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2016年12月 8日 (木)

笹川平和財団主催『講演会・紛争解決の視角から見た日中の歴史和解』における登壇者の発言

八月八日に開催された笹川平和財団主催『講演会・紛争解決の視角から見た日中の歴史和解』における登壇者の発言は次の通り。

 

高原明生氏(東京大学大学院法学政治学研究科教授、公共政策大学院副院長)「二十一世紀の日中関係について、国民の相互理解を深めること。歴史問題をめぐって深くて広いギャップがある。発展段階にある中国は、富国強兵、富民強国のパラダイムにとらわれている。一日も早くそういう状況から脱してほしい。近代化とはヨーロッパ化と同じ意味が多い。近代と伝統の間で摩擦が起こる。日本では傳統と近代のバランスが落ち着いた。今の中国は西洋に反発している。これを早く乗り越えてポスト近代になってもらいたい。日本人と中国人がもっと積極的に交流すること。知識交流が大事。暴力の問題を見ると体制の問題が出てくる。韓国では日本料理店は壊されていないが、中国では壊される」。

 

汪錚氏(シートンホール大学平和と衝突研究センターディレクター、ジョン・C・ホワイト外交国際関係大学院准教授)「人類の歴史は紛争の歴史と言われるが、紛争についての研究は無かった。最近形成されてきた。平和の研究、安全保障の研究との違いはどうか。紛争の原因を見つけ出すことが根本。そして正しい薬を施すこと。中日双方の問題はどこにあるのか。中国の歴史認識はどう作られ、中国の政治・外交にどう影響してきたのか。二〇一二年、尖閣問題で中日関係に危機が起こった。国辱という言葉が中国人のナショナルアイデンティティ。一八四〇年から一九四五年に百年の国恥を受けたと考える。歴史の誇り、歴史のトラウマ、選民意識の三つが、中国の政治外交に大きな影響を及ぼしている。歴史は中国人の宗教だと言う人がいる。歴史・記憶は現代のナショナルアイデンティティに大きな影響を及ぼしている。習近平の言う中国の夢というのも百年の国辱がペースになっている。集団的目標になっている。日中の歴史の和解度は低い。これが中日関係の根源的問題。日中の対立はハンチントンの言う文明の対立と言える。歴史問題の解決には時間がかかると言う人がいる。二〇一二年にワシントンで開かれた中日和解に向けてのシンポジウムでは、交渉・仲介ではなくお互いに理解しなければ解決しないという結論になった。両国は歴史教育に注目し、対話し、改革すべきである。和解は難しい。民衆の歴史認識を変えるのは難しい。しかしアイデンティティの変化は表れている。一世代間の歴史認識の違いはある。中日戦争に対して、一九八〇年が一番強烈。しかし一貫して変わらないものではない。スマートホンの時代で垣根が取り除かれている。CNSを通して庶民が新しい歴史認識ができる。政府とは違う新しい観点、新しい歴史解釈ができてきている。しかしさらに過激な歴史観も広まっている。対話をすべきである。歴史叙述が復讐にならないように教育が大事である。中日関係が悪くなってから、中日協力の報道が少なくなっている」。

 

呂暁波氏(コロンビア大学政治学教授、バーナード校政治学部主任)、「草の根の人たちの影響が強い。国辱を忘れない。忘れないことになぜこだわるのか。日本などの東洋には恥の文化がある。西洋には罪の文化がある。永遠に忘れないものを選んでいる。記憶は選ばれたもの。インターネットによってポピリズムの風潮が出ている」。

 

劉傑氏(早稲田大学社会科学総合学術院教授)「歴史の記憶の仕方は日本人と中国人とは異なる。近代化の歴史、戦争の歴史、敗戦の歴史の三つが日本人の歴史。中国は被害・抵抗・勝利・革命の歴史。中國は、近代化の歴史は語られていない。中国は阿片戦争以降の歴史をずっと語っている。『対華二十一カ条の要求』を受諾した大正四年五月九日を『国恥記念日』とした。恥を雪(すす)ぐことを政治外交理念にした。歴史は選択して記憶される。和解の難しさ。知的レベルの和解が達成されていない。その前提は知の独立が不可欠。知識人同志の共同体的にものが成立しなければ和解はできない。独立した地の共同体を如何にして作っていくか、それを目指していくべし。階級闘争の和解は達成し中国は近代化」。

 

千駄木庵主人曰く。「支那人は国恥を忘れないと言うが、戦後七十年間、さらに田中内閣によるいわゆる「日中国交正常化」以来、日本は何回支那に対して謝罪させられてきたであろうか。そして、どれだけ支那に対して経済技術援助をして来たであろうか。しかるに支那は日本の経済技術援助によって経済発展に成功したら、「過去の歴史問題」を蒸し返し、反日行動を激化させた。のみならず。軍事力を増強し続け、わが國及び周辺諸国に対して侵略の牙をむいてきている。「和解」「相互理解」「友好」を一方的に破壊しているのは支那である。

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