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2017年4月17日 (月)

中村武彦氏の先見

中村武彦氏は、その著『私の昭和史』の「まへがき」において、「今日、日本は国際化、グローバル化の怒涛に襲はれてゐるが、終戦の大詔に仰せられたように「世界ノ進運ニ後レザラム」ためには先ず「國體ノ精華ノ発揚」が大前提であらねばならぬ。國體どころか国是も世界戦略もなく、国の主権と主体性を守る気概もない日本の現状は既に亡国と言はねばならぬ」と論じてゐる。

 

この文章は、平成十六年十二月八日の執筆と記されてゐる。大変な先見の明と言はねばならない。

 

アメリカ覇権主義そして共産支那の中華帝國主義さらには北朝鮮の暴虐が渦巻く狭間にあって、わが日本は、祖国の独立と安全を守るために必死になって戦わなければならない。

 

近年、「グローバリズム」ということが喧伝されてきた。しかし、現実社会は「グローバリズム」の市場共有を放棄し武力行使をする国が再び出始める可能性も生じてきている。つまり、再びブロック経済第二次世界大戦が勃発した時に近い状況になりつつある。

 

今、市場原理主義の問題をはじめ、日本も世界も大変な混乱期にある。

 

笹川良一氏は生前、「世界は一家、人類は兄弟」という標語を宣伝していた。そしてその一方で、「戸締り用心、火の用心」という標語の宣伝していた。世界が一家なら戸締りはいらないはずなのだが、そうはいかないというのが現実なのである。『東アジア共同体』『国連中心主義』『友愛の海』などという現実離れした考え方は実に以て危険千万である。

 

日本には、飛鳥・奈良時代にも、グローバリズムの波が押し寄せて来た。しかし、日本はそんな波に呑みこまれることなく、国家体制を整備し、文化的にも経済的にも自立した国家を作り上げた。それが大化改新であり、藤原京・平城京の造営である。そして平安京の造営を造営し、その後平安時代という平和な時代を迎えた。

 

また、江戸時代末期にも、同じような危機に際会したが、明治維新を成し遂げ、日本の独立を守り、近代国家を建設した。

 

その最大の要因は、天皇・皇室を祭祀主と仰いで國の統一と安定を確保するといふ日本國體精神である。日本民族がグローバリズムの波に呑みこまれることなく、仏教のみならず外来文化・文明を自由に受け容れ、自己のものとしさらに発展させた基盤の中核が、天皇・皇室のご存在である。

 

現代日本においても、この強靱にして自由な日本民族の伝統的な文化感覚を発揮して、危機的状況を打開していかなければならない。

 

にもかかわらず、残念ながら、国民の多くは日本の傳統精神、國體精神を忘却し、内部から破壊されつつある。

 

わが國の建国の精神は、「八紘爲宇」の精神である。これは、世界は色々な民族・国家が連帯し共存する一つの家であるという精神である。また近代日本の父と仰がれる明治天皇御精神は、「四海同胞」の精神である。これは、世界の民は兄弟であるという精神である。日本は本来的に言葉の真の意味における平和国家である。

 

日本はその傳統信仰の靈的精神の偉大なる包容力によって、よく他國の宗教・文化・文明を取り入れてそれを融和せしめ洗練して、強靱にして高度な日本文化として開花せしめる力を持ってきた。

 

世界各国各民族にはそれぞれ伝統精神・傳統文化を保持している。グローバリズムすなわち市場原理主義と共産主義という二つの覇権思想を否定し、各国各民族の個性・立場・歴史・傳統を尊重し合い、真の意味の平和な世界を実現しなければならない。

 

 

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