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2017年5月18日 (木)

日本傳統精神は天神地祇崇拝を基本とする

日本の歴史を根底から支へて来た力は稲作である。日本傳統信仰は稲作生活から生まれ、稲作生活の中に生きて来た。稲作生活は、再生と循環と相互の助け合ひが根本にある。基本的に闘争や侵略とは最も遠い平和なる共同生活である。

再生と循環は自然の思想である。古代日本人は自然の再生と循環の中に自然と共に生きて来た。日本人は、人の命も自然の命も永遠に共生し循環し続ける事を實感してきた。

 

日本傳統精神は、生活の中から自然に生まれた精神であり、自然を大切にし、自然の中に神の命を拝む心・祖先を尊ぶ心である。わが國の神々は、天津神、國津神、八百萬の神と言はれるやうに、天地自然の尊い命であり先祖の御霊である。

 

日本傳統精神は、天神地祇崇拝(祖先と自然の霊を尊ぶ心)を基本とする。先祖からの恩恵に感謝し、大自然を尊び、大自然から人生を學び、生き方を學び、國の平和と人の幸福の道を學ぶ。山・川・海・風・樹木・石等々全ての自然に神の命が宿ると信じる。また、人の命は神の命であると信じる。一人一人が「命(みこと)」である。一人一人が「日子(ひこ・日の神の御子)」であり「日女(日の神の姫御子)」なのである。日本人は、森羅萬象ことごとく神ならざるものはないのである。

 

かうした精神からは排他独善の精神は生まれない。あらゆるものから學ぶべきものを學ぶのである。だからわが國は古来外来の文化を大らかに包容摂取してきた。

 

日本人は、人間と自然は相対立する存在とは考へないで、人間が自然の中に入り人と自然とは生命的に一體であるとの精神に立つ。

 

わが國の自然を大切にする心=自然保護の精神は、歴史的にも文化的にも「神社の森」「鎮守の森」がその原点である。わが民族の祖先は、古代から神々の鎮まる緑豊かな「神社の森」「鎮守の森」を大切に護って来た。それは「鎮守の森」には、神が天降り、神の霊が宿ると信じて来たからである。「鎮守の森」ばかりではない。ふるさとの山や海に神や精霊が生きてゐると信じてきた。秀麗な山にも神が天降り、神の霊が宿ってゐると信じて来た。

天皇の御祖先である邇邇藝命は高千穂の峰に天降られた。そして、富士山・三輪山・大和三山・出羽三山・木曾山など多くの山々は神と仰がれ今日に至ってゐる。

 さらに、海の彼方にも理想の國・麗しい國があると信じた。それがわたつみ(海神)信仰・龍宮信仰である。海は創造の本源世界として憧憬され崇められた。

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