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2017年3月28日 (火)

『アジア問題懇話会』における国際政治学者・藤井厳喜氏による「トランプ米新政権で世界はどう変わるか」と題する講演内容

〇一月十四日に開催された『アジア問題懇話会』における国際政治学者・藤井厳喜氏による「トランプ米新政権で世界はどう変わるか」と題する講演内容は次の通り。

 

「十二月二日にトランプと蔡英文が電話会談。トランプ外交の性格を非常によくあらわしている。IS潰しが第一の課題。トランプは昨年四月二十七日のメイフラーホテルにおける外交政策に関する演説で、①地上軍を派遣してもIS潰しをやる。②チャイナを外交的経済的にアメリカに取って代わろうとしている一番危険な国家、と語った。二〇一七年にISの地域支配は終らせる。ロシアと手を組んでやる。ロシアとは外交的に戦略的妥協を図る。親露反中。

 

オバマ・クリントン外交で中東の安定政権が少なくなった。安定しているのはイラン・イスラエルのみ。西側のデモクラシーの基準で見れば、エジプトもリビアも独裁。それを潰した。イスラム過激派が出てきた。オバマはバカなことをした。そのためアジアへのりバランスが出来なかったので、チャイナが出てきた。

 

ISの領域支配はなくなる。脅威が減る。トランプ・蔡英文の電話会談は素晴らしい。事実上の独立国家として台湾を維持する。武力侵略を許さないということをシンボリックに表したのが電話会談。ディック・チェイニー副大統領の国家安全保障問題担当副補佐官を務めた人物であるスティーブン・イェーツが相当前から根回ししていた。イェーツは中国語がペラペラ。昔から台湾派。二〇一五年の総統選直前に蔡英文に会っている。若い。四十四歳。人脈を築いている。

 

トランプにとって共和党のエスタブリッシュメントは敵であった。共和党全国委員長のラインス・プリーバスは組織をトランプ支持でまとめるために努力。誠実な人。大統領首席補佐官に就任した。政策・選挙をコーディネイトする。スティーブン・イェーツとラインス・プリーバスとは仲が良い。

 

ワンチャイナポリシーは嘘。アメリカが台湾は中国の領土であると認めたということはない。日本もワンチャイナと中華人民共和国が言っていることは承知したと言っただけ。東シナ海と南シナ海の結節点にあるのが台湾。地政学上非常に重要。台湾にミサイル基地が出来たら何処へでも飛んでいく。中国が台湾を手に入れたらもアジアが中国に靡くドミノ現象が起こる。アメリカは台湾を守るという意志を鮮明にしている。『ピープルオヴタイワン』という言葉を台湾関係法では使っている。ピープルは国民。意志を持つ集団。『アメリカが台湾を守りきれなかったら我々も守ってくれない』とアジア諸国は考える。南シナ海が中国の領海になったら、ベトナムは何処にも出ることはできない。ラオス・カンボジアは親中であるが故にベトナムは孤立する。台湾を守りきれないと、アメリカはアジアでの影響力はゼロになる。

 

プーチンには東ローマ帝国の末裔という意識がある。日本の防衛費はGDPの二%にすべし。イタリアのEU離脱があるかもしれない。南西諸島防衛のため自衛隊の海軍と空軍を増強中。TPPはもう駄目。あきらめた方がいい。トランプは多国間や国際機関が嫌い。二国間でやるべしと考えている。日本が中心となって環太平洋をまとめるべし。

 

ヒラリーが大統領になっていたら、中東で米露が戦争になっていたかもしれない。CIAは政治家に影響されやすい機関。CIAとFBIは政治的に分裂している。日本の核武装はアメリカのOKを取ることが前提。現行憲法は無視すれば反古になる」。

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