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2016年4月15日 (金)

この頃詠みし歌

肥満体の我は息を弾ませて本郷台地をのぼり行くかな

 

団子坂大給坂にたぬき坂は我に親しき坂道の名ぞ

 

一歩一歩湯島中坂を上り行くこの夕暮れに息切らしつつ

 

春の夜の空を動き行く飛行機の灯り眺めるほろ酔ひの我

 

國会前で物の怪に憑かれし如く叫びゐる若者たちの何と厭はしき

 

橋の上より川の流れを見つめをり花びら浮かべて流れゆく川を

 

ゆったりと流れ行きゐる川の面に桜の花びら散り続くなり

 

ゆったりとゆったりと流れる川の面 桜の花びらもゆったりと行く

 

川の面が桜の花びらに覆はるる江戸川公園にひとりやすらぐ

 

遊歩道に桜の花びら散り敷きて過ぎ行く春を惜しみゐるなり

 

水を祀る小さき社を仰ぎつつ江戸の昔を偲ぶ春の日

 

風吹けば桜吹雪に包まれて今われ春の真中にぞ立つ

 

わが人生六十九回目の桜花舞ひ落つる下に立ちてうれしき

 

麗しき日の本の國をそのままに誇るが如き満開の桜

 

地下駅より上り来たれば満開の桜花見えたり春の喜び

 

春の苑桜の花の咲き満ちて大き仏の慈願尊し 

 

若き日の友らが次々と逝きにけること思ひつつ落花見てゐる

 

散る桜仰ぎて立てばこれの世を去りし友どちの面影ぞ立つ

 

明るき坂を上り行きなば母が待つ施設があるを喜びとする

 

病みし友と電話で話せど慰めの言葉もうまく口より出でず

 

饒舌に話すは難し病みし友の弱りたる声を聴きゐる我は

 

神を信ずる女性の言葉強くして胸の奥処(おくど)に響き来るなり

 

けたたましきサイレン聞こえ来る夜なれば安眠といふを拒否されにけり

 

冷雨降る駒込の街のラーメン屋人さはに満つる暖かさかな

 

六義園に行列して入る人々をいぶかしみ見る我にしありけり

 

我もまた京都に行けば行列に交じりて庭園を経巡りにけり

 

遠き世の歌を讀みつつ今の世を生きる人々は心和ます

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