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2017年1月18日 (水)

湯浅博氏(産経新聞特別記者)による「世界情勢と安倍外交への期待」と題する講演内容

九月二十四日に開催された『アジア問題懇話会』における湯浅博氏(産経新聞特別記者)による「世界情勢と安倍外交への期待」と題する講演内容は次の通り。

 

「世界の動きはとんでもなく早いスピードで動いている。冷戦構造が終って、パワーが安定し、巨大超大国一国のヘゲモニーで安定しているのが正しいと思えたが、世界が変わって、アメリカのパワーが落ちて中国という地域覇権を目指す国が台頭。アメリカを中国が追い越すという見方もある。各国が経済力・軍事力を伸ばし、アメリカのパワーが相対的に落ちている。

 

ロシアとイランが接近。ロシアがアフガンに攻め込んだ時、イランは反ソ体制の中に入っていたが変わってきている。イランの空軍基地からロシアの爆撃機がシリアを爆撃した。トルコがロシア軍機を警告を経て撃墜。ロシアとトルコが険悪になると思われた。経済制裁が起きて一年経過。エルドアン政権がクーデターで倒れると思われたが、弾き返して反政府を締め付けた。そしてプーチンと接近。戦略的要衝をトルコが抑えている。エルドアンもプーチンも政治的動物。

 

ドゥテルテが出てきて様子が変わった。ドゥテルテは『アメリカがフィリッピンに入って来た時、フィリッピン人がバタバタ殺された』と言った。オバマがドゥテルテとの会見を拒否した。そのためドゥテルテは中国との二国間交渉を始めると言い出した。中国は二国間で小国をまるめこむのが戦略。

 

ハーグ仲裁裁判所で中国は国際的無法者と認定した。九月中旬の南シナ海での中国とロシアの共同演習は、昨年の黒海でのアメリカとルーマニアの合同演習のお返し。欧米がクリミア半島問題で経済制裁をした時も、中国はそれを批判。ロシアと中国はお互いに傷をなめ合ってアメリカに対抗する仲間になっている。中国の東北三省には一億の人口がある。シベリアは六三〇万の人口。圧倒的に中国の人口が多い。

 

日本の対中関係はマイナスが常態化。中国にストレスを抱いている。歴史問題が減っても関係は改善せず。安倍外交は対ロシア新アプローチで接近。日露交渉の正の条件は、①ロシアの経済苦境でタイに譲歩が迫られている。②米国が日露交渉を認めている。負の条件は①米欧が対ロ経済制裁の最中②南シナ海で日本が求める『法の支配』に反する。③ロシアは条約破りの常習者。プーチンの対日接近の理由。①人口減少に悩むシベリア地域。②日本を対中・対米カードに使う。

 

民主主義が後退する。自由・進歩・民主の限界。アメリカの相対的衰退が始まった。オバマ第一期政権の外交の特徴は『軍事力を使わず、軍事介入しない』。抑止力を否定。オバマ第二期政権は、抑止戦略から抑制戦略に後退。

 

イギリスのEU離脱は大英帝国への郷愁。世界は覇権展開している。国家対国家の熱戦が行われている。日本は中・露・北朝鮮という核を持っている国に囲まれている。ロシアは伝統的に拡張主義。専守防衛では日本は守れない。日本は海洋国家になれるのか。

 

一九六四年の東京五輪の時には中国の核実験が行われた。二〇二〇年の東京五輪決定の時には習近平による海洋覇権への挑戦が起こった。日本は海洋国家へ脱皮する。第二次安倍外交の戦略は海洋国家の『遠交近攻』=地球儀を俯瞰する外交。勢力均衡のリアリズム。防衛費増、集団的自衛権の容認、憲法改正」。

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