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2016年4月30日 (土)

この頃詠みし歌

我此土安穏ただに祈らむ春の夜 火の国熊本を地震襲へり

 

古代よりこの国は地震の多き国ただひたすらに耐えねばならぬか

 

あな恐ろし大地揺らぎて火の国の緑の山々こぼたれにけり

 

若き命奪はれしことの口惜しさ地震の禍は情け容赦なし

 

若者がむごくも建物につぶされしと聞くは悲しき火の国の禍

 

部屋に溢るる書物と資料を如何にせむあと何年生きるかしらねど

 

さみしさに耐えゐる母は我と会へば泣くが如くに喜びたまふ

 

時計を見ればもう帰るのかと問ひたまふ何と愛しきわが母上は

 

夜の町をさまよふ母をさがしたる思ひ出は今も切なかりけり

 

今はただ車椅子に座りつつ母は施設で過ごしたまへる

 

とことはの光りと思ふ月の照る夜空に向かひて口笛を吹く

 

夢幻なる世界に入り来て歩み行く崖の上なる細き道をば

 

計画的大虐殺の張本人ルメイこそ第一の戦犯と思ふ

 

迎へ火を焚きゐる父と母の姿 写真で偲ぶ懐かしさかな

 

今日も元気に母がゐませば嬉しくて共に語らふ夕つ方かな

 

南洲の大き御像を振り仰ぎ維新回天の歴史を偲ぶ

 

皇城守護の強く気高き志 南洲精神を偲びまつれり

 

彰義隊の悲しき御霊の祀られし石碑を畏み仰ぎまつれり

 

久しぶりにゆっくり歩みし駿河台新しきビルが立ち並びをり

 

土色の校舎は消え去り新しきビル聳え立つ明治大学

 

聖橋より下を望めば工事中 ここも新たなる眺めとなるか

 

ニコライ堂と湯島聖堂は何時までも変わらずにあるが嬉しかりけり

 

若き友と語らふ時の楽しさよ 命爽やかに生きませと祈る

 

根津権現の氏子として生き今日もまた朱色の社に参り来れり

 

トンネルに入り行くバスに乗りをればこのまま出なくなるを恐れる

 

春雨に濡れつつ上野の山を歩き上島コーヒーがありて喜ぶ

 

愛らしき乙女に金を支払ひてコーヒーを待つ束の間の幸

 

何時起こるかわからぬ地震を恐れつつまた忘れつつ日々過ごしゐる

 

エレベーターが下がり来るのを待ちてをり 母のゐる部屋に向かはんとして

 

皆それぞれに語らひにつつ酒を呑む酒場楽しき春の夕暮

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