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2015年12月22日 (火)

『アジア問題懇話会』における田久保忠衛杏林大学名誉教授による「『安倍談話」を読み説く」と題する講演内容

九月十二日に開催された『アジア問題懇話会』における田久保忠衛杏林大学名誉教授による「『安倍談話」を読み説く」と題する講演内容は次の通り。

 

「安倍総理は『歴史問題には慎重にならざるを得ない』と言っていた。『安倍談話』は『村山談話』『小泉談話』の延長線上にある。連立政権に公明党もいる。野党には民主・社民・共産がいる。海外には中国、韓国、アメリカがいる。政治的スイテトメントにならざるを得ない。しかし政治的にはこの二つの談話に比べると成功。

 

『安倍談話』の土台になったのが有識者会議(注・『21世紀構想懇談会』)。有識者会議は『東京裁判史観』を脱していない。満州事変以降日本は侵略戦争に乗り出したとした。この考えは私の考えとは異なる。旧連合国への謝罪文を十年ごとに独立国家の総理大臣が出さねばならないのか。鄧小平が仕掛けたマジックを跳ね返さねばならない。

 

四つのキーワードが入っているかどうかで大騒ぎ。まず『侵略』。座長の北岡伸一氏は結論が出る前に二回、安倍さんに『侵略と言ってほしい』と言った。『侵略』ということを総理から言わせようということを公式の場で二回言った。『広辞苑』の『侵略』の定義に基づいて言っている。この定義は今の国際紛争は説明がつかない。北岡氏は『大東亜戦争は東亜解放と言う連中がいるから日本がおかしくなる』と言っている。

 

『安倍談話』は日本が侵略したとは一言も言っていない。一般論に差し換えている。プレッシャーを無くす表現としては見事。十五年戦争は日本の侵略というのは『東京裁判史観』。濱口雄幸から東條英機までの十五代が共同謀議をしたとはとても思えない。巣鴨ブリズンの戦犯たちも『はじめてお目にかかりました』と言った人もいる。『東京裁判』で共同謀議はないと言うことが証明されてしまった。

 

満洲事変は軍部の暴走。長期間にわたって調査したリットン調査団は、満州国の独立は認めなかったが日本には同情的だった。

 

日露戦争前後から日本人がカルフォルニオに移民。移民した若い人々は花嫁を欲する。『三角のパンツでうろうろする、痰を吐く』という日本では何でもない事でも問題になった。日本人は勤勉。初めは中国人、次に日本人が嫌われた。日本人隔離法案が可決されてしまう。

 

今日、事実上植民地支配をしているのは、中国がチベットやウイグルにしていること。

 

『安倍談話』は國内外の批判を見ごとにクリアしたと思う。『大東亜戦争』という名称は固有名詞である。『詔勅』にもある。変えるわけにはいかない。『太平洋戦争』という名称はアメリカ側の史観に基づく。この談話では『先の戦争』となっている。

 

原爆を落とした犯罪は許せない。ライシャワーは『二発目の長崎は許せない』と書いている。ソ連が入って来てから落とした。

 

ソ連の侵略は計画的。北方領土は強奪された。六十万人がシベリアの二千カ所の強制収容所に入れられた。六万人が飢えと寒さと重労働で亡くなった。昭和20812日、満州国鶏寧県麻生区において、日本の哈達河開拓団が避難中にソ連軍によって一斉射撃され集団自決した麻山(まさん)事件がおこった。421人が死亡した。このような恐ろしいことがあらゆるところで起こっている。ソ連に関しては日本は被害者。終戦の仲介をソ連に頼んだ日本が馬鹿。

 

大きな国際情勢の変化で、日本は戦後最大のターニングポイントを迎えている。アメリカの内向きが大問題。中国の抬頭は凄まじい。極東に中国人労働者が増えている。

 

暴力革命論に先祖返りしている。民衆が国会を取り巻いて『民主主義を実行する』と言っている。

 

アメリカの国力は中国の抬頭で相対的に衰退している。日本は存在感がなくなってしまう。しかし安倍総理によって存在感が出てきた。

 

日本は皇室を中心とする神の國。憲法に緊急事態条項を盛り込むことだけはやって貰わねばならない。『前文』に立憲君主制をはっきり謳うべし。こういう事をきちっとしてくれる人は今のところは安倍氏以外にいない。

 

外国の研究所で、私が『日本には二千年以上続く皇室がある』と言うと、他の国の人は粛然とした。天皇は征服王ではなく、祭祀王。日本の伝統を継承される。

 

韓国経済はおかしい。中国経済は曲がり角に立ち、成長率が落ち始めている。ロシア経済は瀕死の状態。三つの国は共通している。ロシアの収入源のエネルギー価格がどんどん下がっている。安倍氏はプーチンに好感を持っている。メドベージェフの国後上陸は国内に対する『日本に屈していない』という意志表示」。

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