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2016年7月 4日 (月)

この頃詠みし歌

弟をシベリアで失ひし人の歌讀みつつ悔しき歴史を偲ぶ(窪田章一郎先生歌集)

 

わが母は「愛ちゃんはお嫁に」を楽しげに歌ひゐるなり施設の小部屋

 

パソコンでは佳き歌作れず 筆を持ち心のままに歌を詠まなむ

 

久しぶりに市ヶ谷の町に来たれども昔の人に逢ふよしもがな

 

朗々と詩吟の声の響きわたる今宵の宴の爽やかさかな(『欣欣の清筵 福永武君の結婚を悦ぶ会』)

 

道につながる友ら集ひて若き友の妹背の契り祝ふこの夜(同)

 

幾十年來の同志の元気な姿をば見てぞ嬉しき今宵の集ひ(同)

 

それぞれに戦ひの庭に立ちてゐる友ら集ひて今日の祝事(ほぎごと)(同)

 

懐かしき師の面影を偲びつつ「生命の實相」實相篇を讀む

 

街中の緑の森のみやしろは梅雨の光に濡れて美し

 

清らなる梅雨の晴れの間の青空の下のベランダに洗ひ物干す

 

バスに乗り不忍通りを行き行きて母のゐませる病院に着く

 

点滴を打たれてややに顔色の良くなりし母よ 安らかにあれ

 

せまき部屋に老いたる母は眠ります ただに祈らむ当病平癒

 

母上はわが手を握り安堵して眠りたまへりせまき病室

 

懸命に祈りつつプリンを口に運びなば母はわずかに食したまへり

 

わが母の健やかにゐませと祈りゐる我の心を神しろしめせ

 

わが母の胸に手を当てひたすらに快癒を祈る夕べの病室

 

わが母は薄目を開けて我にしも微笑みかける夕べの病室

 

細くなりし母の両足見るに耐えず 眼(まなこ)閉じれば胸迫り来る

 

わが母が老いませる体でよこたへて苦しむ姿を見るに切なし

 

嚥下能力よみがへりませと祈りつつ母の口に流動食運ぶ

 

嫌々と言ひながらようやく流動食を食したまへる母を励ます

 

命の光さらに輝けと祈るなり病室に眠る母に向かひて

 

わが母の叱咤の声の強ければまだまだ命は燃え盛るなり

 

友どちの笑顔のポスター眺めつつ元気で頑張れと祈りゐるなり

 

ジューシーだ肉厚だとかいふ言葉 飽食の時代に飛び交ひてゐる

 

緑濃き皇居の森を眺めつつ安らかな心になりてうれしき

 

この国の永久の安穏を祈りつつ皇居の森を眺めつつをり

 

楠公の雄々しき騎馬像振り仰ぎ日の本の国を守りませと祈る

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