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2016年1月 9日 (土)

笹川平和財団主催『日本の安全保障のジレンマー日本の進むべき道は何か?』における登壇者の講演内容

九月二十九日に開催された笹川平和財団主催『日本の安全保障のジレンマー日本の進むべき道は何か?』における登壇者の講演内容は次の通り。

インド政策研究センター教授・プラーマ・チェラニー氏「日本で日本について話すのは大きなチャレンジ。日本は近代史において他のアジアの国にインスピレーションを与えて来た。日本が近代のサクセスストーリーになったのは、日本が日清・日露戦争に勝利したことによる。アジアは列強によって植民地になった。日本がロシアに勝ったのは、アジアにとって励みになった。

 

第二次大戦後、日本は復興発展した。付加価値の高い供給を送り出している。日本は非常に豊かな国。一人あたりのGDPは三万九千ドル。日本国民は中国国民より五倍の収入を得ている。二十年の間深刻な経済的苦難に遭ったが、一人あたりの所得は英国より急上昇している。平均寿命も先頭を走っている。近代史の中で日本は輝かしい発展を遂げて来た。日本はアジア最大の民主主義国家。

 

安保環境は急速に変化。日本は四百の島によって形成されている。人口は中国の四分の一。日本は厳しい選択を迫られている。日本は安全保障の能力を高めねばならない。

 

日本は世界がうらやむ歴史を持っている。アジア諸国に経済援助して来た。日本国内の制約で安保上不確実性が高まっている。憲法の縛りを受けた日本。憲法は一回も改正されていない。日本の憲法は安保上厳しい条件が含まれている。日本で国家安保上の動きがあったからと言って日本が平和主義から脱皮するという疑問は誤り。日本自身の力を強化するとともに、アジアの力を強化する。

 

大多数の日本人は自国の憲法を変えることは出来ないと考えている。アメリカは日本における安保政策をサポートしている。日本の自衛隊は洗練されている。イギリス・フランスはアメリカと最も親しい同盟国なのに、この国々は防衛安保をアメリカに頼っていない。日本は平和のための貢献国にならねばならない。安全で競争力のある国になるべし。均衡を生みだすことが必要。

 

陸上・海上の利権の尊重は必要。紛争になったら深刻。既存の領土・海洋の尊重。過去を直視できないとお互いのナショナリズムが出てくる。歴史が将来への障壁になってはならない。過去の虜になり続けるのか。過去が未来を人質にするのか。これがアジアが直面している問題。過去にあまりこだわると平和は来ない。

 

新しい地政学的現実が出て来ている。中国が軍事力をつけて来た事で日本が安保省の備えをしたのは当然。防衛の方が攻撃よりも容易。軍事力が十分の一でも日本は大きな力を発揮できる。非同盟運動は現在でも適切であるかは疑問。インドは多国的同盟にシフトしている。日本も多数との同盟を策することが出来る。日印関係は急成長している。日中印の三国が協力すれば大きな力になる。これがアジア安保にとって重要。

 

集団的自衛権は国連憲章で認められている。日本は行使しないということになっていたが、行使できることとなった。日本が他国他国民と同様に台頭するには、安保を改革しなければならない。それは憲法に関わってくる。日本は軍ではなく自衛隊と呼ばれている。防衛目的の武器を配備するだけでいいのかどうか。世論の反対がある事に日本の政府は怯えている。次のステップが見えてこない。次の動きがどういうものであるかを議論してほしい。憲法のどこの条項を改正するか削除するかを議論すべきだ。日本は何故議論すらしないのか。

 

日本は核武装しても意味がない。戦略的にも軍事的にもナンセンス。新しい技術は二、三十年が賞味期限。しかし核兵器は七十年保っている。サイバースペースが重要になっている。日本はサイバースペースに対して洗練された能力を持っている。日本は攻撃的兵器を持つべきか。防衛的兵器で良いのか。議論すべきだ。アジアは経済の牽引力である。コンテナ輸送の八十五%がアジアを通っている。アジアでは中東のような紛争は起らない」。

 

 

佐藤丙午拓殖大学教授「日本はアジア全体の経済発展において多額の投資をしてきた。アジアへの戦略への強烈なる反省もあった。冷静な計算もあった。アジア諸国と共に安保を考えるという時代になった。インドとの関係をどう構築するかが問題。中国は我々にとって敵ではないが、味方でもない。国際関係においてパワーバランスの変化に注意を払わねばならない」。

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