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2017年4月30日 (日)

この頃詠みし歌

散る桜風に舞ひ来る道歩み 逝きにし母の面影浮かぶ

 

やさしかりにし母の面影目に浮かぶ桜の花の華やぎの中

 

母上の永久の安らぎを祈りたり 納骨をせし御墓辺の前

 

うから集ひ母の御霊を拝ろがみぬ春の風吹く丘の上の寺

 

わが手をば握りて離さぬわが母の手のぬくもり今に忘れず

 

幾度も動画を見ては偲びゐるわが母上の健やかな頃

 

           〇

 

水の神祀れる小さき祠ありわが日の本は水清き國(江戸川公園)

 

そのかみの都電の終点江戸川橋桜並木の華やかにして()

 

ゆったりと流れゆくなる神田川 桜の花びらもゆったりと行く()

 

雀たちが都塵の中に群れ為して生きる姿の頼もしさかな

 

北も南も暴虐と混乱が続きゐてあまりにも惨き近隣国家

 

道に残る桜の花びら愛(いと)ほしみ歩み行くなる谷中霊園

 

道路にてチャンバラ遊びや羽根つきをしたる思ひ出も幻となる

 

細き道にバイクや自動車入り来て幼な子たちの遊ぶ場所なし

 

芽吹き初めし銀杏の若葉眺めつつわが足取りも軽くなりたり

 

小銭入れに十円玉は多くしてはち切れんばかり あな面白し

 

財布には一万円札少なくて 心細くもあなあはれなり

 

生ビール飲み干しにつつ懐かしき昔を偲ぶ神田神保町

 

無くなりし神田日活の跡所何処なりやと見回してをり

 

仕事して夜は更けにけりさらさらとペンの音のみ響くわが部屋

 

熊野川清き流れに沿いて行きしバスの旅をば思ひ出しをり

 

旅行きし熊野の天地の清らかさ思ひ出しつつ今宵過ごすも

 

白髪となりにし友と酒酌みて長き縁(えにし)を思ふひと時

 

パソコンの動画にて見る歌手たちのほとんどはこの世を去り行きにけり

 

懐かしき歌声を聴くことぞ良し蘇州夜曲とマロニエの木陰

 

青空と新しき緑と日章旗 南洲像とともにさやけし(西郷南洲像清洗式)

 

凛々しくも立ちてゐませる南洲像 青空の下に仰ぎまつれり()

 

新緑のかがよふ丘を眺めつつ春の朝(あした)に窓拭きてをり

 

今日のひと日原稿を書き過ごしたる我の心は満ち足りにけり

 

思ひがけなき人の情けの身に沁みて手合はすなる春の夜かな

 

わが命燃え立たしめてこれの世を生き行くことの有難さかな

 

見慣れたる古きマンション解体の時は来にけりさみしかりけり

 

バスが行き交ふここは千駄木三丁目七十年間住み慣れし街

 

幼馴染みが作りし厚揚げ買ひにけり 明日の朝(あした)に食さんがため

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