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2016年4月28日 (木)

愛国運動と宗教

明治維新の思想的基盤は、水戸学と共に神道国学の精神があった。国学四大人と呼ばれる本居宣長・平田篤胤・荷田春満・賀茂真淵の思想的影響は大きい。

 

それと共に、幕末期には、黒住教・天理教・金光教という所謂教派神道三教団が立教した。この三教団が、神社神道と異なる所は、教祖がおり、独自の経典があり、布教活動を行うということである。そして、病気・貧困などに苦しむ民衆の救済を行った。

 

さらに、幕末期には、民衆による伊勢参宮が盛んに行われた。これを「おかげ参り」という。つまり、明治維新という未曽有の変革の精神的基盤には、国民全体の宗教的情熱があったのである。

 

明治二十五年に立教した教派神道・大本教は、大正維新運動・昭和維新運動において大きな働きをした。教祖の出口王仁三郎は頭山満・内田良平両氏の深い交わりがあった。そして『立て替え立て直し』『神政復古』を唱え、昭和神聖会という愛国運動組織を作った。大本教は、頭山満・内田良平両先生をはじめとした多くの維新運動者と連携を持った。出口王仁三郎氏に、「月の出口は頭山満 神が打ち出す末永世」という歌がある。維新運動の指導者だった頭山・内田・末永の三氏と自分の名前を詠み込んだのである。

 

しかし、昭和十年に、政府権力による大本教大弾圧が行われ、殆ど壊滅状態に陥った。これは、大本教と愛国維新運動が一体となって国家変革を実行するのを権力側が恐れたためと言われる。その後、大本教にとってかわるように、愛国宗教として大きな活動を行ったのが生長の家であった。

 

田中智學の日蓮主義も維新運動に大きな影響を及ぼした。石原莞爾・板垣征四郎・北一輝・西田税・井上日召は、みな日蓮主義者と言って良い。日蓮の救済思想が、当時の維新運動者に共感を呼んだのであろう。

 

戦後の民族運動・維新運動に大きな影響を与えた宗教団体は、何と言っても、生長の家であろう。今日、民族運動・真正保守運動を行っている人々に、生長の家の信者はまことに多い。

 

ところが残念なことに、最近は、谷口雅宣という三代目の指導者が、祖父である谷口雅春先生の遺志を踏みにじり、教えを隠蔽して、愛国運動とは全く異なる路線を歩んでいる。

 

大本教も、維新運動との接点は無くなっている。日蓮系教団も、維新運動・愛国運動を行う団体は少ない。霊友会や仏所護念会は保守ではあるが、戦前の日蓮主義のような維新運動に対する大きな影響力は持っていない。それどころか、創価学会のように、民族運動の批判の対象になるような教団が最大の組織を誇っている。しかし、田中智学系統の諸団体は、活発な愛国運動。真正保守運動を展開している。

 

 

こういう歴史を紐解くと、維新運動と宗教はとても深い関係にあるということが分かる。特定教団と結び付くということではなく、愛国運動・維新運動には、敬神・尊皇・崇祖という日本伝統信仰に立脚した信仰的情熱が不可欠である。それが基本である。

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