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2016年12月18日 (日)

日本の外交について

独裁国家・全体主義国家の指導者、最高権力者は人殺しである。プーチンはこれまで、反対派粛清・暗殺を指令した。金正恩は気に入らない人間は自分の叔父でも残虐なる方法で殺している。習近平は、形だけの裁判は行うが、敵対者・邪魔な者を監獄に放り込んでいる。ロシア・支那・北朝鮮の独裁者は根本的にそういう体質を持っている。

 

そういう国の政治家や外交官は、政策の実行や相手国との交渉に失敗すれば、独裁者によって粛清される危険がある。まさに命懸けなのである。

 

人を殺すことすら厭わない、あるいは何とも思わない人と、あるいは失敗したら殺される危険がある人と、外交交渉するのは生易しいことではない。

 

日本の外交は下手だと言われる。そもそも戦後日本の政治家で、直接的にしろ間接的にしろ人を殺した人はいないのではないか。また、生命の危険にさらされた人はあまりいないのではないか。

 

明治維新の後、わが国は大国を相手に自国の独立を維持するために、懸命に闘い、日清日露両戦争に勝って、遂に世界五大大国の一つに入った。その頃の日本国の指導者は、大久保利通、伊藤博文、山県有朋、黒田清隆など戊辰政争を戦った人々である。彼等は武士であり、軍人であった。直接的間接的に一人や二人、否、もっと多くの人々を殺していると思う。

 

今の日本の政治家の多くは、二世三世の政治家である。人を殺した人はいない。否、虫も殺したこともないー人もいるのではないか。

 

安倍総理の祖父・岸信介氏は、戦後の政治家の中でも命懸けと言っていい体験をした人である。戦時中は、東條英機総理の部下の東京憲兵隊長に脅迫された。戦後は、A級戦犯容疑者として逮捕され、どうなるか分からない経験をした。また第一次安保の時は、首相官邸がデモ隊に囲まれ、当時の小倉警視総監から『これ以上守ることは困難だ』とまで言われた。そういう状況下にあって、安保改定を実現した。まさに命懸けであった。

 

安倍晋三氏は、命懸けで国務に挺身していると思う。私にはそう思える。しかし、全体主義国家、独裁国家の指導者とは全く異なる。むしろ性格的には温和であろう。そういう人が独裁者に立ち向かっているのである。

 

安倍氏は祖父の遺志を継承して、政治家として総理として努力していると思う。一層の奮闘を祈る。

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