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2016年3月29日 (火)

『WSD世界人権サミット』における登壇者の発言

昨年十二月十三日に開催された『WSD世界人権サミット』は、「このサミットには、政財界、学界、スポーツ界から国際的リーダーが集い、グローバルな視点で人権問題を討論します。今回のサミットでは、世界が直面する喫緊の人権問題の一つ、人身売買に関する認識を広めることをテーマにします。外交問題としては、ハードの安全保障に対する、ソフトの安全保障です。つまり、人の安全保障問題なのです。現在、人身売買を行う犯罪組織に対抗するため、国際的に様々な努力がなされています。このサミットでは、それらの努力の成果や協力性を高めるため、創造的な戦略を提言します。しかし、サミットなので、横道にそれた話しが興味深いのです」(案内書)との趣旨で開催された。

 

 登壇者の発言は次の通り。

 

高村正彦氏(WSD顧問、自民党副総裁)「人身取引は国境を超えた重大犯罪。自らが被害者であってもそういう自覚を持っていない被害者は数え切れない。人身取引は人間の安全保障に対する悪質な犯罪。女性が被害者の七割。女性が輝く世界の構築はかけがえのない要素。わが国が率先した役割を担ってゆくべし。人身取引の収益がテロ活動に使われている可能性あり」。

 

スラキアット・サティアンタイ氏(元タイ副首相)「奴隷は過去のものではない。人身取引は新しい奴隷制度。フランス、アメリカにもある。二千百万人の人身取引の犠牲者がいる。毎年六十~八十万人が人身取引の対象者。犯人に金が入る。五二〇憶ドルの産業になっている。貧困で生き残るために家族を売らねばならない人がいる。組織が関わっている。リスクのある人を狙っている。人身取引は紛争地でよく見られる。若い女性が犠牲になる。臓器を取るために犠牲になる人もいる。現代の奴隷制度である。『バンコック人権宣言』では『奴隷は禁止されるべし』と言っているのに、今日もこの残虐行為が行われている。九〇ドルで一人を強制労働に縛ることが出来る。使い捨てにされる。昔のアメリカの黒人奴隷より価格が下がっている。アジア太平洋での野蛮で非人間的な慣行を止めなければならない。根本原因を排除せねばならない。安定した統治が必要。我々は平和が必要。紛争・貧困と戦い、人身取引の根本原因を断とうとしている」。

 

城内実氏(衆院議員)「人身売買は基本的人権を侵す行為。最も尊ばれるべき人権が商品として取引されているのは許されない。欧州における難民の内少なからぬ人々が悪質な組織によって労働を強制されている。国際社会が一体となって協力することが必要。二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの年はテロ犯罪が起こる可能性が高まる。人身売買組織に隙を与える。即戦力となる外国人労働力が劣悪な条件で働かされている。受け入れ企業への管理監督体制が強化が必要。あらゆる搾取形態に対応できることが必要。犯罪収益がテロの資金になる可能性あり。二〇一四年に人身取引対策の法執行面で実効的方策を取ることを決めた。官房長官をヘッドに各省横断的議論ができる会議を作った。最高レベルで取り組んでいる。日本は差別のない国。人権が重んじられている。日本の国会は『パレルモ条約(国際組織犯罪防止条約)』を承認した。しかし野党の反対で批准していない」。

 

オン・ケン・ヨン氏(元ASEAN事務総長)「人身取引問題にはASEAN加盟国が長年取り組んできた。各国が法整備をしなければいけない。軍も警察も一丸になって取り組まないといけない。一万五千の島からなる国がインドネシア。各州が調整しなければいけない。各州長が力を持っていない。ASEAN諸国はモニタリングできる機関を持っていない。不法入国の活動をどうやって阻止したらいいのかが重要な課題。人と人との認知力をアップしなければいけない。母国に仕事が無いので他国に出稼ぎに来ている。経済労働環境を整備しなければいけない。送り出している地域の経済を高めれば雇用を求めて出て行く必要はなくなる」。

 

ヴァレリー・エイモス氏(ロンドン大学東洋アフリカ研究学院長)「貧困・腐敗と教育・雇用の不足が背景にある。イギリスでは家庭内での奴隷状態が存在する。安価な労働力として使われている」。

 

半田晴久氏(WSD総裁)「メディアが人身取引の実態を一般の人々に知らせるべし。政治家の動きも大切。人身売買している組織を国際協力して潰す戦略が必要。そして一人一人の努力が必要。政府間の取り組みと共に下から一人一人が取り組んでいくことによってこの問題を解決する」。

 

ベス・ヴァン・シャーク氏(WSDハンダセンターシニアフェロー)「人身取引は国境を超えた問題。根本原因を断つ。これは保護の問題。パートナーシップが大事。市町村レベルの戦略が必要。日本はまだ『パレルモ条約』を批准していない。アジアの潮流として参加しようという動きあり。人身売買をなくすための大きな取り組みが必要」。

 

 

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