« 千駄木庵日乗十二月二十一日 | トップページ | 千駄木庵日乗十二月二十二日 »

2016年12月21日 (水)

『笹川平和財団日米交流事業主催講演会・中国・欧州関係の進展とその世界的影響』におけるケント・E・カルダー氏(ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院SAIS、エドゥィン・O・ライシャワー東アジア研究所所長)の講演内容

八月二十四日に開催された『笹川平和財団日米交流事業主催講演会・中国・欧州関係の進展とその世界的影響』におけるケント・E・カルダー氏(ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院SAIS、エドゥィン・O・ライシャワー東アジア研究所所長)の講演内容は次の通り。

 

「問題を理解するには現場主義でなければならない。日米関係の未来を把握するにはグローバルな状況を理解しなければならない。マクロ的に見ると、世界は深いところから変わりつつある。南シナ海の緊張はグローバルを要素としている。

 

ヨーロッパに大きな変化が起こっている。九十一年にユーゴスラビアとソ連が崩壊。多くの国が独立。旧ソ連の権力が集中していた国が独立。ロシア皇帝の夏の都であったサンクトペテルブルグは、国境から三㎞しか離れていない。ウラジオストク、カムチャッカは今もロシアの一角を占めている。

 

ベルリンの壁が崩れてから始まった。モンテネグロは200663日に独立し、NATOに加盟。NATOは東方拡大を果たした。ベラルーシ、ウクライナはNATOに入っていないがロシアの一員ではない。これらの国々はワルシャワ条約機構に加盟しソ連軍が入っていた。エネルギーの絆も深かった。ロシアのエネルギーへの依存度が高い。ロシアと深い経済関係がある。今のロシアの指導者は、安保面では敵対的に見ている。軍事面で海や空において低度の対立が起こっている。

 

一九八一年にギリシアが民主化。二〇一三年にクロアチアがEUに入った。統一通貨も用いるようになった。ユーロを導入。バルト三国の旧ソ連のメンバーはすべてユーロを導入。特にユーロを通じてドイツと関係が深い。地中海諸国はどんどん赤字が増え、後れを取ってきた。バルト三国は財政をうまくやっている。スペイン、キプロス、イタリアなどの地中海國は共通通貨で関係が深くなっている。

 

中国のマーケットの規模はイギリスにとってとても大きい。鍵を握るのはドイツ。フォルクスワーゲンは中国を外せない利益を出している。関係は強化されている。

 

ヨーロッパは抜本的に変化しつつある。旧ソ連の一部を包含している。アメリカはヨーロッパの脆弱性を意識しなければならない。日本はこのことを理解すべし。NATOは機構として大西洋を中心にしている。日本はロシアと対話するのは当然。NATOとも対話を進化すべし。伊勢志摩サミットで道が開ける。日米同盟を強化しなければならない。

 

中国とヨーロッパの関係は進化している。ロシアは地政学的に脆弱になっている。中国は強くなっている。中国はフィリッピンとの絆を深めている。ナショナリズムが熱くなるのが怖い。フィリッピンのドゥテルテ政権は中国寄りにシフトしている。中国国内はデリケートになっている。中国は守りの姿勢になっている。シリコンバレーと日本の関係を強化すべし。日米欧は人権などで同じ価値観を持っているが、中国はそうではない。中欧関係の強化はバランスが取れていない。多元主義が重要」。

 

|

« 千駄木庵日乗十二月二十一日 | トップページ | 千駄木庵日乗十二月二十二日 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121949/64655922

この記事へのトラックバック一覧です: 『笹川平和財団日米交流事業主催講演会・中国・欧州関係の進展とその世界的影響』におけるケント・E・カルダー氏(ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院SAIS、エドゥィン・O・ライシャワー東アジア研究所所長)の講演内容:

« 千駄木庵日乗十二月二十一日 | トップページ | 千駄木庵日乗十二月二十二日 »