« 千駄木庵日乗八月二十七日 | トップページ | 千駄木庵日乗八月二十八日 »

2017年8月27日 (日)

荒木和博氏(特定失踪者問題調査会代表・拓殖大学海外事情研究所教授)が「朝鮮半島の現状と拉致問題」と題する講演内容

五月二十日に開催された『アジア太平洋学会五月例会』における荒木和博氏(特定失踪者問題調査会代表・拓殖大学海外事情研究所教授)が「朝鮮半島の現状と拉致問題」と題する講演内容は次の通り。

「平成十五年に『特定失踪者問題調査会』を開設。こんなに長く続けるとは思っていなかった。未だに問題は解決していない。昭和五十五年一月七日に『産経』が拉致事件を報道。その見出しを今でも覚えている。当時私は民社党本部書記局にいた。高度成長の時代。私は二十代半ば。朝鮮総連も非常に強かった。民社党解党後、私は朝鮮問題の研究をした。現代コリア研究所を手伝った。

 

九六年十月号の『現代コリア』に石高健次朝日放送ディレクターが原稿執筆。中学一年生の女の子が拉致されたという情報が書かれていた。その原稿を『現代コリア』のホームページに載せた。名前が特定され、横田めぐみさんと判明した。

 

西村眞悟衆院議員に対処を依頼。西村氏が平成九年二月三日の衆議院予算委員会で質問。橋下龍太郎首相が『調査をしている』と答弁。『アエラ』と『産経』が報道。そして運動が始まって行った。

 

日本政府は『拉致疑惑』と言って『拉致』とは言わなかった。平成十四年の小泉訪朝で、北朝鮮は拉致を認め、金正日が謝罪した。新潟県警は『曽我ひとみさんは拉致ではない』と言っていたのに、実際には拉致されていた。行方不明になった人の家族から数多くの問い合わせが来た。事態が深刻になった。私は『救う会』の事務局長をしていたが、仕事が手に付かない状況になった。私の妻に書類の整理をしてもらい、データベースを作った。七十年代にアベック・夫婦でいなくなった人が集中。看護師が多い。

 

二〇〇三年、『特定失踪者問題調査会』設立。昭和五十一年の時点で、日本政府は拉致だと分かっていた。拉致はこれからも起り得る事。今の政府のやり方は、警察が捜査し、証拠があり、間違いないとなると、政府が拉致の認定をする。年間九万人の失踪者がある。失踪してから二年以内に『失踪した』と警察に言いに行っても警察は何もしない。そういう状況で二十年、三十年経過すれば、拉致かどうか分かることはない。現場で動いている警察官に相当悔しい思いをしている人がいると思う。

 

政府答弁では『北朝鮮も国家ですから話し合いで解決』と言った。これをぶち壊さないとどうしようもない。拉致問題解決の方策は、①身代金を払う。②被害者を中国に逃がす。韓国にはこの方法で帰国した人がいる。③実力による救出。北朝鮮国内が混乱したら自衛隊によって救出。これは周到に準備しなければならない。北朝鮮に助けに行かなきゃいけない。自衛隊が行くしかない。それを想定した準備も意識づけも必要。拉致被害者を実力で救出するとなると、アメリカと韓国が邪魔をする可能性があるが、それにブレーキをかける一番いい方法は、拉致問題を国際的な人権問題としての取り組みにすること。

 

北朝鮮の人権問題は、日本人拉致に限らず他国民拉致、強制収容所、公開処刑等々、山ほどある。『自国民を拉致されている我が国が先頭に立ってやるんだ。協力してくれ』というプレゼンテーションができれば、アメリカも韓国も、少なくとも正面からは邪魔しにくい。『北朝鮮という国をどうにかしなきゃいけない』という国際世論を高めていくことで、日本の主体的な動きの自由度を増すということに尽きる」。

|

« 千駄木庵日乗八月二十七日 | トップページ | 千駄木庵日乗八月二十八日 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121949/65718100

この記事へのトラックバック一覧です: 荒木和博氏(特定失踪者問題調査会代表・拓殖大学海外事情研究所教授)が「朝鮮半島の現状と拉致問題」と題する講演内容:

« 千駄木庵日乗八月二十七日 | トップページ | 千駄木庵日乗八月二十八日 »