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2016年9月30日 (金)

この頃詠みし歌

明るき笑顔で母に接する介護職員に有難きかなと手を合はすなり

 

限りある命なりせばなほのこと生きゐるうちは力つくさん

 

降り立ちてホームを歩めば人々は忙しげに行く我を残して

 

のぼり行く九段の坂は靖國とわが母校への通ひ道なり

 

喧噪の巷と化せる貴船の地 観光バスとタクシーの群れ

 

川床に座して食せる夏の夕べ貴船は今や食堂街なり

 

洗面所の鏡に映るわが顔を見つめて新たな決意湧き来る

 

スーパーの明るき光に照らされる果物たちは華やいで見ゆ

 

今はただ静かなる坂となりてゐる上野戦争激戦の地は(谷中三崎坂)

 

激しき雨に濡れつつ夜の街を行く我の心に憤怒燃え立つ

 

母と娘()が頑張って働く花屋さんに仏壇に供へる花を買ひに行く

 

ビルの地下の札幌ラーメンうまきかな さっぱり味が我によろしき

 

ゆっくりと語りゐる人 自らの意志固くして我に真向かふ

 

自らを批判する雑誌を買ふな讀むなとがなり立てゐる谷口雅宣

 

賑やかな祭りの声の聞こえ来て窓を開ければ淡き月影

 

一日を二食で過ごすを習ひとし いくらか痩せたるを喜びとする

 

若き友と語れば楽し過ぎ去りしわが若き日を思ひ出しつつ

 

三歳となりたるといふ子の事を楽しげに語る若き友かな

 

久しぶりの青空を母と仰ぎ見て話は弾む施設のテラス

 

野間清治宛ての大観の封筒に駒込坂下町とあるは嬉しき(講談社野間記念館)

 

達筆の大観の手紙に書かれたるわが町の名を見ては喜ぶ()

 

秋雨がしとしとと降る昼下がりテラスに座して煙草燻らす()

 

テラスから緑の芝生を見てゐれば秋雨が静かに降り続くなり()

 

雨に濡れる緑の芝生を眺めつつ 心すがしくなりにけるかも()

 

得入無上道即成就仏身といふ言葉口ずさみつつ道を歩めり

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