会。同年十月に安倍総理が蔡英文主席と面会。二〇一三年三月、安倍総理はフェイスブックで『震災発生時、台湾は世界のどの国よりも多額の二百億円を超える義捐金を送ってくれた日本の友人です』と書いた。二〇一六年一月に国会で『台湾は日本の古くからの友人です。自由な言論の下で行われた今般の総統選挙は台湾の民主主義の証しです』と答弁。岸田外務大臣は『台湾はわが国にとって、基本的な価値観を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する重要なパートナーであり、大切な友人』と言った。いびつな状態は改善されつつある。日本が台湾に冷ややかな態度をとると台湾のみならず国際社会から後ろ指を指される。馬英九政権下でも、日台関係は進化。馬英九は反日の権化と言われるが、八田與一記念公園は馬英九の指示で作られた。

 

二〇一六年の対日世論調査では、『最も好きな国』は日本が五六%、中国は六%、アメリカは五%。日本統治下で建てられた日本式建物をリノベーションして民宿・カフェ・レストランとして再利用すする現象が台湾各地で起こっている。その中心は二十歳から三十歳の若者。何処に行っても日本のコンビニ、百円ショップが散見される。台湾と日本の人的往来は拡大している。修学旅行先として台湾ほど適している國はない。台湾への修学旅行を増やすべし。韓国・中国は子供たちの将来にとって有益なのか。地域間交流も活発化すべし。

 

民進党内部では蔡英文への批判が高まっている。中国人観光客が減った。観光施設に打撃。対中政策を柔軟にせよという声あり。国民党は複雑な政党。台湾国民党と中国国民党とがある。国民党と自民党はもともといい関係。民進党は日本の民主党といい関係。

 

パナマとは一九一二年中華民国建国以来の関係。断交二か月前に大使に勲章を授与した。中国はパナマを札束でひっぱたいた。中国はパナマ運河の二番目の利用国。これが中華民国の存在を稀薄にした。断交ドミノが続く。次はバチカンかもしれない。トランプにとって台湾は取引材料。トランプに幻想を抱いてはならない。バチカンは一九四二年に重慶政府と外交関係樹立。中国には五五〇万人のカソリック信者がいる。地下教会に属する人はその数十倍。ローマ法王はその安全を保つために中国と国交を結びたいのではないか。

 

日本の民進党は思想も哲学もない。政党の体をなしていない。蓮舫はミニ金美齢と言われていたことがある。台湾に融和的であった。最近の蓮舫はそうとも言い切れない。しかし個人としては台湾にシンパシーを抱いていると思う。民主党の親台派は小沢一郎幹事長によって潰された。

 

日本版『台湾関係法』を作るべし。自民党に『日本・台湾経済文化交流を促進する若手議員の会』(会長・岸信夫氏)がある。アメリカの『台湾関係法』を念頭に置いている。日本外交に求められるのは主体性を持って台湾と付き合うという強靭さ」。

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