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2016年3月20日 (日)

田村秀雄氏(産経新聞特別記者)による「膨張する中国リスクと日米協調の行方ーTPPを主導する日米はAIIBを仕切る中国を包囲できるか―」と題する講演内容

十一月七日に開催された『アジア問題懇話会』における田村秀雄氏(産経新聞特別記者)による「膨張する中国リスクと日米協調の行方ーTPPを主導する日米はAIIBを仕切る中国を包囲できるか」と題する講演内容は次の通り。

「日本のデフレはアベノミックスによって解決の方向に向かっているように見える。日本のデフレとは、日本の経済のパイが二十年前に五二〇兆円あったのに今は四九〇兆円に過ぎない。『中國に押されている』の一語に尽きる。この危機感が安倍内閣の土台。デフレ脱却のブログラムが迷走。二〇一四年の中国のGDPは日本の二倍以上。経済の委縮は日本の政治の失策にある。

 

中國は迷走し、中國経済崩壊論が店頭をにぎわしている。中國の崩壊とは、中国共産党体制の崩壊。AIIB(アジアインフラ投資銀行)は人民元の国際化、中国経済のグローバル化を方向性とした発展。中國は長らく外貨準備の大半を米国債への投資に充て、米国はこうした投資を利用して国内のインフラ建設などに投資して来た。この循環が破れれば、中国は巨額の外貨準備を有効に利用できなくなるだけでなく、米国の債務システムに『拘束』され、金融市場で益々受け身の立場に立たされる。

 

AIIBは人民元の国際化がある程度のレベルに達した時に、人民元を投資通貨として選択することが可能。関連国のインフラ建設は中国に輸出をもたらし、関連の金融機関に対する需要を喚起し、関連の金融機関の設立は将来の人民元によるグローバル決済、資金調達、備蓄、貿易に完成したシステムとプラットフォームを提供。中國主導の国際金融機関は経済問題だけではなく外交軍事の問題でもある。軍事外交経済の総合戦略に基づく。

 

雲南省からミャンマーへ鉄道が引かれる。軍事そのもの。インフラ整備で金を出してくれるのなら結構ということだが、中国の軍略ではないのか。行き詰った中国経済開発モデル(=投資+輸出)打開を模索。投資・輸出主導に代る経済モデル(個人消費主導など)見当たらない。新シルクロード経済圏=『一帯一路』という中華思想。アジア、ユーラシアの全ての道を北京につなげる中華経済圏建設によって、投資、輸出主導型成長復活。その金庫となるのがAIIB。対国際通貨基金(IМF)工作で、人民元をドル、ユーロに次ぐ第三国際通貨と認定させ、人民元を刷り、石油も高度技術も何でも買えるグローバル帝国を目指す。関心は、通貨・金融による中華帝国の膨張戦略であり、世界経済と安全保障のダブル・リスクを引き起こす恐れあり。

 

中國に入る投機資金は細くなっている。中國の七つの軍区はそれぞれが総合商社。中國人民銀行がお金をガンガン刷る。中國は資金がどんどん逃げている。中國の外に対する債務が滅茶苦茶増えている。外貨準備より対外債務の方が大きい。中國は自由市場ではない。公安が株式投機を取り締まっている。中國に魅力的な投資物件が無い。外貨準備を減らさないために株価操作をしたが、それが失敗した。

 

中國の膨張をいかにして止めるが、スローダウンさせるかが、日本の戦略であるべし。中國金融市場の自由化をやらせること。金融市場の門戸を完全に解放させること。日本は今後、戦時体制だと思ってやらねばならない。

 

アジア開発銀行は日本の生真面目さが定着。日本の財務省OBが総裁。メンバー国の中国と仲良くしたい。アジア開発銀行には危機感が全くない。正々堂々としたルールを作って日本に発注が回るようにすればいい。アジア開発銀行は日本の為になっていない。日本の官僚は喧嘩や摩擦を起こしたくない。

 

台湾沖縄が中国に靡くと、台湾は人民元で商売をしなければならなくなる。人民元が国際通貨に認定されると、台湾は中国経済に呑み込まれる。貿易協定が発効すると、台湾の中国化が一挙に進む。中国マネーによって台湾は占領される。経済と情報が大陸によって支配される。日本はそれを止めようがない」。

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