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2016年11月29日 (火)

この頃詠みし歌

目覚むれば甲斐の山々が雲をまとひ横たはりぬるを窓辺より見る

 

紅葉がおほふ山々を車窓より眺めつつ行く旅の楽しさ

 

部屋が揺れ目覚めてまた寝る晩秋の朝

 

三輪山も二上山も日の本のふるさとの山 恋しかりけり

 

遠く住む友のことをば思ひつつ二上山を幻に見る

 

行き行きて辿り着きたる丘の上の施設の小部屋に母はゐませり

 

雪降るとニュースが伝へる夜の更けはさみしさつのる一人居の部屋

 

静かなる心のままに歌を詠むがよろしと思ふ雪降れる夜は

 

人々が急ぎ行く道をゆっくりと歩み行くなり雪にぬれつつ

 

かつて行きし島の花園思ひ出す秋深き日の雪眺めつつ

 

友どちと語らひにつつ鍋つつく水道橋の夕暮れの酒場

 

年老いし人の後姿(うしろで)見つつゐて健やかにしも生きませと祈る

 

人はみな老いて死にゆくさだめとは知りてはをれど悲しかりけり

 

生老病死この四文字が身にしみて思はれしかなこの十年は

 

父も母も老いと病に苦しめるこの十年は悲しかりけり

 

雨の降る夜に一人でバスを待ち何となく心しほれつつをり

 

朝日影黄葉せる樹木を照らしゐてその耀ひの眩しかりけり

 

とことはの命尊び祈るなりわが母上の健やかな日々

 

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