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2016年9月29日 (木)

『野間コレクション収蔵、大観芸術の粋~ 横山大観展』参観記

今日参観した『野間コレクション収蔵、大観芸術の粋~ 横山大観展』は、「近代日本美術界において、至宝、巨星、巨匠、大家、第一人者と冠される枕詞そのままに、いまもなお人々に支持され愛される横山大観。大観といえば、生涯に1500点も描いたとされる富士山の絵が有名ですが、花や鳥を描いても気品ある作調で 好評を博し、また歴史画では、斬新な発想のもと飄逸な人物描写を見せたりもしました。その大観と講談社の初代社長野間清治との交流が生んだ、野間コレクションに収蔵される大観の作品群。本展では、若き日の千利休の逸話を題材にした名作「千与四郎」をはじめ、関東大震災に際して野間の求めに応じ描かれた『大正大震災大火災』表紙原画など、大観の画業が充実した大正期の作品を中心に展示いたします。さらに、大観と同時代に日本美術院を舞台に活躍した画家、下村観山、木村武山、安田靫彦らの佳作も併せてご堪能いただきます」(案内文)との趣旨で開催された。

 

横山大観《千与四郎》《訪友》《暁山雲》《白鷺ノ図》《春雨》《飛泉》《月明》《夜梅》・下村観山《寿老》・木村武山《神武天皇》・安田靫彦《観音》・小林古径《売茶翁》・速水御舟《菊花》・小茂田青樹《十二ヶ月図》などを参観。

 

幼少期の千利休が庭に佇んでいるところを描いた《千与四郎》が最も印象にのこった。華麗な色彩で描かれた大作である。大観の作品はまことに力強い。瀧を描いた《飛泉》、富岳を描いた《暁山雲》もまさにそういう作品である。

 

昭和大典を記念し、かつ、徳川光圀生誕三百年を記念して講談社が刊行した『大日本史』の見返しに使用された図版の原画《葵》が展示されていた。横山大観は水戸藩士の長男として生まれたことを誇りに思っていた。また、大正十五年に描かれた《千代田城》が展示されていた。この絵は、「明治天皇の咫尺(しせき)し奉りて」という連載が始まった『キング』昭和二年新年号の口絵に使用された作品である。大観は、極めて篤い尊皇愛国の精神の持ち主であった。小生は昭和二年十一月一日、大日本雄弁會講談社発行の『明治大帝』(キング付録)という書籍を所蔵している。その中に、宮内大臣・伯爵田中光顕氏執筆の「大帝に咫尺し奉りて」という文章が収められている。

 

この頃の講談社は、東京市本郷區駒込坂下町四八番地にあった。現在の千駄木三丁目である。小生が育ち今も居住している町である。小生が育った家は駒込坂下町一一八番地にあった。講談社の本社があった所は現在、講談社の社員寮になっており、『大日本雄弁会講談社発祥の地』と刻まれた石碑が建てられている。

 

講談社が発行していた雑誌に使用された色紙が多く展示されていた。多くの作品は、鮎とか梅とか小禽類が描かれていたが、橋本永邦の作品は、色紙という小さな画面に雄大な自然が描かれていた。小川芋銭、酒井三良の作品は親しみやすい漫画に近い描き方であった。農民が働く姿が描かれていて好感が持てた。

 

庭の秋雨に濡れた芝生の緑が美しかった。

 

「秋雨に 濡れし芝生の 緑かな

 

鮮やかな 芝生の緑に 秋の雨」

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