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2017年7月10日 (月)

「教育勅語」失効決議について

 

昭和二十三年六月十九日に、日本弱体化・伝統抹殺を目的としたアメリカ占領軍総司令部の隷従下にあった衆議院と参議院で『教育勅語』の「排除」と「失効」を議決した。

 

 民進党は本年四月四日の衆院議院運営委員会理事会で、「『教育勅語』の教材活用を否定しない」とした政府答弁書に対し、反発をし、「教育勅語」の「排除」や「失効」を確認した昭和二十三年の「衆参両院決議」に「大きく反する」と抗議した。

 

昭和二十三年六月十九日に衆議院で行はれた「教育勅語等排除に関する決議」には以下のやうなことが書かれてゐる。「これらの詔勅(注・教育勅語並びに陸海軍軍人に賜わりたる勅諭その他の教育に関する諸詔勅)の根本的理念が主権在君並びに神話的国体観に基いている事実は、明かに基本的人権を損い、且つ国際信義に対して疑点を残すものとなる。よって憲法第98条の本旨に従い、ここに衆議院は院議を以て、これらの詔勅を排除し、その指導原理的性格を認めないことを宣言する。政府は直ちにこれらの謄本を回収し、排除の措置を完了すべきである。右決議する」。

 

まず以て指摘しなければならないのは、日本国は君民一体の国柄であり、天皇は権力者ではあらせられない。「主権が天皇にあるとか国民にあるとかの観念は建国以来存在しないのである。だから、『大日本帝国憲法』には「主権在君」即ち「主権は天皇にある」などといふことは一言半句書かれてゐない。それがまさにわが国の「神話的国体観」なのである。日本は建国以来、天皇を祭祀主・君主と仰ぐ信仰共同体国家・祭祀国家なのである。祭祀主としての天皇の神聖なる権威が日本國家の安定と統一の基礎である。日本國體は世界の誇るべきものであり、「基本的人権を損い、且つ国際信義に対して疑点を残す」ものなどでは微塵もないのである。

 

 政治機構としての國家は法律と権力によって運営される。しかし、その根本に傳統信仰を基礎とした祭祀國家がある。その祭祀主・君主が天皇であらせられるのである。

 

 現実の國家はそれを構成する國民の私欲の追求によって悲惨な闘争が起こる。それを可能な限り抑制するのは、私欲を超越した無私という倫理性を体現する存在である。わが國においては天皇がさうした御存在である。

 

 肇國以来今日に至るまでわが國の歴史を貫き、将来にも継続する無私の御存在・倫理的存在が天皇であらせられる。

 

 天皇は、倫理道義の鏡として祭祀主として君臨されてゐる。決して権力や武力によって國を支配してゐるのではない。権力や武力によって國を支配されるのではないということが、日本天皇の國家統治の御本質である。だから、「国民主権」「君主主権」といふ思想がわが国には本来ないのである。

 

新渡戸稲造氏がその名著『武士道』において、「我々にとりて天皇は、法律國家の警察の長ではなく、文化國家の保護者(パトロン)でもなく、地上において肉身をもちたもう天の代表者であり、天の力と仁愛とを御一身に兼備したもうのである」と論じてゐる通りである。

 

 ただし、天皇は、権力や武力の暴走、言ひ換へると権力者の私欲による権力と武力の行使を制限し抑制される権威をお持ちになる。中世・近世・近代を通じて武家権力や軍に対してさういふおはたらきをされて来た。 

 

『現行占領憲法』第九十八条には「この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」と書かれてゐる。

 

建国以来、上御一人が発せられた「詔勅」を否定してゐると解釈できる。これが昭和二十三年の衆参両院における「教育勅語」に関する決議の背景にあるのである。

 

現代は恥と卑怯という感覚が少なくなってゐる。地べたに座って物を食べ、電車の中で化粧をする。何故このやうになったのか、それは『教育勅語』に示された日本の伝統的倫理精神を否定した戦後教育がその原因の一つである。

 

今日何よりも必要なのは、押し付けられた「戦後民主主義」を根底から否定し、わが国の伝統精神を回復し、天皇を敬ひ、国を愛し、神仏を尊び、先祖及び護国の忠霊を敬ひ、親や家族を大事にする心を取り戻すことである。

失効にすべきは、『現行占領憲法』であり、『教育勅語』に関する衆参両院決議である。

 

 

 

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