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2016年4月17日 (日)

飯田将史氏(防衛省防衛研究所主任研究官)の講演内容

一月二十日午後五時より、虎ノ門の笹川平和財団ビルにて、「第127回海洋フォーラム 南シナ海をめぐる問題と中国の海洋戦略」開催。飯田 将史氏(防衛省防衛研究所 主任研究官)が講演。講演内容は付きの通り。

 

「去年五月、『中国国防白書』発表。軍事戦略を説明。中國は基本的軍事戦略を時代と共に見直してきている。現在は、海上軍事闘争の準備を重視。海軍重視。海洋権益を守る。海外権益擁護・海洋の重要性を『白書』に明記。中國における安全保障環境が変化。建国当初は陸上にあった。危険は陸上からやって来た。それを一つ一つ解決。ロシアとの国境も全て確定。陸上からの安保上の懸念・脅威がなくなった。重陸軽海の打破。海洋の経路と権益の擁護を高度に重視。

 

中国にとって失われた領土は海洋にある。その最大なものは台湾。そして尖閣・西沙。これが中國海洋が海洋に進出する理由の一つ。もう一つは、中国経済発展の実現によって海洋に進出した。中國はエネルギー消費量が急激に伸びて来た。エネルギーの対外依存がうなぎ上りに増加している。中國は自前のエネルギーの確保を重視。

 

一九七〇年から八〇年、中国は南シナ海支配を拡大して来た。力を背景にして現状の変更を進めてきている。尖閣の主権を脅かしている。南シナ海では現状変更を実現している。海上警察などを使って勢力拡大に成功。二〇一二年四月、スカーボロ礁をフィリッピンから奪取。そして、セカンド・トーマス礁に狙いをつけている。ベトナムとは石油掘削を巡り衝突。

 

二〇一三年一月、『中國が核心的利益で取引すると期待すべきではない。正当な権益を放棄せず核心的利益は犠牲にしない』という方針を打ち出した。『平和発展の道』は条件付き。二〇一三年七月、習近平は『海洋強国を選択する』と言った。海洋権益と核心的利益の重視はほぼ同じ。中國はこの二、三年南シナ海での軍事的プレゼンスを強めている。昨年七月南シナ海での大規模な実弾演習・上陸演習を行った。フィリッピン・ベトナムへの威圧。二〇一四年一月、インド洋へ進出して演習。第一列島線を南から突破しようとしている。急速に埋め立てを進め軍事化している。人工島の基地を作ろうとしている。それに依拠して領海を主張して来ることは否定できない。南シナ海に広大な中國の領海が出現する可能性あり。軍事的にアメリカによる中国への接近を拒否。

 

尖閣・フィリッピン・台湾の三つの問題での最大のネックはアメリカ軍。如何にアメリカの介入を回避するかが大問題。南シナ海は非常に深い海。潜水艦は深く潜れる方が有利。二〇〇九年三月、南シナ海で米艦艇『インペッカブル』に対する妨害を行った。海南島基地の強化は、潜水艦運用において非常に重要。体を張ってアメリカ軍を妨害した。

 

アメリカは、昨年十月二十七日南シナ海で航行の自由作戦を実施。アメリカは航行の自由が確認されるまで止めることはないであろう。それなりの覚悟を持ってアメリカは始めたのであろう。南支那海での米中対峙は高まる。アメリカと米国との国益の衝突。危機管理のメカニズムに米中は合意。力を競い合う状況は今後も続く。中國は二枚舌で、それに何の躊躇もない。中国は『国際法』について、自分たちに有利なことは重視。不利ことは無視する。

 

中國は多面的存在。経済的には日米東南アジアは共通利益を持つ。中國への経済依存度は、東南アジアは日米よりも圧倒的に高い。中國は東南アジアを団結させない戦略。問題の根本は中国の政治体制にある。一党独裁体制の正当化、経済発展、国家の統一、民族主義の実現が一党支配体制を納得させている。経済成長は減速し、簡単に克服できない。中国共産党はナショナリズムに頼らざるを得ない。ナショナリズムにおける成果を国民に見せることが大きなポイント。中國は中東問題の深刻化に期待がある。九・一一以降中国はチャンスの時代を迎えた」。

              ○

千駄木庵主人曰く。共産支那は、尖閣・沖縄・フィリッピン・台湾などを支配下に置こうとしているのである。その最大のネックはアメリカ軍なのである。そのために飯田 将史氏が言われる通り、アメリカの介入を回避せんとしているのである。沖縄における反基地闘争、反自衛隊闘争さらには琉球独立の動きは、自覚するとしないとに関わらず、共産支によるのアジア侵略支配を助ける役目を果たしているのである。

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