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2017年3月13日 (月)

母への挽歌

 

二日前には冗談を言ひしわが母は 今日は冷たき体となりぬ

 

両手にてわが手を握り微笑みし母を恋ほしむ生みの子われは

 

あまりにもむごき現実 さっきまで生きてゐし母はついに逝きたり

 

冷たくなりし母の額に手を当てて永久の訣(わか)れをかみしめている

 

明るくて優しき母と語らひし日々が思ひ出となるさみしさよ

 

母上を失ひし悲しみ深くして茂吉の歌を繰り返しを讀む

 

葬儀社の人がてきぱき仕事する姿を見つつ悲しみまさる

 

悲しさと悔しさ満つるわが心 母の遺体に真向ひをれば

 

わが母が静かに横たはる前に立ちわれは經を読む静かにぞ読む

 

再びは目覚めたまはぬわが母の遺体に向かひ経讀みまつる

 

遠くへと行きたまひたるわが母を呼び返すすべのなき悲しさよ

 

もう二度と語らふことの難ければ母の動画を繰り返し見る

 

ついにして声をかけても応(こた)へなき母となりたり悲しみの極み

 

(えにし)ありし人ら集ひてわが母の遺影に御手を合はせたまへり

 

やさしき笑みの母の遺影を見つめつつ安らかな眠りをただに祈れり

 

母の柩(ひつぎ)運びて行けりこの世から去りたまひ行くを悲しみにつつ

 

余りにも少なき遺骨に胸迫る小さき体の母にしあれば

 

これの世を去りたまひたるわが母の御霊は永久に我を守らす

 

わが母よこの世を去りしわが母よ 永久に守らせわれの行く手を

 

母と二人語らひし日々は去り行きてやさしき笑みの遺影を仰ぐ

 

父の遺影の隣に置きし母の遺影やさしき笑みで我を見つめる

 

花を飾り華やげる如き仏壇にわが父母の笑顔の遺影

 

父母は御霊となりて生みの子の我を護らすことを信ぜん

 

毎朝毎夕母の遺影を拝ろがみて懐かしむこととなりしさみしさ

 

やさしくも愛しかりにしわが母を思ひ出すなり思ひ出すなり

 

慈母の笑み浮かべる母の写し絵を見つめつつ我の胸熱くなる

 

尽きせぬはわが思ひかも 花を供へ父母の遺影に手を合はす時

 

やさしき笑みの母の遺影を拝ろみがみて心安らかになりにけるかも

 

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