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2016年2月29日 (月)

この頃詠みし歌

高らかにわが歌声は響きけりオーソレミオと荒城の月

 

おでん屋の前を行き過ぎ夕方でなきを悲しむ我にしありけり

 

いか焼きを食しつつ海岸でバスを待つ境港の正月二日

 

境港の岸壁でバスを待ちをれば潮の香りがわが身を包む

 

王府井(わんふーちん)の古き旅館に泊まりたる遠き日の旅昨日の如し(大陸の旅を思ひ出して)

 

栄宝斎(えいほうさい)で買ひたる硯今もあり墨すりてさて年賀状書く()

 

埃だらけの毛沢東像を見上げたり長江大橋のたもとのビルで()

 

北京空港で俵星玄蕃を歌ひたる懐かしき旅を思ひ出しをり()

 

駅のホームで買ひたる鳥の丸焼きを美味し美味しと友と食せり()

 

西安まで二十四時間の汽車の旅 朝早く黄河を渡り行きたり()

 

鄧小平が好みしといふ北京ダック食しつつ友と語らひし旅()

 

晴れあがる二月の空の下に立ちすめらみ国の歴史を語る(紀元節街頭演説)

 

わが好物の金平糖を人々に配りつつ祝ふ建国記念日()

 

天皇陛下萬歳を唱へすがすがし皇居の庭の民草一人(皇居参賀)

 

命たらふ思ひするなり参賀終え皇居の坂道くだり行く時()

 

松の緑生き生きとして大御代を寿ぐ如きその光かも()

 

明時 (あかとき)にメール着信の音がして今日の生活が始まらんとす

 

水の撒かれし坂道のぼり行く時に清められたきわが身と思ふ

 

わが打ちし柏手の音 部屋内に響きわたれり強く祈らん

 

柏手は強く響けり この朝(あした)神を仰ぎて祈りする時

 

群れ飛べる蛍を眺め喜びしはるか昔の美しき女(ひと)

 

共に遊びし夏の夕べの蛍の灯 明るき笑顔の君と重なる

 

狭き道歩み行きなば物欲しげな目をせる猫が我を見つめる

 

この頃の小動物は人間を恐るる心持たざる如し

 

命の力強くあれかしと祈りつつ母の冷たき手を握りゐる

 

夕暮れの雲を眺めてわが母は動かないねとつぶやきたまふ

 

薄暗き夕闇の中 ちょび髭の男が近寄り笑顔向けたり

 

咲きて散る花の運命(さだめ)さみしみて見上げる梅は萎れてゐたり

 

新派劇の舞台となりし梅園の夕暮れ時は人賑はへり(湯島天神)

 

お蔦主税の逢引の舞台の渡り廊下くぐりて行けば白梅薫る()

 

江戸情緒未だのこれるを喜びて夕暮れ時の湯島を歩く

 

愚か者が野合の政党を作るといふ二人の顔を見よや人々(民主維新合流)

 

この二人に国政任せてよいものか松野の息子とスーパーの息子()

 

元の鞘に納まるだけの出来事を書類交はして何の遊びか()

 

殉職者の慰霊堂といふに神もゐまさず佛もゐまさぬ無宗教とは(彌生慰霊堂)

 

何となく悲しき心になりにけり犬の鳴き声遠く聞きつつ

 

ともし火の遠く見ゆるを眺めつつ永久に流るる時を思へり

 

一人食す朝餉のパンはふくよかにわが身に入りて我を生かすか

 

愛の神我を見離し今日もまた一人身にして朝餉を食す

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