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2017年10月10日 (火)

『ボストン美術館の至宝展-東西の名品、珠玉のコレクション』参観記

本日参観した『ボストン美術館の至宝展-東西の名品、珠玉のコレクション』展は、「世界有数の規模と質を誇るボストン美術館のコレクションは、国や政府機関の経済的援助を受けず、ボストン市民、個人コレクターや企業とともに築かれています。本展では、美術館を支えてきた数々のコレクターの物語に光を当てながら、発掘調査隊の成果を含む古代エジプト美術から、歌麿や蕭白らによる日本・中国美術の名品、ボストン市民の愛したモネやファン・ゴッホを含むフランス絵画のほか、現代美術までを選りすぐりの80点でご紹介します」(案内文)との趣旨で開催された。

 

フィンセント・ファン・ゴッホ《郵便配達人 ジョゼフ・ルーラン》1888年《子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人》1889年、英一蝶 《涅槃図》江戸時代1713年(正徳3年)、喜多川歌麿《三味線を弾く美人図》江戸時代、1804-06年(文化1-3年)頃、ジョン・シンガー・サージェント 《フィスク・ウォレン夫人(グレッチェン・オズグッド)と娘レイチェル》1903年、曾我蕭白《風仙図屏風》江戸時代の1764年(宝暦14年/明和元年)頃、《ツタンカーメン王頭部》エジプト新王国時代の紀元前1336-1327年、などを参観。

 

殆どはアメリカの富裕階層と言うか大金持ちが収集し、ボストン美術館に寄贈した美術品である。エジプトの美術品は、紀元前千年から二千年のものであるが、実に精巧で美しい。四千年近い時間的経過を感じさせない。民族の興亡、文化の盛衰を実感した。

 

ボストン美術館の日本美術コレクションは、日本国外の日本美術コレクションとしては最大であるという。英一蝶の《涅槃図》は、芝愛宕町の青松寺というお寺にあったものであるが、何故かボストン美術館に収蔵された。お釈迦様の入滅の歎く人々・動物が描かれていて面白い。ただ宗教的荘厳さはあまり感じられなかった。尾形乾山の《銹絵觀爆図角皿》は、瀧を眺める人物と共に、李白の「望廬山瀑布」という漢詩が記されている。「日照香炉生紫煙 遥看瀑布挂前川 飛流直下三千尺 疑是銀河落九天」(廬山(ろざん)の瀑布(ばくふ)を望む 李白 日は香炉(こうろ)を照らして紫煙(しえん)を生ず、遥かに看()る瀑布(ばくふ)の前川(ぜんせん)に挂()かるを。飛流直下(ひりゅうちょっか) 三千尺(さんぜんじゃく)、疑(うたご)うらくは是()れ銀河の九天(きゅうてん)より落つるかと)。瀧が流れ落ちるのは銀河が天より落ちてくるようだというまことに大げさの詩であるが、高校時代の漢文の授業で習って以来私が好きな漢詩である。

 

洋画は、印象派・ポスト印象派の作品であるということだが、素人の私は印象派とは何なのかは分からない。しかし、ミレー、モネなど観る人の目を楽しませ安らぎを与える美しい作品ばかりであった。ジャン=バティスト=カミーユ・コロというまことに長い名前の画家の《ボーヴェ近郊の朝》という作品が特に良かった。描かれた景色の中に入って行きたいという思いがした。ゴッホの作品はやはり迫力がある。ただ美しいというだけではない。色彩は強烈であり描き方も力強い。そして緻密である。

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